父ときのこ

昨日山に生えているキノコを見ていたら
実家に帰った時に父が話していた事を思い出した

父はキノコが大量に生えている穴場を知っているのだと言う

で、ある日、町内の囲碁の会のメンバーのEさんに
「ねえ、Eちゃんさ、キノコ狩りしたくない？僕ね、誰にも知られていない
キノコの穴場知ってるんだけど』
と、声をかけたという

Eさんは乗り気になり
ビニールと軍手を持って父とその穴場に向かった

父は町内にあるその穴場にEさんを案内し
「これ！！ホラ！！すごいでしょ？」と見せると
そこにはたくさんの白いキノコが生えていたと言う

Eさんも驚き
「うわあ、Tさん、これはすごいね！！これはなんていうキノコ？」
と。

父は
「さーね、知らない。たぶんしめじ」
と答えたと言う。

するとEさんは
「え？Tさん、たぶんってあんた、ここのキノコ食べてるんでしょ？』

「いやー、食べてないよ、あるっていうのを知っていただけで」

そう答えたら
急にEさんの動きが鈍くなり
もじもじしていたと思ったら
「Tさん、ごめん、俺、用事があったんだったわ、忘れてた。
じゃあ、これで！！キノコすごいね！！情報ありがとう！！」
と言ってそそくさと去って行ったと言う

「なんかさー、気の小さい男だよね～」
と、父

「え～？それでどうしたのさ。そのキノコ」と聞くと

「そりゃあいっぱいとって来たよ！！もったいないもん」
とのこと

それで母に
「これ、しめじ、たくさんとれたわ！！』
といって渡すと
母はそれをみそ汁にしたらしい

「でさー、ママ、そのみそ汁食べたらなんか気分が悪くなったんだよねー」と、母。

「え～～～っ！？」と私

「んで、パパはどうしたの？パパも調子悪くなったの？』

「いや、食べてないもん」と父

「はぁ？」

「なんかちょっと不気味になって食べなかったんだ」

。。。。。。。。。。。

あ。。。。あのぉ～～～。。。

どういう人なんすか？あんたっ！！

って、前から変な人だとは思ってたけど
変過ぎますっ！！