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ご協力のほどよろしくお願いいたします。

チャレンジに至った経過についてはコチラの記事に書きました。

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正式に人数を数えておりませんが
反対は約10人


反対討論をされた方は4人。

枚方市議会としてはなかなか珍しいことだと思います。



我々の会派の反対討論です。
会派を代表して清水議員が討論していただきました。

趣旨としては基本的に
委員会での討論と同じで、
そこに一部加えている部分もあります。


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ただいま上程されています、「負担付き寄附(美術館の建物)の収受について、未来に責任・みんなの会を代表して、反対の立場から討論をいたします。


この度の寄附については、
枚方市にとって大変ありがたい話だと思いますし、
自ら私財を投じて建設した美術館を市民文化の向上に役立てて欲しいという
寄附者の尊いお気持ちには、心から敬意を表したいと思います。

しかし、この思いに対し、市としてしっかりとした調査や議論が不十分であると言わざるを得ません。
今回の一連の動きには寄附を受けることありきで強引に進めようとする市の議会軽視の姿勢・あらっぽさが感じられてなりません。

これから述べるような疑問点・懸念点があるため、現時点では「賛成を」するのは無理があると考えております。

まず、


事業によっては、スピード感を持って取り組まなければならないものもありますが、本美術館の案件については、事業の優先順位も踏まえるとしっかりと議論をすべきです。市長の選挙の公約にも年度当初の市政運営方針にも掲げられておりません。また施策評価の中で、文化・芸術分野は市民アンケートでも重要度は常に最下位に近い事業となっております。近年の浸水被害、保育所の待機児童問題等、待ったなしの事業が積み残しの中で、優先順位の決め方が、非常に疑問の残る事であり、竹内市政における選択と集中という言葉がたいへん虚しく聞こえます。
さらに、美術館を整備する場合においては、実際に、他市では整備にあたって専門の委員会を立ち上げ数年かけて議論をしているところもありますが、枚方市においてはそのような議論の形跡はありません。

また、枚方市は40キロ圏内に、京都・奈良をはじめ国立美術館など、4か所もあり、他にも有名な公立・私立美術館が多数存在します。そこでは豊かな世界の名画・芸術作品が贅沢に鑑賞でき、多くの市民の方が足を運ばれておられます。よって、枚方市で美術館を整備することは市として必要性・緊急性が高いとは思えません。
さらに、市の施設全体のありようとしてこれから施設白書を作成して、今後の財政運営健全化のためにも、施設の最適管理、総量圧縮にむけて取り組みを進めていかなければならないにもかかわらず、重要度・緊急度の低い施設を新設すること、またそれに伴い、公共施設の総量をどうするのかについての提示がない点も問題です。

先の総務常任委員会において、中核市における市立美術館数一覧についての資料があり、中核市の6割が設置しているとの旨ご説明いただきましたが、枚方市と違い県庁所在地という県における中心都市である場合や、時期的にほとんどがバブル崩壊後、景気対策のために公共事業として整備されたものも多く、中にはいわゆる市民ギャラリーのようなものもあり、ベットタウンである枚方市が、今の、この時期に整備・運営する必要性を説明しているものとは思えません。また大阪市においては美術館、統合の動きもあることを鑑みますとやはり時代に即した考えであるとは思えません。




昨年の7月に美術館寄付の申し出を受けてから、半年以上経っているにもかかわらず、事業を推進していく上での課題やリスクの検討、事業効果の予測やモニタリングの検討、先進事例における成功・失敗要因の検討などが行われておらず、我々としても判断できる材料が乏しいと言わざるを得ません。

また、今後の運営経費として年間約7400万円が試算されておりますが、企画展等にも言及されており、公立美術館の性質上一般財源の負担は大幅に膨らんでいくことが容易に想像できます。総務常任委員会のやりとりで明らかになったように、利用料収入や、利用人数がわからないということ、また、隣接している香里ケ丘図書館をリニューアルし、指定管理による一体管理についても言及がされておりますが、具体的行程が示されていないこと、費用削減効果についても具体的な額が示されていないこと、など、詳細な計画もない現状においては負の遺産になる可能性が高く、将来世代に負担を残すことにつながっていきます。



また寄贈を受ける美術館の整備予定地についても、問題があります。香里ヶ丘中央公園が予定されておりますが、市内のどの駅からも徒歩で行くことは困難で、枚方市民全体の利便性が確保できているとは思えません。もともと、本市では、交通の便の良い、枚方市駅周辺において一定の美術館機能を備えた総合文化施設の整備が予定されていました。それを踏まえて総務常任委員会からも、美術館を総合文化施設整備予定地の新町地区で1つにする、提案がありました。しかし、市からはご寄附頂く方にお断りされたとのことですが、市としては、委員会の意見や、当初の市駅に整備するという計画を踏まえて、粘り強く交渉すべきであると感じます。

その上、市としての文化芸術施策の中で美術館の位置づけについても、明確な位置づけができているとは思えず、後付の感がぬぐえません。


また、負担付き条件が「本市が収受物件を、寄附者の承認を得ないで美術館の用途以外の用途に供した場合には、寄附者は寄附に係る契約を解除することができる。この場合において、寄附者から請求のあったときは、本市は収受物件の建設に要した経費を負担しなければならない」と用途変更に際しての期限の設定がなく、あまりにずさんであったことから、議会の指摘により覚書を提示いただきました。この点については一定評価をいたします。しかし、期限が定められましたが、30年間というのは、変化の激しい時代にあっては長すぎる期間です。場合によっては費用返還があるにもかかわらず、建物の価格などの額がわからないことなど、今後30年間にわたり、大きな負担が課せられる事業に対し、まだ議論が熟しているとは思えません。

また、市民への説明責任という観点については、コミュニティに対して説明はされたとのことですが、それだけでは十分とは言えません。




また、総務常任委員会の審議の中で、賛成の委員の方からも、議論の進め方や、そもそもの場所、財政負担の軽減策の具体的手法がないことなど、疑問や厳しい意見が数多く投げかけられました。また予算特別委員会においても厳しい意見が有り、いずれにしても本件に対する議論の中では無条件で賛成という声は少ないと感じております。

ようするに、
・美術館の運営をする前に市としてやるべき課題があります。
・それでも、美術館の寄贈を受けて、運営をしていくのであれば、今申し上げた諸課題について議会に判断材料を提示し、市民に説明責任を果たさなければなりません。
・そのためには今のような稚拙な議論で早急に結論を出すのではなく、十分に議論をしなければなりません。



さらに、委員会においても副市長は「古びたものにしていかないために喜んでいただける施設として活用していかないといけない」「入館者に対する増員に向けた仕掛けというものも必要だなというふうに思っている」「皆さん方にご心配やご不満も、もらってる中でなんとか克服した形でことを成就できるような形でなんとか思っている」
といっており、やはり不十分だと認めているのだと思います。「どのように克服して成就するのか」といった、その一番大事な部分がまだ示されておりません。その大事な部分が示されてから判断すべきであると考えております。



よって、私たちは「未来に責任を持ち、将来世代に負担を残さない」という会派の主義主張からは現時点では賛成できない旨を表明いたしまして反対討論といたします。