保谷・大泉学園のピアノ教室「木村ピアノ教室」です。
当教室では、4月から3月までを一区切りとして、レッスンを行っています。
毎年3月には年度の振り返りとして、生徒の皆さまにアンケートを実施し、レッスンのご希望や、ご相談などを伺っています。
ご相談内容が、他の方にも共通するのではないかな、と思うことに関して、共有できれば良いな、と思い、お名前を伏せて回答してきたいと思います。
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難易度ランク最上級の楽譜が欲しいというので買いました。内心、もっと先に練習した方が良い曲いがあるのでは?と思っています。
このご相談を頂いた生徒さんは、2年ほど前から、急激に練習するようになりました。正確に申し上げると、「練習」という域を超えて、弾けるようになることを楽しんでいる、という印象です。
自分で弾きたい曲を練習して持ってくるし、自分で弾ける所までやってくる、その上で「ここは、こうした方が良いんじゃない?」とお伝えして、弾き方のコツをお伝えすることもあれば、生徒さんの思う表現では無かったら、譲ってもらえないことも(笑)
私の回答は弾きたいなら、挑戦すれば良い
ただ、発表会やコンクールなど、仕上がりの期限が決まっている場合は、必ずしもそうとは言い切れません。
では、なぜ、コンクールや発表会ではダメなのに、普段のレッスンではOKなのか。
まず、ピアノのレッスンに通ってくださっている理由を考えると、この回答になると思います。
弾きたい曲が弾けるようになりたいから、皆様が来てくださっていると考えています。
もちろん、幼児さんや、まだ楽譜が正確に読めない生徒さんだと、弾ける曲には限りがありますが、何年も練習を重ねれば、楽譜は読めるようになりますので、弾きたい、挑戦したい、と思ったなら、挑戦すべきだと思います。
だって、今、弾きたい、って思っているのに、数年後だと、もう、弾きたいという情熱が失せているかもしれませんし、その時に「はい、この曲弾きたいって言ってたでしょ、やりましょ」と言われても楽しくないですよね。
それに、生活の状況が変わって、難曲に取り組むことができないようになるかもしれません。
(私も大学生の頃に、もっと色んな曲にチャレンジすれば良かったな~、と思うこともしばしば。今は家事もしなくてはなりませんので、24時間自分のためだけの時間だった頃が懐かしい)
ですが、発表会やコンクールのように、期限が決まっていて、人前で演奏しなくてはならない場合、私もご指導する上で無責任なことはできません。期日内に仕上がりそうにない曲でしたら、その旨をお伝えして、いつまでに、ここまで弾けなかったら、今回は仕上がらないから、他の曲を練習しましょう、と提案します。
話は戻って、ご相談内容にあります「もっと先に練習した方が良い曲」は、確かにあります。
この生徒様には直接お伝えしたのですが、ツェルニーやクラーマー=ビューロー、モシュコフスキー の練習曲でテクニックを磨くことは、とても有意義です。
リストはツェルニーの弟子で、ツェルニーはベートーヴェンの弟子なので、様々な曲を弾くうえで役立つこと間違いなし。
多くの偉大な作曲家が影響を受けたバッハも練習することは大切です。
大学の定期試験でも、毎回、弾かされましたし・・・
バッハが他の曲と、どう違うか、簡単に申し上げますと、右手と左手にそれぞれ旋律が出てくる2声と言われるものから、3声、4声と複雑になっていき、その旋律を意識して演奏していけるようにするテクニックを磨きます。これが、なかなか難しいのですが、とても素晴らしい音楽です。
バッハは音楽の父、と言われるくらいの人なので、できれば練習できると良いな、と思います。
けれども、どこまで王道の練習をオススメして良いものか、迷うのです。
上達したいけれど、好みの曲じゃない、こんな練習をしたい訳ではない、と感じて、お辞めになったら、本当に勿体ないと思うからです。
ですので、皆さまの状況に応じて、ご提案はしていますが、強制はしていません。
今回の生徒様のように、もし、どんな曲を練習に取り入れたら良いか、や、弾きたい曲がある、とういう方はいつでもご相談くださいね。