我が家は山の中である
森や水に囲まれて
自然に恵まれた住環境だ
しかし、それだけに
豊富にいらっしゃる動物たちや昆虫たち
そういう方たちとも
仲良く共存していかねばならない
夏頃からベランダで繰り広げられていた
女郎蜘蛛の女郎様と私の攻防
洗濯物の干し場に
毎日彼女は立派な巣を作り上げて
真ん中に座って
獲物を待っているのである
彼女が巣の足場にしている洗濯干しは必ず使用するため
申し訳ないが
女郎様とその立派な巣をいったん撤去し
洗濯物を干していたのである
そのさい、彼女をベランダのはしっこまで
連れて行って
「もうここに巣を作らないでね〜」
と、言って聞かせていた
しかし彼女は意地になってか
毎日同じ場所に巣を作り直してきた
「だ〜か〜ら〜!!そこに作ったら絶対に撤去になっちゃうってば!!」
と、毎回女郎様に説教しつつ
仕方なく巣を撤去・・・
それを何回か繰り返したあと
突然
女郎様が見えなくなった
「あれ?どうした?何処かに移動したのかな?」
と思っていたら
なんと!!
ベランダの上方
天井付近に
キラキラと煌く立派な巣をはって
しかももうすでに獲物もゲットして
満腹し満足そうな女郎様が
いるのを発見
「わあ!!いいところ見つけたね!!」
と、声をかけると
女郎様は心なしか得意そうに
ブルブルと糸を揺らしているようであった
二三日して
女郎様を観察すると
巣はちょうど昆虫たちの通り道なのか
狩場として適していたらしく
食べられて丸められた昆虫たちが
たくさんぶら下がっていて
女郎様は非常に栄華繁栄の様子である
しかも、その隣には
女郎様の栄華のオコボレをいただこうと
小さな蜘蛛も巣をはっていて
子分まで出来ているもようである
先日
大型の台風が来て
暴風雨が吹き荒れていたので
女郎様はいったいどうなっているだろうかと
次の日ベランダを見たら
キラキラと水滴がかがやく巣の中で
女郎様は忙しく動き回っており
破れた箇所の修理に励んでいるようであった
見ると子分も
忙しそうに動き回っていた
とても大きくなった女郎様は
そろそろ出産なんだろうな
みんなに嫌われる蜘蛛だけど
いい子をたくさん産めよ
と、
声をかけてみる
女郎様の立派な姿に
なにか神々しさすら感じる
虫も動物も人間も
いただいた命を
一生懸命生きるのみ