「お、そなたは、この間、お庭番の仲間に加わったわらしじゃな?
そういえば、そちの名はなんと申すのじゃ?」
「はい、わたくし、記憶をなくしておりますので、
新しく風魔族の風と村人に助けられたので村で
「風村」と名付けていただきました」
「ふむ、ふぁむらと読むのか。
いい名を授かったの」
「はい、姫様のお陰でございます。
本日は姫様にお見せしたいものがあってこちらに
参上いたしました」
「見せたいもの?なんじゃ?」
「はい、こちらでございます」
「ぬおっ!!こ。。。これはっ!!」
「はい、四つ変化唐衣でございます。お色は三色展開でございます」
「なんと!!四つ変化とな!!」
「そうなのです、面白い趣向にございましょう?」
「むーー!!これは、、、、見てみたいのぅ、、、」
「こちらは、縦縞菱形交差文様付き唐衣にございます」
「おーー!!これもまたなんとも風情があふれておるのう!!」
「こちらは、綴れ織り信玄袋にございます」
「なんと!!美しい文様じゃ!!綴れ織りには目がないのじゃ!!
まだこんなに暑いというに、もうこのような秋物が出てきておるのか!!
全く油断できんのう!!」
「蝶、芍薬紋様首飾りにございまする」
「わらわが蝶に弱い、、しかも芍薬と来たら目がないというに
それを合体させてくるか。。。
あっぱれな美しい品じゃ!!」
「姫様、最近悪氏呉服店に足を向けていらっしゃらないということですが
このような美しい新呉服や小物がたくさん出てきておりまするぞ。
それに明日から秋冬予定巻物帳配布でございまする。
我慢もしすぎるとお体に悪いと
風村は心配でございまする」
「おおっ!!
よく知らせてくれた。
そうよのう、じいがあまりにもうるさいため
長らく悪氏呉服店を我慢しておったのじゃ。
おぬしの絵巻物で目が覚めた思いだぞ!!」
「姫様!!そうでござりましょう?」
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じいが姫様と風村の様子を遠くから見ています
ん?あれは風村と姫様ではないか
妙に話し込んでいるが
ずいぶん仲が良いな…
それにしても
あの娘
伊賀ものの生き残りで
名前は風村…
何か…
何かひっかかるのう。。。。
なんであろうか?
うーーーーーむ
まあ、あんな小さい娘だ
何が出来る訳でもあるまい
姫様と仲が良いのはほんとうにいいことだ…
じいは何やら胸騒ぎをおぼえつつ
無理矢理納得した様子
伊賀ものの生き残りの風村
いったい何者?