子ども・若者支援のための市民連続講座で、
『不登校・ひきこもり・ニート支援の現在』の話をインターン生とともに伺いました。





全部で4回講座のうちの1回目です。
毎回参加は難しいと思いますが、
今回は予定の調整ができたので参加してきました。



ひきこもりの子どもがいらっしゃる親御さんもいらっしゃったとのことで、
どのように対応していけばいいのかの話がありました。


この分野に私は詳しいわけではありませんし、
すべての場合に有効かどうかはわかりませんが、
もし「どうしたらいいかわからない!」と思われている親御さんは
このブログの
■支援のステップ
親の動き方
●ひきこもり時点での地雷=タブーワード
☆外出可から面談と居場所に移行させるコツ
のあたりをご覧いただき、実践してみてもいいのではないかと思います。


話をされた方はずっとひきこもり支援をしてきた
ドーナツトークの田中俊英さんです。





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ドーナツトーク 田中俊英さん


ひきこもりの90%は
「外出可」型。親子間の雑談は少しできる。
少しは外にいけるけど、友達に会うとか支援する場所にはいかない。


不登校の問題は2~3年経つとニートの問題になる。


中学校が終わったらサポステの範囲になるから
という日本の悪しき縦割り行政。

田中さん
もともとは淡路プラッツの代表を10年以上やっていた。

ひきこもり支援をしてきたが、
予防をしたいと思い、
小中高生の支援をするためにドーナツトークをつくった。

居場所作りをやっている。

西成高校となりカフェ
高校の中退率を下げたい。
2月16日12:50 「映像14」でその様子がOA(MBS)

サードプレイスを作る。
ファーストプレイス(家族)セカンドプレイス(仕事場か学校)


家庭の方がシリアス、決して理想郷じゃない。
職場も緊張感がある。
のでサードプレイスに抜け出すことが大事。

地域若者サポートステーション
全国160箇所。
1つ3000万円の予算。
来年は縮小。3分の2くらい。


学校連携事業(居場所づくり)に注力していいという話だった。
西成高校、桃谷高校、箕面東高校


これから就労支援に力を入れるようにしていく方向。
就労支援まで行かない人たちはどうする?

サポステによってカラーがある。
親はどこまでできるのかを確認したほうがいい。

グローバリゼーションで資本主義が完成しつつあるので、
弱いところにしわ寄せがくる。



■支援のステップ
A.アウトリーチ支援
●本人のステップ
状態:ひきこもり

スモールステップのタイプ
①親子間断絶
②外出不可
③外出可


■支援のステップ
B.日常生活支援
●本人のステップ
状態:ニート


スモールステップのタイプ
④面談と居場所
・面談:心理カウンセリング/ショートミーティング
・居場所:短時間利用

⑤居場所と面談
・居場所:生活訓練(調理・清掃等)
・面談:心理/ショート

⑥居場所と居場所外

・居場所:レクリエーション(買物・カラオケ・旅行等)
・面談:心理/ショート

■支援のステップ
C.就労支援
●本人のステップ
状態:ニート
スモールステップのタイプ
⑦就労面談
⑧短期就労実習
⑨長期就労実習
⑩短期アルバイト
⑪長期アルバイト
契約社員/正社員




親の動き方
①面談
└カウンセリング
(悩みを聞いてもらう、グチを聞いてもらう)
└コンサルティング
(ほとんどの親が求めている、情報収集、アドバイス)
②講座

③親の会


ひきこもり支援の半分くらいは親支援。

親子間のコミュニケーションも大事。
ひきこもっている原因の大きな原因


●ひきこもり時点での地雷=タブーワード
子供が社会参加してないうちに
①将来や仕事の話(学校に行きなさい、も含めて)
本人が一番気にしてるからこそ。

②親の健康
(定年退職や死後も含めて「親はもう定年退職するので」
 「私が死んだらどうするの」)

③近所、同級生の話。


父親は仕事の話をするなと言われても、
仕事=自分なので、自分の話をするなと言われているように感じる。

仕事が好きな父親ほど地雷を踏む。
そう言う時は父親は後方支援。

ポイントは母親。

母親もしれっと「同級生の××は結婚したよ」と言ってしまう。




●ダブルバインド
言葉でこうしなさいと言いながら、行動では別のことをしてしまうこと




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☆外出可から面談と居場所に移行させるコツ
地雷を踏まないように意識してても支援施設の名前を出さないといけない

から矛盾があって親がためらう。
どのように言えばいいか?
長期的に成功するやり方
3ヶ月前から「私施設に行ってるの」と言いつつ、
「なぜ行っているかというと、
 私(親)自身が変わらないといけないと思ってるから」

「行ってるのはあなた(子供)のため」とは言ってはいけない。


「そしてよかったらあなた(子供)もついてきてくれない?」

最初は
「行きたかったら親だけでいけよ」
となるが、
そのうち一緒についてくるようになる。

お互い分かってるけど、演技し合う。

帰りに何か買ってあげないといけない。
ゲームとか3000円くらいのもの。

来てからは面談者の力の見せ所。
1回ポッキリになったら親は面談者を恨んだらいい。

最初は面談者と親の面談だが、
面談者と子の面談になることもある。

重い話ではなく、自分の趣味と関心の話。
ネットで匿名の話ではなく、リアルの場での交流を求めている。

面談者と共通の趣味の話ができれば心を許すことができる。


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ポイントは16歳以降の支援が少ない。

カウンセリングルームのある通信制高校を選ぶことがポイント

1年生の1学期をバックアップしてあげないといけない。
一番力を入れるのは4月5月6月。
友達を求めるニーズがある。


ひきこもり・ニートの最大の源泉は
高校中退。
そして、社会に浮上してくるのは30歳近く。
30歳手前からスモールステップを登っていくと、
社会復帰するのは35歳くらい。

いかに早く発見・支援できるか。

住吉区・・・ハイティーン(10代後半)支援予算を充てる。
まだ府全体ではシステム化できてるわけではない。
枚方市は支援窓口、居場所をこれから作る。



サポートスタッフの育成もやっていく。


枚方市は⑦~⑨はある。


④~⑥のステップ踏んでくれるような団体はあんまりない。

発達障害もケアしていかないかなければならない。
発達障害とひきこもりは親和性がある。

発達障害支援センターは情報しか教えてくれない。

杉山登志郎(医師)
発達障害のいま
講談社新書
発達凸凹


昔は正社員ばっかりで丁寧に研修をしてくれるから
発達凸凹はなくなった。
今は非正規の割合が増えてどうしても丁寧な研修がなくなってきている。

発達障害的な人にとっては、
途中に民主的に話し合った結果の変更でもパニックになる。

発達障害に対する知見がないと、
「みんなで話し合ったらええやん」とだけで終わってしまう。



居場所作りについて・・・
心地よすぎるとずっとそこにとどまってしまうこともある。
どこかで次のステップに行くようにもしないといけない。


支援の最後のエアポケットは10代後半



2月のこの時期はテンションがあがらない。
2月はダメ、動かない。
最低限のところを維持する。

3月20日(春分の日)をこえてからは良くなる。

相談している人をキープしておいて
本当の山場はGW明け。




今日みたいな話を聞きたい人は
市にご連絡ください。職員が出張します。

とのことでした。