監査の総会・研修第二弾です。


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実効ある自治体監査を求めて 制度と運用
明治大学法科大学院教授 碓井光明


制度的な問題などについてご教示頂きました。


確かに包括外部監査は枚方市も平成18年からやっていますので、
若干のネタ切れ感があります。

毎年やらないでもいいんじゃないか?という提案には考えさせられます。




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役所の常識を不適正と認識できない。


年度処理の問題。
なかなか適正化が進んでいない。

住民監査請求が多発する傾向。

徳島県庁の議会図書室
びっくりしたのは資料が極めて古い。
古いのにピンピンとしている。

議会図書室を活用して共同資料にすればいいじゃないか。

議会図書室と行政資料室が一緒。

損失補償契約。
三セク。事業をやった場合、損したら地方公共団体が補填する。
そういう契約を結んでいることが多い。
安曇野市事件で違法ではあるが無効ではない。
だったのが、判例としては無効。
監査は不当性にも鑑査できる。

好ましくないというのがあれば意見を言える。
損失補償契約を締結するのがいいのかを判断できる。



監査委員監査の課題。
財務処理そのものに対する信頼。
監査に対する信頼。

外部監査制度が導入された。
監査委員監査の意味が改めて問われる。

外部監査は自らの判断で監査の事項を選択できる。
通常の監査とは違う面がある。

問題発掘型監査の必要性。後追いではなく、
これからどうするんだという話。


監査委員報酬をめぐり住民監査請求もある。
下級審判断なのだから独自で判断する。


附属期間条例設置主義
条例ではなく要項で設置されている。
条例で設置すべき委員会の委員に報酬を支給するのは違法という判決。
違法ではあるものの、出席していれば、損害は生じていないという処理もあり得る。




行政監査の重要性
行政監査と財務監査とを区別することは困難。


包括外部監査は財務監査だが、
実質的には行政監査と思われるものが多い。

内部統制の必要性と内部統制体制に関する行政監査。
内部統制は事前統制の対象となし得るリスクのマネジメント

内部統制基本方針の作成→体制の整備運用→報告書の作成→監査委員の監査→議会への報告。



現行制度の運用による実効性ある監査
①実効性のある監査の継続は、不当不正な財務会計行為の抑止にもなる
②単打と長打を組み合わせる思考で監査を実施
役所の常識への切り込み

③意味のある監査への転換
形式的な監査「適正と認められる」との表現からの決別を。

係数の誤り等の監査に終始していないか。
大きな視点での監査が必要ではないか。

監査は監査される者にとって役立つ監査にすべき。



充実した監査を可能にする制度的仕組み
常勤委員の必要性。


職員の人事異動の必要性と監査の独立性の確保
監査の職員も首長の敷のもとになされる職員移動の一環とせざるを得ない。

市の幹部に対して監査をやりすぎるとうるさい奴となりかねない。


監査支援業務の委託。
愛知は監査法人に委託。


例月出納検査、言葉ではたいしたことないように思えるが、
きちっとやることで不正を暴ける。

監査は監査委員会でないので、
監査委員の連盟で監査結果が表示される。


行政監査の方が意見が分かれる可能性があるので、
個別意見を表示してもいいのでは。


監査制度の将来
原稿の監査は多岐にわたるので、
監査機能を分けた上で制度の再構築を図る必要がある。


包括外部監査の名称は不適切
外部監査人の選択するテーマを取り上げることができるという意味に過ぎない。
毎年やらないといけなくなる。
包括外部監査の質を担保するしくみがない。
そんな毎年やるとコストの部分で躊躇してしまう。
義務付ける団体を含めて3年に1回とかも認められるように


市町村の監査を都道府県に委ねるとか。

監査従事者の資格制度・・多様な能力が問われるので難しいのでは。
事務局に関しては一定の能力が必要と考えると、
公会計監査士とかがあってもいいのでは。

監査のコスト
充実させなければならないが、
自治体、住民がどの程度コストをかけられるか。
現行の予算制度を考えると、監査には予算執行権がない。
年度途中で監査経費が必要なとき、首長にお願いするしかない。
首長が自分の首を絞めるかもしれない予備費の使用を認めてくれるのか。
これからの仕組みを考える上で無視できない。