最終的に、委員会で反対したのは私だけでした。


ほかの委員の方も様々な想いがあったのだと感じます。



自分の力不足も感じました。
一方で、私自身の課題も
少し見えたような気がします。



本日の総務常任委員会に付託された2件のうち、
美術館の寄贈についてです。


賛成多数のため可決いたしました。


私の反対討論を載せておきます。
まだまだ文章の作り込みとして改善点はあろうかと思います。


ポイントとしては


・美術館の運営をする前にやるべきことがある

・どうしても運営するのであれば
 不明点などが明らかにならないといけない。


・議論の進め方に拙い部分が多く、
 まだ不明点が多すぎて結論を出せない


・現段階で結論をと言われれば賛成はできない



です。




なんともいえない
非常に難しい問題です。



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初めに、寄贈の申し出があること自体は大変喜ばしい話であるということは申し上げます。ただ、寄贈を受け、今後市として運営していくにあたっては現段階では懸念が多く、賛成はできないため、反対の立場で討論をいたします。

まず、昨年7月に美術館寄付のお申し出を頂いて、すでに半年以上たっており、それにもかかわらず、先日来からの委員会における答弁は「付け焼刃」、調査不足、分析さえされていないことが多く、大きな経費が長期にわたって必要になる事業としての緊張感が全く感じられないということを申し上げておきます。

スピード感を持って取り組まなければいけない事業もありますが、本美術館の案件については、事業の優先順位も踏まえるとしっかりと議論をすべきです。実際に、他市では整備にあたって専門の委員会を立ち上げ数年かけて議論をしているところもありますが、枚方市においてはそのような議論の形跡はありません。


また、今後の運営経費として約7千万円が試算されておりますが、企画展等にも言及されており、公立美術館の性質上一般財源の負担は大幅に膨らんでいくことが想像されます。

また、隣接している香里ケ丘図書館をリニューアルし、指定管理による一体管理についても言及がされておりますが、具体的工程が示されていないこと、費用削減効果についても具体的な額が示されていないこと、また利用料収入や、利用人数や、場合によっては費用返還があるにもかかわらず、建物の価格などの額がわからないことなど、現段階では判断をしかねる内容が多いです。


そして、行政事業としての優先順位ですが、文化・芸術分野は市民アンケートでも重要度は常に最下位に近い事業となっております。近年の浸水被害、保育所の待機児問題等、待ったなしの事業が積み残しの中で非常に疑問の残る事であり、竹内市政における選択と集中という言葉がたいへん虚しく聞こえます。


また、計画されている総合文化施設との合築提案についても、行政からはご寄附頂く方からお断りされたとのことですが、行政の又聞きのみでは理解しがたいものがあります。


その上、市としての文化芸術施策の中で美術館の位置づけがについても、明確な位置づけができているとは思えず、後付の感がぬぐえません。



また、枚方市は40キロ圏内に、京都・奈良をはじめ国立美術館だけでも4か所もあり、他にも有名な公立・私立美術館が多数存在します。そこでは豊かな世界の名画・芸術作品が贅沢に鑑賞でき、多くの市民の方が足を運ばれておられます。

年間7千万円もあれば、借り上げバスを各施設に往復運行させ5万人、10万人という市民が世界の名品に触れることもできます。文化・芸術の観点からも費用対効果の検証が必要です。


また、負担付き条件があまりにあいまいであったことから、覚書を提示いただきましたが、事前に覚書がなく、議会の指摘によりようやくでてきたこと、また、期限が定められましたが30年間というのはやはり長い期間です、将来にわたる30年に大きな負担が課せられる事業に対し、まだ議論が熟しているとは思えません。

さらに、市の施設全体のありようとしてこれから施設白書を作成して、施設の最適管理、総量圧縮にむけて取り組みを進めていく中で、緊急度の低い施設を新設すること、またそれに伴い、総量をどうするのかについての提示がない点も問題です。

前回の中核市における市立美術館数一覧をお示しいただき、中核市の6割が設置しているとの旨ご説明いただきましたが、県庁所在地や、時期的にほとんどがバブル崩壊後の景気対策の一環の公共事業として整備されたものも多く、中にはいわゆる市民ギャラリーのようなものもあり、ベットタウンである枚方市が、今の、この時期に整備・運営する必要性を説明しているものとは思えません。また大阪市においては美術館、統合の動きもあることを鑑みますとやはり時代に即した考えであるとは思えません。

今までの総務委員会での質疑において、賛成の委員の方でも、議論の進め方については疑問を呈すも人も多く、また予算特別委員会の質疑の中でももろ手を挙げて賛成という方は少ないと感じ、また反対を表明する委員も何が何でも美術館は反対とするものではなく、行政としての将来にわたる慎重で詳細な検証・議論がなされるべきだと指摘し、現時点では賛成できない旨を表明いたしまして反対討論といたします。



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反対討論、読んでいて気分が良くなるものではないと思いますので、
今後経過を見させていただきます。