本日の午後1時から、
議会基本条例と災害時の議会対応というテーマで、
近大准教授の辻陽氏にお話を伺いました。
議院内閣制と大統領制、二元代表性の制度の違い
と首長との関係性、
また、議会では効率性と開放性という考えで
あるべき姿を考えていくという話でした。
また、
そもそも首長は議会と比べて権限が大きい、
しっかりと民意を反映する首長なら議会は効率的に運営していけばいいが、
首長を牽制できるのも議会。
という話もありました。
改めて、
議会のあり方が問われます。
資料
■議院内閣制
内閣
↑
↓
国会(議会)
↑
↓
国民
内閣と議会は信任性。
多数派から信任を得ている。
郵政民営化は衆議院可決、参議院否決で、
民意を問うために衆議院を解散した。
内閣は国会の解散権がある。
内閣は直接国民に選ばれず、
国会は直接国民に選ばれる。
よって、
内閣よりも国会の方が民主主義の正当性がある。
採用しているのは、イギリス、日本、ドイツ、イタリアなど。
■大統領制
議会 大統領
↑ ↑
↓ ↓
国 民
どちらも国民によって投票され選ばれる。
どちらの方が民主主義的な正当性があるというのはなく、
均衡している。
大統領制の中では、
議会の解散権はない。
アメリカの場合、
オバマ大統領は民主党
議会の下院は共和党が過半数。
なかなか思うとおりの議案が通らない。
仮に上院も共和党になっても
オバマ大統領は打つ手がない(解散できない)
かといって
議会の側が大統領を辞めさせたいと思っても、
不信任を出すことはできない。
※採用しているのはアメリカ、ラテンアメリカ、アジア各国
====
■権力の融合と分立
内閣と議会の多数派が一体的。
権力の融合
議会と大統領が同じ党派の場合は統一政府。
違う場合は分割政府。
アメリカは分割政府になりやすい。
西暦の偶数年に議会選挙が行われる。
大統領選挙と大統領選挙の間にある選挙(中間選挙)
で与党がよく負ける。
韓国は
大統領5年、議会4年
大統領になった瞬間の議会選挙では大統領を支持する人がだいたい勝つ。
任期が終わる時の議会選挙では大統領を支持する人がだいたい負ける。
大統領がいろんな方に耳を傾けて聴く人であればいいが、
そうじゃない時は議会が止めなければならない。
■二元代表制
議会 首長
↑ ↑
↓ ↓
住 民
日本の地方自治体の二元代表性は首長と議会が直接選挙で選ばれるという点からは、
大統領制に近い。
しかし、
首長の不信任議決権が議会にある、
首長にもその後議会の解散権がある、
など大統領制とは相違点がある。
首長が議会に対して有する権限
・再議権(大統領制度で言うところの拒否権)
・専決処分(法令制定権)デクレ?。
・予算調整権(排他的導入手続き)
・予算修正権(議会の側から無制限に修正できるわけではない)
・原案執行権。議会が経費を削減した予算を再議決した場合、首長は議会の議決がなくても、その費用を支出する権限を有する。
・議案提出権(アメリカの大統領制では大統領の議案提出権は認められていない)
↓つまり
首長の大義会権限は強い。(大統領制比較の観点から)
■効率性と開放性
効率性・・・「一定の時間的制約」を重視
→議会は効率的に政策決定を行わなければならない。
多数派重視。過半数を占めていれば進めていける。
開放性・・・「民主主義的正当性」を重視
→議会は少数派にも意思表明の機会を与えるなど、
構成員すべてに対して議会内過程をできるだけ
開放する考慮がなされなければならない。
納得がいくまで議論をしましょう。という部分。
↓
効率性と開放性は両立し得ない。
二元代表性において、
効率性と開放性はどうなるのか?
一院制・・効率性重視(二院制に比べ)
首長が予算の排他的提案権を持ち、議案の提案権も有する・・効率性重視
首長との関係が協調的であれば効率性重視になりやすい。
議決事件を広くしていけば開放的になりやすく、
狭く定める場合は効率性重視となりやすい。
===
枚方市議会における災害発生時対応要領
マニュアルを作るというのは重要。
いざという時に動きやすくなる。
「枚方市議会が枚方市災害対策本部と連携し、~」
とあるので、
通常の二元代表性としての拮抗関係ではなく。
執行部への協力重視。
連絡会議散会後の対応。
「効率性」と「二元代表性」の観点から。
なるべく早く復興予算案を可決させ、
執行できる状態にしなければならない。
3.11の時は三重県議会で、
平時はよく反対している議員も賛成していた。
二元代表性を考えると
首長に対抗できるのは、
議会。
執行部の専門知識に負けないためには
勉強して、知識を身につけていくことが必要。
視察に行くこと、書籍を購入することは大事。
政務活動費を使ってこそ首長に対抗していけるのではないか。
とテレビでもコメント。
ルールは作られた以上は従わなければならない。
ルールを作るのも民意。
====
名張市で議会改革検討委員会の副委員長も務めておられた方です。
議会改革検討委員会というものと、
議会改革特別委員会というものがあり、
特別委員会は議員のみの構成。
検討委員会には議員が6名程度で、有識者が1人(辻氏)、
公募市民が2人という構成のようです。
====
なお、
余談ですが、
枚方市議会において議場での研修会は初めてです。
議場入口に案内
(他市で実施されているところもあります)
会議規則が適用されないため、
PC持ち込みで研修に臨まさせていただきました。
