東日本大震災を受けて、私は予備自衛官補を経て予備自衛官となりました。それまでは、自衛隊のことを悪く思ったことはないものの、積極的には関わらないでおこうと思っておりました。しかし震災のあとに、一般人でも予備自衛官補となり訓練を受けることによって予備自衛官になることが出来る制度があることを知り、予備自衛官という立場をいただくことになったわけであります。

予備自衛官補や予備自衛官の制度そのものについては、防衛省のホームページを見ていただければと思います。
(ご参考:http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/recruit/15.html)

実際のところ、予備自衛官補として計50日だけ訓練を受けた人では、技術的な部分では現役の自衛官に劣っております。しかし、予備自衛官補を経験し今なお予備自衛官として年に5日の訓練に参加するのは、技術的な側面以上に精神的な側面を成長するためであるように感じております。

今年の4月、熊本地震が発生し多くのボランティアが現地を訪問いたしました。しかし善意の想いとは裏腹に、行動が空回りして被災地に迷惑をかけている事象も散見されました。

私も技術的な面で何が出来るかと言われれば、十分な技術は有しておりません。しかし、どのような気持ちで被災地に訪問すべきか。どのような心情で被災者と接するべきか。そうした心の準備については、現役自衛官の姿を近くで学び、私自身訓練を受けていることで、ある程度出来ていたように思います。

突発的な事象に対してもすぐに行動できる一方で、熱くなりすぎることなく冷静沈着に判断し最適な対応が出来る「心」を持つことができるよう、今後も精進いたします。