さて、今回は「運転資金」について書いてみます。

「運転資金」とは、(諸説ありますが)
資本を投下してから回収するまでの期間、企業を運転していくための資金のことです。

どんな企業の場合でも、利潤を得るためには資本を集い(個人企業の場合は自分で出資し)、
その資本を財・サービスに投下して、そこに企業独自の価値を加え販売し、投下資本を回収しますが、
投下から回収までには少々時間がかかります。

たとえば100円のパンを1個を現金で仕入れ、夕方に150円で現金にて売ります。
この時、最初に必要な100円、それを運搬するために要した運送費、
さらにはそのパンを売るための店舗の維持に掛かる費用に必要なお金、
これを運転資金といいます。



上の例ではパン1つ、現金取引という事例でしたが、
もし、利益を大きくするために、パンを2個仕入れる場合には200円+α、
3個の場合は300円+αと投下資本を大きくしなければなりません。
この時、必要な資金が膨れ上がります。
取引規模が大きくなるほど運転資金も多く必要になるわけです。


もうひとつ、運転資金を決める要因が「時間」です。
上の事例は「パン」でしたが、これが「機械」だったらどうでしょうか。
製造期間2ヶ月掛かる機械を作るのに、原材料を仕入れ、諸経費をかけて
はじめて機械が完成しますが、2ヶ月間に掛かる費用+原材料費に必要な金額が
そっくりそのまま「必要な運転資金」になります。
2つの機械を同時に平行して作るとしたら、運転資金は単純に倍必要になります。

仮に、この機械を1ヶ月で作り上げることができたとしたら、
その企業の運転資金は「1ヶ月に掛かる諸経費+原材料」になります。
身の回りによくある例として挙げるなら、ボジョレーヌーボーがなぜ安いか、
それは製造期間が他のワインに比べ極端に短いからです。
何十年熟成させるワインと、概ね1年で完成・販売をする場合では
必要な運転資金が全く違うことが理解できると思います。

このように、運転資金を決定する要因は主に「規模」と「期間」です。
この積(掛け算)で決まってきます。



ここまでは、一般的な話なのですが、
ここでお気づきでしょうか、「期間」の問題。
この期間、プラスにもなるし「マイナス」にもなります。

例えば飲食店、売上は現金で入ってくる、しかし支払いは翌月末払いの場合、
この店は1か月分の売上(場合によっては2ヶ月)が常に手元にあるわけです。
先に資金を回収して、後からそれにかかった費用を支出すると
回収期間の「マイナス」と言う現象がおきます。
(あくまでも資本投下後に資本回収すると言う流れは変わらない。
 信用取引により仕入代金等の支払いのみが後回しになると言うことを
 一言付け足しておきます。)


よくチェーン飲食店が、短期間で店舗を一気に増やすことなどがありますが、
実はそうすることによって、
「大きな規模」×「マイナス期間」になりますので、
手元資金を多く残すことが可能になります。



最後に、この「期間のマイナス」の計算、手元資金残すのには有効ですが、
中小企業、個人企業の場合は、
それだけの手元資金が残ってなくてはいけない、と考えるべきでしょう。
常に利益計算を行っていないと、「手元資金が増える」=「利益が出ている」との
錯覚に陥る可能性を含んでいることを付け加えておきます。


後書:書いて欲しいテーマがあればコメント下さい。
   対応できる範囲内で対応させて頂きます。