入院中、外出するには外出許可が必要です。


なんどかこっそり脱走してました。


だって、風呂に入りたかったんだもん!



二週間、つまり十四日間の入院中、入浴を打診されたのは実に十一日目。

しかも入浴許可が出たのは、十三日目。

明日になったら退院ですがな……。


しかも、母から病院のお風呂は要注意だと聞いていたので、お断りさせていただきました。



十一日目まではどうしていたのかというと、体をふくタオルが支給されてました。


一週間に、一度。



がまんできるかー!!





重病人ならともかく、立って歩ける状態の、どこも外傷はない結婚前の乙女がなぜ一週間も体を洗えないのですか。


病院に異議を申し出るのもばかばかしく……結局、自宅に戻ってシャワーを浴びてました。




「帰ってきた!」
猫がぬかよろこび。


自宅玄関で病院に戻ろうとする私に、非難たっぷりの視線。



「もうじき、もうじき退院するからね。
夜にはセンセイが来てくれるからね」


二匹の猫をなだめつつ、脱出してのシャワーはスリルのある楽しみでもあり
ました。


濡れた髪を秋風にさらし、商店街を歩くのはとても気持ちの良いものでしたとも。

ちょっと寒かったけどねー。




楽しみといえば、入院中、テレビは全然みませんでした。


もともとテレビを見ない生活スタイルなのですが、


テレビカードを差し込んでいると、延々テレビがついたままにしてしまうそうで……。


テレビはすごい金食い虫だ、と母に教わっていたのです。



もー、いっそ、見ない。
見ない方向で。


二週間稼ぎもせず、食っちゃ寝の生活だというのに、おこづかいまで使ってられません。



これから何かと物要りだというのに。



おかげで、病院内のどこでテレビカードを買うのかも知らないまま退院してしまいました。


二度とこの病院には入院しないだろうから、いいや。



入院中、一番楽しみだったこと。

それはたくさんの人が見舞いに来てくれたことです。



一番早かったのはセンセイの友人。

花かごをもってきてくれました。

花と一緒にささっていたりんごが、病室でときおり香り、とても癒されました。


本を送ってくれた遠いところにすむ友人、職場の上司、派遣元のコーディネ
ーター、日頃あまり連絡をとっていない友人。


入院患者にとって、お見舞いというのはかけがえのない喜びです。


今後、誰かが入院することがあれば、せっせと顔を出そうっと。


(それならお母さんの投薬入院にせっせと通おうよ私……)



もし入院中のご家族、友人、知人がおられたら、この機にぜひお見舞いおねがいいたします。



お見舞いの中でも、一番うれしかったのは、
センセイが毎晩来てくれたこと。


毎日会社帰りに、できるだけ足を運んでくれたのです。


さすが、婚約期間中。

どうみてもらぶらぶカップルでした。



結局、センセイは自分の家にほとんど帰ることなく、私の家で猫と過ごしてくれたのでした。


おかげで猫がハゲずにすみました。
ありがとう、センセイ。


私も、夜までがんばれば、センセイに会える。

それを励みに、ぐだぐだしそうな心をこらえることができたように思います。


感謝、感謝。



これに応えるためにも、とにかく骨をくっつけることに専念しようと決意する私でした。