現在はそうでもないのですが、一時期筋トレに没頭していた日々がありました。
その時の私といったら「筋肉が喜ぶ食事を取らないと」「筋肉に申し訳ない」「筋肉の声が聞こえてきた」などと、日常生活でも筋肉びいきな会話をするほど取り憑かれていました。当時の愛読書は石井直方先生の「筋肉まるわかり大事典」です。
今はだいぶ落ち着いてきたのですが、その時の食事は良質なタンパク質が豊富であるということが大前提で、そこで活躍していたのが鶏の胸肉でした。
全ての食材を鶏の胸肉に置き換え、極限まで身体をいじめ抜いて、筋肉のために食事を取るという気持ちで過ごしていました。
そんな私ですから、チャーシューを作るときも鶏肉を使っていました。チャーシューは「焼豚」という文字通り豚肉で作るのが普通ですが、当時の私にそんな常識は通用しません。
筋肉が、鶏肉を求めている。
そんな声を聞いてしまった私が鶏肉でチャーシューを作るのは、むしろ必然なのでした。
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◾︎鶏肉チャーシュー
鶏胸肉 2枚
醤油 90cc
みりん 90cc
砂糖 60g
酒 90cc
ゆで卵 好きなだけ
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そんな感じで筋肉とばかり向き合う時代は終わり、今はぐうたらゴロゴロ過ごす日々が続いています。お腹の肉はぽよぽよで、腹筋の割れ目など見る影もありません。
思えば、筋肉のことを考えすぎいた当時の私は、それはまるで恋にはしゃぐ女子中学生のようでした。筋肉にとっては、それが重荷だったのかもしれません。過ぎ去った日々を思っても、あの頃の筋肉はありません。もう、筋肉の声は聞こえてきません。





