音符 残響

김남길 - 残響 (Kim Nam-gil - Reverberation) by 김동률(キム・ドンリュル) 
2023 AGAIN IN OSAKA
 













残響  
作詞/作曲/編曲:キム・ドンリュル

声のない君の歌 
耳を塞いでもかすかなるとき
人知れず抑えてきた涙
すべて吐き出して
飢えた心を満たそうと
呼んでみる君の名前

香りのない君の息づかい
息を塞いでもほのかなるとき
一日一日積んできた未練
すべて叩き落として
からっぽの胸を慰めようと
思いはるか君の顔

いつの日にか
時を重ねた傷口がすべて塞がっても
黒くすすけている心に君の涙で
新芽が青々と萌え立ち
君の息吹で木へ遂げたなら
その時であろうとも
僕のこの愛を受けてください
僕を抱き締めてください
たった一日でも生きさせてください

愛しています
凍りついた言葉はたちまち
こだまへ滲み込んでゆくのか


ブルーハーツブルーハートカラオケグリーンハーツグリーンハート




 



p.311
……………

必ずしも空間でなくても 「俳優 キム・ナムギル」 にインスピレーションを与えるものがあるとしたら何でしようか?
─── 演技において最もインスピレーションを受けるのは歌だと思います。歌詞を大切に聞きますが、ある曲の歌詞を聞いて自分が表現したいキャラクターのイメージを思い浮かべます。絵のように頭の中で描かれたというか。例えばキム・ドンリュルの〈残響〉を聞いていると絶望的な状況の真ん中にいる男の顔の表情、落ちる涙のような具体的な場面がひとつ思い浮かびます。そのように音楽から伝えられる情緒を利用して普段私が想像するキャラクターのイメージを構築しておきます。そして後にそのキャラクターを適切な作品に溶かしたりします。