九月連休に、センセイの実家にごあいさつに行くことになりました。


片道四時間。


日帰りできないわけじゃないけれど、なぜか泊まりになりました。

……陰謀?




センセイの実家には、私のことは知らせてありました。


というか、バレちゃったというか。


後日、お義母さんから聞いた話では


「前に彼女がいたときと、全然違う顔してるんだもの。すぐわかったわ」



センセイ……
どんな顔してたんすか。



センセイが電話で「あいさつにばすてとを連れていくから」と告げたところ、
実家では喜びの声があがったそうです。


うれしい。

けど、それはそれでプレッシャー……


どんな良いお嬢さんが来ると期待してるのか。
先方にがっかりされたらどうしよう……



人見知りというほどではない。

けど、愛想が良いわけでもない。

もちろん、要領もよくない。


前方の虎後口の狼
武器ナシ。


そんなRPG、初戦でゲームアウトですがな。



なにが前方の虎で後口の狼なのかと言うと。


実は、センセイの家は教師の家系なのです。


センセイが育てられたおばあさんが教師。


およめさんに入ったお義母さん、小学校の校長先生。

センセイのお姉さん、高校教師。



ひぃ。

人を見る目のありそうな方たちです。

女傑がそろっているに違いない。
違いないのです!



そこで、実家の母からアドバイス。


「無理せず、正直な心持でごあいさつしていらっしゃい。
あんたのいいとこも悪いとこも、おそらく先方にはバレバレでしょうから」



そうですね。

かぶりなれない猫なんて、かぶらない方がマシっすよね……(T_T)



ここはいっちょ、包みかくさず私のひととなりをお見せするしかない。



しかしそんなに開き直ってどうするんですか私。


かぶれそうな猫ぐらいかぶっていくのが礼儀っちゅーもんではないでしょうか。


いくら正体バレバレでも、猫をかぶろうとした心意気を認めていただかなくてはなりません。



かぶれそうな猫。

それは、手土産。



手土産は私が大好きなバームクーヘンを持っていこうと決めていました。


厚みがある、というよりは、通常の二倍から三倍の厚みで。

舌ざわりがよくふんわりしていて、甘さでべたべたしない。


ケーキのホール一個分をひとりで軽く食べれてしまいそうな一品なのです。


カロリーが高いことはわかっていて、つい、どか食いしてしまうくらい大好きなのです~。



女性の敵め。



とりあえず、人にオススメして外したことナシ。


ごてごてしてないし、簡素だし、いささか質素かもしれないけれど、食べたことないムリめのお菓子より無難だろう。


きっとそう。
そうだと言って。