こんにちは。UDA.です!台風一過の本日の京都は晴れ渡っております晴れ

そんな清々しい日に最も似つかわしくない(笑)でも、私が愛してやまない「般若(はんにゃ)」と「真蛇(しんじゃ)」を同時にご紹介いたします!

般若は多くの方が見聞きしたことがある能面ではないでしょうか。
まずはご覧頂きましょう。
般若1
怖っ( ̄□ ̄;)!!と思われた方が9割かと思います。さらに「真蛇」もご覧ください・・・

真蛇1
ぎゃあ!!ヽ(;´Д`)ノと叫ばれた方がいらっしゃるかもしれません。
このオドロオドロシイ2体は実は、いずれも 女性 なんです!!
(余談ですが、ここで「えーっ!?」と言っていただける瞬間が個人的に好きです(笑))

女性と言っても、もちろん普通の状態ではありません。恨み怒り嫉妬嫌悪悲しみ・・・不の感情のすべてが集合したかのような、それを隠すことなくむき出しにしている状態ですね。
嫉妬に狂ううち、蛇と同化してゆく女性の姿を現しているのですが、なぜ蛇なんでしょうか。蛇は古来から嫉妬の象徴とされていて、日本だけでなくキリスト教の「七つの大罪」のひとつ「嫉妬」を表す動物は「蛇」とされています。確かに蛇は獲物に絡み付いて体温を上げ蒸し殺す、なんて恐ろしい技も持っていますもんね。

さて。この「般若」と「真蛇」にどのような違いがあるのか、造形的観点から見て行きましょう。
二つの画像を見比べて見てください・・・大きな違いが一つあるのですが、お分かりになる方いらっしゃいますでしょうか・・・?

答えは  の有無です。

「般若」には耳がありますが、「真蛇」には耳がありません。
「般若」をよく見てみると、乱れてはいますが黒い髪を結っており、裂けた口の周りには紅のなごりも見られます。これはまさに女性であったことを現わしています。蛇と同化して行く中でも人間的、女性的な部分をかろうじて留めている状態です。残った耳はまだ人の言葉を聞くことも理解することも出来うるでしょう。しかし、「真蛇」に至っては、般若に見られるような名残りがほとんどなく、もはや人の声も届くことはありません。つまりは「真蛇」は「般若」の怨念をより強調し、獣性の増した能面なのです。
演目「道成寺・古式」と言う、通常の「道成寺」に特殊演出を加えた演目にのみ使われる専用面であり、その内容はより狂気の部分が強調されたものになります。

能面では、角を持つ鬼面は女性だけです。男性の鬼に角はありません。みなさん「角隠し」と言う言葉を聞いたことがあると思います。そうです、お嫁に行くとき白無垢の女性が頭に被るあれです。あれはそもそも、女性にはみんな角があって、嫉妬に狂って鬼になることを防いだり、角をを封じてしとやかな妻になることを示しているんだとか。私にもあるんですね、角(笑)まだ出番はありませんが(笑)
「般若」を見せてゾッとされる方に男性が多いのも納得です。

さて、今度はUDA.バージョンのふたり

般若2


真蛇2
私の目にはこの二人が可愛く見えて仕方ないんです!特に「真蛇」は一番のお気に入りです。好きな相手を追いかけて変身してしまう一途さ。。。なんて女子力高いんでしょう!見習わなければ(笑)

このふたり、実は外へ向けての怒りだけではなく、自分に対しての自己嫌悪や悲しみも背負っています。目元を隠すと恐ろしいだけの表情に見えますが、逆に口元を隠すととても悲しい顔になります。これは、ふと自分の変化した姿に気付いた時の感情を現わしています。そんな切ない姿も含め、大好きなキャラクターです。

サンプル
作中で報われない分、リボンやお花で飾って可愛くしてあげたい願望が詰まっています。

まだまだ、ここでは語りつくせない私の話を、札幌で皆さんに聞いて頂けることを楽しみにしております!
UDA.でした(^-^)/



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KIMONO RIOT in 札幌

2015年6月6(土)・7(日)
11:00~19:00会場→オノベカ  
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北海道札幌市中央区南11条西7丁目3-18
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市電 中島公園通駅 徒歩2分

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