議会基本条例と災害時の議会対応というテーマで、
近大准教授の辻陽氏にお話を伺いました。
議院内閣制と大統領制、二元代表性の制度の違い
と首長との関係性、
また、議会では効率性と開放性という考えで
あるべき姿を考えていくという話でした。
また、
そもそも首長は議会と比べて権限が大きい、
しっかりと民意を反映する首長なら議会は効率的に運営していけばいいが、
首長を牽制できるのも議会。
という話もありました。
改めて、
議会のあり方が問われます。
資料
■議院内閣制
内閣
↑
↓
国会(議会)
↑
↓
国民
内閣と議会は信任性。
多数派から信任を得ている。
郵政民営化は衆議院可決、参議院否決で、
民意を問うために衆議院を解散した。
内閣は国会の解散権がある。
内閣は直接国民に選ばれず、
国会は直接国民に選ばれる。
よって、
内閣よりも国会の方が民主主義の正当性がある。
採用しているのは、イギリス、日本、ドイツ、イタリアなど。
■大統領制
議会 大統領
↑ ↑
↓ ↓
国 民
どちらも国民によって投票され選ばれる。
どちらの方が民主主義的な正当性があるというのはなく、
均衡している。
大統領制の中では、
議会の解散権はない。
アメリカの場合、
オバマ大統領は民主党
議会の下院は共和党が過半数。
なかなか思うとおりの議案が通らない。
仮に上院も共和党になっても
オバマ大統領は打つ手がない(解散できない)
かといって
議会の側が大統領を辞めさせたいと思っても、
不信任を出すことはできない。
※採用しているのはアメリカ、ラテンアメリカ、アジア各国
====
■権力の融合と分立
内閣と議会の多数派が一体的。
権力の融合
議会と大統領が同じ党派の場合は統一政府。
違う場合は分割政府。
アメリカは分割政府になりやすい。
西暦の偶数年に議会選挙が行われる。
大統領選挙と大統領選挙の間にある選挙(中間選挙)
で与党がよく負ける。
韓国は
大統領5年、議会4年
大統領になった瞬間の議会選挙では大統領を支持する人がだいたい勝つ。
任期が終わる時の議会選挙では大統領を支持する人がだいたい負ける。
大統領がいろんな方に耳を傾けて聴く人であればいいが、
そうじゃない時は議会が止めなければならない。
■二元代表制
議会 首長
↑ ↑
↓ ↓
住 民
日本の地方自治体の二元代表性は首長と議会が直接選挙で選ばれるという点からは、
大統領制に近い。
しかし、
首長の不信任議決権が議会にある、
首長にもその後議会の解散権がある、
など大統領制とは相違点がある。
首長が議会に対して有する権限
・再議権(大統領制度で言うところの拒否権)
・専決処分(法令制定権)デクレ?。
・予算調整権(排他的導入手続き)
・予算修正権(議会の側から無制限に修正できるわけではない)
・原案執行権。議会が経費を削減した予算を再議決した場合、首長は議会の議決がなくても、その費用を支出する権限を有する。
・議案提出権(アメリカの大統領制では大統領の議案提出権は認められていない)
↓つまり
首長の大義会権限は強い。(大統領制比較の観点から)
■効率性と開放性
効率性・・・「一定の時間的制約」を重視
→議会は効率的に政策決定を行わなければならない。
多数派重視。過半数を占めていれば進めていける。
開放性・・・「民主主義的正当性」を重視
→議会は少数派にも意思表明の機会を与えるなど、
構成員すべてに対して議会内過程をできるだけ
開放する考慮がなされなければならない。
納得がいくまで議論をしましょう。という部分。
↓
効率性と開放性は両立し得ない。
二元代表性において、
効率性と開放性はどうなるのか?
一院制・・効率性重視(二院制に比べ)
首長が予算の排他的提案権を持ち、議案の提案権も有する・・効率性重視
首長との関係が協調的であれば効率性重視になりやすい。
議決事件を広くしていけば開放的になりやすく、
狭く定める場合は効率性重視となりやすい。
===
枚方市議会における災害発生時対応要領
マニュアルを作るというのは重要。
いざという時に動きやすくなる。
「枚方市議会が枚方市災害対策本部と連携し、~」
とあるので、
通常の二元代表性としての拮抗関係ではなく。
執行部への協力重視。
連絡会議散会後の対応。
「効率性」と「二元代表性」の観点から。
なるべく早く復興予算案を可決させ、
執行できる状態にしなければならない。
3.11の時は三重県議会で、
平時はよく反対している議員も賛成していた。
二元代表性を考えると
首長に対抗できるのは、
議会。
執行部の専門知識に負けないためには
勉強して、知識を身につけていくことが必要。
視察に行くこと、書籍を購入することは大事。
政務活動費を使ってこそ首長に対抗していけるのではないか。
とテレビでもコメント。
ルールは作られた以上は従わなければならない。
ルールを作るのも民意。
====
名張市で議会改革検討委員会の副委員長も務めておられた方です。
議会改革検討委員会というものと、
議会改革特別委員会というものがあり、
特別委員会は議員のみの構成。
検討委員会には議員が6名程度で、有識者が1人(辻氏)、
公募市民が2人という構成のようです。
====
なお、
余談ですが、
枚方市議会において議場での研修会は初めてです。
議場入口に案内
(他市で実施されているところもあります)
会議規則が適用されないため、
PC持ち込みで研修に臨まさせていただきました。