平成27年度(第62回)近畿・北陸・東海
三地区共催都市監査事務研修会の内容その2です。


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東京大学名誉教授・総務省地方財政審議会会長
神野直彦氏の地域再生の経済学。

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監査という範囲にとどまらず、
思想的な話というか、哲学的な話でした。
知見を広げることができました。


以下研修の内容です。
聞き漏れ書き漏れ誤字脱字はご容赦ください。
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地方創生という言葉
創生はなかったものを創ることなので、もとからあるから、
意味がよくわからない。

工業社会が地域社会を荒廃させた、
それを生まれ変わらせようとするのが地域再生。

スウェーデン、ふるさと存続運動がある。
すべての地域には独自の資源がある。

自然は人間を必要としない。
しかし、人間は自然を必要とする。

危機の時代はこのことを忘れようとしている。
自然は自己再生力がある。


1991年、ヨハネパウロ2世のレールムノヴァルム(新しい事柄)
副題:社会主義の弊害と資本主義の幻想
なんでも競争、なんでも市場になってしまった。

1891年にもレールムノヴァルム(世界不況の時)。
副題:資本主義の弊害と社会主義の幻想。

資本主義で失業率があがっていて、
社会主義になれば解決するんだという話もあるが、それは幻想。


資本主義と社会主義を越えて人間の尊厳と魂の自立を可能にする経済体制は
いかなる特質をもち、いかなる方法で具現化できるか。

2つの環境破壊が起きている。
緑の環境破壊、自然の環境破壊。
人的環境の破壊。人間関係の破壊。

工業社会が行き詰っている現象。
都会の子供たち、美しい星空を見ることも、命が生まれる森に入ることもなく、
そういう子供が環境を守ろうと思うはずはない。

危機の時代。クライシス、峠。
結論は二つだけ肯定的か破局か。



現在日本は人口減少の影に怯えている。

800なくなるよという話、それだけ?
合併で1000以上なくなったよ。

地方消滅なんてありえない。

人口の増加は明治維新まであまり変わらない。
そこから爆発的に増えた。
人間も生物。

大量発生すると元に戻る。
明治維新の時は3330万人。

農業社会は自然制約があるので、生産性の限度がある。
工業は自由、生きている自然を原材料にしてのに対して、
生産性を急激に増やすことができる。
そして人口も増加。
いずれ工業が行き詰って人口の増加も行き詰まる。

これから日本、ロシア、韓国、ヨーロッパ諸国が頭打ちになるが、
アフリカ、中近東は爆発。そういう国が工業化していけばもっと人口増える。

頭打ちになるのは当然。


もう一つ日本が怯えているのは、
工業化すると地方から人が消えるんじゃないか。
ヨーロッパではそういうことは言いません。
人口が増加するときは工業化、都市化。
工業化が頭打ちになると都市化も頭打ちになる。
ヨーロッパは石油ショックの時に逆都市化。
都市から自然、農村に戻ろうとする動き。
新しい産業を創ったり(知識産業)、そういうのは自然が豊かなところがいい。

階段を上るときはエネルギー、降りるときは筋肉を使う。
人口が増えるときと減るときは違うことが起こる。

ところが日本は違う。
都市化が進むんだという前提で計算するから消滅という話になる。

実際はそういう話になりません。
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地方から都市に流れるのは高度経済成長、
不況になると地方に行く人も多くなる、
再度都市に行く人が増えるのはバブル。
2000年以降都市に流入が始まっている。

昔と規模が全然違う。今の方が規模が小さい。
かつ、重要な点は、高度成長期は貧しい人が出ていった。
地方から職を求めて。
現在貧しい人は移動しない。豊かな人が地方から出ていって都市圏に行く。

すでに工業の時代は終わっているので、東京の方に工場勤務があるわけじゃない。
工業化する中で、地方に人が言ったのは1970~80年。
それ以降は工場は海外に。

工業が大都市、地方、海外。
日本に残っているのは研究、企画部門。
そこがワールドワイドに管理する。
中枢機能に人は集まるが、限られている。

各会社は地方の支社を占める。

東京に支社で地方の本社のところは、
地方の本社を小さくして、東京の支社を大きくする。

大阪は地方の1つでしかない。

社長も大阪。
東京一極集中。
名古屋は±ゼロ。(某自動車会社)
大阪はマイナス。


地方で新しい知識産業を生み出す。

人間のつながりがあるところ、
自然的なつながりがあるところ。(木陰)

高校の半分が地元で仕事をしたい。
内閣府の調査でも10%UPで今住んでいる地域に住み続けたい。




田園回帰。
そういうところから新しい産業。

知識の生産は競争ではなく、
お互いに与えないと地域は発展しない。


地方に生活の場を移そうとしている。

「そんなこと言っても地方に仕事がないんです」

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確かに失業率が一番高いのは6.8%
でも出生率は高く、長寿。
沖縄は年齢構成が逆ピラミッドではなく寸胴。

スウェーデンの北端も住めないんじゃないかと思うがみんな出ていかない
(気温がマイナス45度でも)


