地域公共交通シンポジウムin関西
~まちづくりの手段としての交通を考える~
に参加しておりました。



この時はまだ人が少ないですが、
超満員でした。






改めて、地方分権が進む中で、
課題に対して積極的に取り組む自治体と
「横並びでいいや」と思う自治体の差はどんどんついて行くなと感じます。

また、
様々な苦労をされてる中でも、
前向きな気持ちで楽しんで取り組んでいる姿勢はすごく共感します。


資料。

以下は本日のまとめ。
前半です。

すごく長くなりましたので、2つの記事にしました。
後半はコチラです。


要旨だけで言うと、
公共交通を軸に
まちづくり・人づくりを本格的に考えていく時代に入った。
また、(地域にもよりますが)民間の公共交通に対して
様々な観点から税金負担をどれだけしていくかの議論も進んでいく。
進めていかなければならない。



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最初の挨拶
昨年11月に可決して、
交通政策基本法ができた。
地域の活力の向上
大規模災害への対応
その実現のための基本的施策。

人の流れ、ものの流れを総合的に構築していこうという法律。


今後は基本計画が策定されていく。。

==
最初の富山市長の講演内容。

人口が減っていくのが確実に分かっている中で
拡散型のまちづくりを止めなければならない。
コンパクトなまちづくりをどうやったらいいか迷っている。

最初に行っていたのは青森市。
郊外開発を規制する。

富山市。
極端に拡散していたので
腕力で収斂するのは難しい。

公共交通という軸で緩やかに誘導。
都市の構造改革。


●公共交通のブラッシュアップ
民間の公共交通へどれだけ


●公共交通沿線地区への居住促進
駅から500m
バス停圏内には補助金。
質のいい住宅を一棟まるごと借り上げ。


●中心市街地の活性化
中心にのみ重点投資。偏っている。


2005年に28%
20年後には40%
仮に目標が達成しても60%は郊外。
現在は32%




郊外開発をすると
道路の延長が増える、除雪する範囲も広くなる。
それを緩やかに減らす。

それが将来世代の市民に責任を果たす。

道路管理コスト市民一人あたり
現在4000円(除雪費除く)⇒20年後7000円になる。


富山駅1点に集中している。
一度富山駅にいけば、市のどこにでもできる。

LRTの整備
総延長約25キロ
これだけ延ばせば安定的な経営ができる。

来年3月に北陸新幹線。
それに連動してJR富山港線を廃止するというときに、
道路上に軌道を作ってLRT化
車線を減らして線路を増やす。
H18年4月に運行。


沿線の人口が増えたわけじゃないのに
利用者が増えたのはなぜ?

昼の時間帯に50~70代が外出しだした。

1時間に1本を15分に1本
段差もない。バリアフリー


外出機会を提供した。
沿線に住んでいる人のライフスタイルを変えた。
元気な高齢者を増やすのに効果的。


環境未来都市第一号。


減価償却が発生しないので、
経営改善につながった。
6年連続黒字。
固定資産税を負担している。
上下分離したかった。

軌道も列車も市が負担して、
運行だけ民間という方式にしたかった。

⇒軌道法に上下分離がOKになった。

市の中心にサークルができた。


整備効果として
利用の7割は女性。
男性は横ばい。
女性が45%増加。

65歳以上の女性高齢者においては61%増加。


マイカーよりも公共交通の方が
滞在時間が15%UP、利用金額は20%UP.
飲食ができる。(お酒も飲める)

休日は利用金額1.5倍に。

飲食店の酒類販売が増加傾向。


いかに公共交通が人々の暮らしを変えるか。
が明らかに。

地域鉄道におけるコスト構造上の課題は、
施設維持の部分が大きな負担。
施設維持の部分を行政が負担すれば
黒字になる事業者はたくさんある。



プラス過疎化した地域にコミュニティバス。


交通政策の費用が約8億。
一般会計の0.5%(一般会計約1500億円)
政策的経費の約1.2%




1戸100万円、上限5000万円の補助金。
極めて不公平だが、これくらいやらないと変わらない。


中心部の0.4%の面積で、
固定資産税、都市計画税の税額総額が22%


固定資産税、都市計画税の割合が上がってきた。
市長なった時は30%くらいが、今は40%


中心市街地で乗り降りすると、距離関係なく、100円
10万人中2500人、2.5%が毎日外出している。

会員は2,4万人。年会費1000円。2400万円の会費収入。
負担は7500万円

自転車市民共同利用システム
15箇所のステーションを2箇所増やした。

路面電車で街中野外音楽フェス。

マンション購入者には50万円の補助金
郊外に住宅があり、中心市街地に居住空間。

平成20年から6年連続中心地は転入超過。

地価の高いところが横ばい状態。下がっていない。


大事なポイントはブレない。


住民台帳を座標値化してGISに落としていくといい。
未就学児だけとかで通学区域もわかる。
※確かに皮膚感覚としてわかっているのが見える化できそうですね。
 オープンデータで流し込むアプリ作れると楽しいのですが。



↑これは未就学児と学校の分布を地図に落としています。



===
大阪大学
猪井氏の話。

ソウル・チョンゲチョン
高速を外して川を復活させた。

ブラジルパラナ州クリチバ市
歩行者モール


●西宮の生瀬地区のミニバス実験。

自家用車だと顔を合わせる機会がなかったのが、
近所同士が会うように。

共感のまちづくりがこれからの行政で大事。

バスの譲り合いも出てきた。


まちづくりは
アーバンプランニング、タウンプランニングではなく、
まちで共に生活していく環境づくり
それを実現するための手法として交通体系。

レジームを少しずつ変えていかないといけない。

強力なリーダーシップがあればいいが。。

「うちの首長は・・」の地域においては
ボトムアップ型の変化をしていく。

ニッチに限定していく。
ニッチで新しい取り組みをやっていく。
試行錯誤していく中で方向性が決まり、大きな流れができてくる。
変わりにくかったルールが変わっていく。

戦略的ニッチマネジメント
ボトムから変化を促すやり方。

行政が何ができるか。
ニッチがたくさん起こってくるような環境づくり。
そういう動きにおいて障壁を取り除くのが行政の役割。


■変革が必要なレジーム

住民の方に自分のものと思ってもらうようにする。
住民が主体性を持つ。

ボトムアップ型が少ない理由は時間がかかるから、
ではあるが、変えていくという気持ちは大事。
3年でジョブローテする場合もしっかり引き継ぐ。


■西宮の生瀬地区コミュニティバス


WEBページに
「みんなの力でバスを走らせ、このまちを変えましょう」
という言葉がこのプロジェクトの主体性を表している。


===
福島大学
吉田氏による講演。


●地域公共交通はなぜ必要なのか?

営利企業が運行し、一部の人・地域にしか役立たないのに
なぜ税金を投じるのかという批判にどう答えるか。

●「地域公共交通は使われない」は当たり前なのか。
後ろ向きな「常識」では、衰退の一途をたどるだけ。


●お出かけ機会を拡げる地域公共交通作りとは?




地域公共交通はなぜ衰退したのか?
モータリゼーションが大きな影響だが、
それに対して廃止、減便、値上げにより魅力を低下。

縮小をしながら広く薄くネットワークを維持。
不採算の地域公共交通の責務は地方行政に。

誰が地域公共交通を支えているのか?
事業者も補助金をもらっているが利潤を上げることはできない。

行政も不採算を補助してるが投資はしていない。

地域
そもそも、公共交通に意見、改善を提案する場がない。

事業者、行政、地域の責任分担が明確になっていない。


なぜバスを利用しないのか。
⇒外出しない。

なぜ地域公共交通が必要か?

①市民のお出かけを守る(マイカーのない地域)
ひとつの集落には店も病院もない。

②クルマに依存したライフスタイルの限界。
人と人がつながる・交流する機会が失われる。


③まちなかの賑わいを演出する。
車があると目的地と直結
人が歩いている状態が賑わい。


定住と交流が大きなキーワード。

なぜバスは使われないのか?「3つのミスマッチ」
調べたけれど、使えない。
調べ方がわからなくて、使えない。
そもそも、公共交通利用が選択しにない。


どのみち不採算であれば、
どれだけ便益を上げるかを議論するべきだ。

路線図やどこに向かうのかをわかりやすくする



民間と市バス
八戸駅共同運行化
ダイア調整。10分等間隔
両事業者とも乗客増、黒字化達成。

八戸はターミナルビルがないけど、
青空ターミナル。
一元的に発見的できる窓口

民間の投資も呼び込むことができる。

地域公共交通会議は、
バスの導入や変更があるときにだけ開催するのでは意味がない。


何を目指して地域公共交通計画を立てるのかというのを
次の担当者に引き継ぐ。

地域公共交通はおでかけの機会を拡げる投資であると捉える。

===
イーグルバス株式会社
代表取締役谷島氏の講演

赤字路線を引き受けた。
路線バス事業は8年

なぜバス事業者の側からの改善が難しいのか?
⇒事業が見えない。
バスは一旦車庫を出ると誰も運行状況を把握できない。

⇒事業の見える化(運行・顧客ニーズ・コスト)
 +改善過程の見える化



ダイヤ最適化システムで、
データを蓄積していく。

最適化と効率化は分けて考えている。
お客様はニーズに合わないと利用してくれない。
ので100%の効率化してしうわけにはいかない、
お客のニーズ+最大限の効率化が最適化。



運行の見える化で
バス停平均乗車人数を見ると、
長期期間使われていないバス停がある。


顧客ニーズの見える化
毎日の社内アンケート
ダイヤ改定評価アンケート
地域住民アンケート

ハブのバス停を作る。



デマンドと路線
デマンドシステムはすべてがハブまで30分でいける。

ネットワークが構築されています。


デマンドはお客がいないときは運行しなくていい。

バスの輸送量は150%~300%UP
ワゴン1台増やすだけで実現できた。
走行距離もダウン。

運賃制度も200円、300円、400円の最大3段階




測る、見るはデジタル。
考えるはアナログ。


東秩父村再生計画
ハブバス停を作って、
そこに付帯施設(郵便局、コンビニ、調剤薬局)を作っていく。

ハブ停留所の連携による広域サービス強化

観光拠点をハブのバス停にすることで地域を再生させる。