第2位が大阪。

青森、北海道は入るけど、
それ以外は大都市圏。
福岡、宮城、京都、兵庫、東京、埼玉、神奈川。

失業率低いのは島根県。2.2%
そして、下から、
福井、富山、三重、香川、静岡、長野、山梨、群馬、高知、山口、岐阜、山形



暮らしやすいところトップは三重、富山、
埼玉は最下位。

暮らしやすいといわれている福井富山は人口減ってるし、
埼玉は人口急増。住みにくいところが日本人好きなんですよ(笑)


JSミル
人口は停止しても、人間の進歩が停止するわけではない。
これまでは資本を人口を増加するのに使ってきたが、
今後は質を上げるために使っていく。

それでますます技術革新が進む。


人口減少がとんでもないことが起こるように言っているが、
むしろメリットだ。
人口減少が起きていくんだけど生産性を向上させ、
人間の質をよくすることに知恵を使っていけばいいんだと。

日本はだめです。
知識集約産業、まさに農業。
気象の知識から・・自然のメカニズムが分かっていないと。

サローの忠告
日本は依然として工業の時代と思っている。
重化学工業化をやっていく過程では勝者だったから。
日本はルールが変わった時がつくのに最後に気が付く。



量を追及する経済を質の経済に。

熱力学の第一法則と第二法則。
(1)エネルギーの量は一定。

(2)エネルギーは条件により、仕事の能力や質(エネルギー)に差異がある。


部屋の中を電気で温めるのは、電気のこぎりでバターを切るのと同じくらい愚かなことだ。
屋根を黒くして熱を吸収する。
発電もバイオマス。




鉄から鉄鉱石にするときに、
自然にある物質に知識で形を変えていく。

ペースメーカー3000万くらいするが、
物量は少ない、知識が詰まっている。

車も、エンジンルームスカスカだったが今は詰まっている。
質を変えるのは人間の知識。

人間の筋肉系統の力を使うのではなく、
神経系統感情を使いながら次の産業を生み出していくのが重要。


サスティナブルシティの優等生という割れているのは
ストラスブール。LRT.
富山もLRTひいているが、芝生は少ない。
芝生をひくには自動車をシャットアウトしないといけない。
ストラスブールを見ると、子育てするならここで、となる。
ストラスブールは自然の中でゆったりと育つので知識産業。
20万人の人口のうち、5万人。
EUの議会も。
ストラスブールは活性化してるけど、
我々の思う活性化ではない。
商店街も車がシャットアウトされるとよくないんじゃないかといっていたが、
車は通過、歩いてもらう方が買ってくれるようになる。
そういう中でヨーロッパのキーワードは環境と文化。

ストラスブールは汚染していたのを全部やめた。

文化を守ってるかどうかは街並みを見ればわかる。
近代的なビルがない。

文化を守っていないのは発展途上国。一極集中。


日本は文化を捨てる。
こんな蒸し暑い国で靴はいたら水虫になる。
休みの日には下駄をはく。
発注するだけで何万。
下駄は道が舗装されてない前提。草履。

子どもたちは足の大きさ何文って聞いても、
足の単位ということも知らない。

靴を入れる箱のことを下駄箱というが、
なんで下駄箱というのかわからない。

環境文化を持った地域に知識を持った人が集まり、産業が生まれる。

人は所有欲求から存在欲求へ。
これまでの工業社会は存在欲求を犠牲にして、所有欲求を求めてきた。
貧困飢餓を回避したらこれからは存在欲求。

存在欲求は幸福の実感
所有欲求は豊かさ実感
GNPからGNH。

無縁社会になる日本。
都会で起きている。
ファミリーがあり人間と人間の関係があるところでは産業が生まれる。



オーランド諸島問題。
フィンランドとスウェーデンの間。
スウェーデン領だったが、ロシアにとられた。
戦争後独立するときにフィンランド。
争いになって、フィンランドを提訴。

新渡戸稲造が国際連盟の事務次長で、ジャッジ
オーランド諸島はフィンランドのものとする。
言語はスウェーデン。スウェーデンも文化を教えないといけない。

スウェーデンもフィンランドも喜んだ。
このジャッジがあったから日本人は尊敬されている。

日本人は新しい生き方を示していく責務がある。


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ストラスブールが実際どういうところなのか、
直接見に(視察に)行きたくなりますね。

どうしても国内外問わず議員の視察というと
??の雰囲気が漂う部分もあるとは思いますが、
やはり直接行ってしかわからないこともありますし、
しっかりと学びを深めるためであれば、と思っております。

また、
日本の中の自治体でも違う部分はあり、
国内視察も勉強になるのですが、
どうしても日本という枠組みの中での話になってしまい、

海外の都市の場合、良くも悪くも枠組みから違う、歴史的経過から違う、
ということから、日本の都市とは全く違うことも参考になることもあると思います。

(もちろん情報の取捨選択は必要です)



時間と経済的な部分、そして飛行機を克服して
2期目は海外の都市視察もいければと思っております。

飛行機、昔は乗れたはずですが1回LCCで台風に突っ込んだ経験をしてからは・・





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