こんにちは。
札幌の着物ライフクリエイター・衣装デザイナーの猪俣和美です。
秋分ですね、札幌はとってもいいお天気でした!窓から見える青空と雲が美しい日でした。
が、私は制作のため家にひきこもってました。笑)
週末忙しかったのでほおっておいた着物小物を片付けたり明日のレッスンに着て行く着物を出したりしていて、すとーんと頭に降りてきたことがありました。
20代は振袖本の着付けアシスタントからのご縁でその後は時代劇の着付けから演歌歌手のヘアメイク着付けの仕事をしてきて、ヘアメイクもやっていて着付けるばかりで自分が着る機会が減っていきました。
そして30代前半で富良野に越してそれまでのヘアメイク着付けの仕事を引退してから着物リメイクの制作者となり着物から洋服を作ることに40代前半まで夢中になっていました。
その着物リメイクの素材探しで里帰り中に川越の骨董市や原宿・東郷神社の骨董市で箱買いするほどリサイクル着物を探してストックするようになりました。
元々、着物を着ることが好きなため、着物リメイクに使う着物はサイズが小さく着れないものや、汚れがあって着れないもの、留袖など着用に適さないものを買うようにしていました。
この着物リメイクのための素材探しと制作の中でずーーーーっと着物生地だけを色合わせしていたことが、今の私の着物スタイリングの配色センスを養ってくれたのです。
ただ、周りの方からいただいた着用できる着物は着る様に別にしていました。
着れるものは着物として着る、着れなくなったものは着物だったときと同じかそれ以上に素敵なものとして作り変える、その気持ちでずっと制作してきました。
で、今日降りてきたのは、だからリサイクル着物なのか!ということ。
もちろん経済的に新しい着物をお仕立てする余裕が無いことも大きいですが!
私のお役目というか、そういうところ。
着物リメイクにしても、着る着物にしても、誰かがお仕立てして箪笥に入っていた着物が世に出てきて私のところにご縁でやってきたもの。
それを私が洋服に作る変えることで、私が着ることで再度、日の目を見せる。
更にそれを目にした方が着物に興味を持ってくれたりする可能性を繋げていく。
あー、そいうことね、ってなんか思ったんです。
だからガズーが着てくれるなら。とお譲りくださることもあるんだなぁと再認識したのです。
もちろん、新しい着物をお仕立てしたりすることも素敵なこと。しかも自分の寸法なら着付けだってしやすいこと間違いなし!
どっちを選んだって良い。
自分が着物を着たときに少しでも嬉しかったり楽しかったりと気分が上がる着物を選ぶのがいいなぁと思います。
例え地味な着物だなぁと思ってとしてもそれはコーディネートでいくらでも自分好みに雰囲気を変えていける、それが着物の魅力の一つ。
それを楽しんでいける気持ちの余裕があると善きかな(^◇^)
さて、長くなりますがもう一つ。
先日納品させていただいた着物ドレス。
いつか演奏依頼が来るようになったら衣裳をオーダーしたいと思っていました。と、8年くらい前からずーっと思っていてくれた篠笛奏者の友人のドレスを制作させていただきました。
埼玉に住んでいた頃の友人なので彼女は関東に住んでおり、仮縫いは写真での確認とやりとりでしたが、とても気に入ってくださったご様子でした。
最後の最後に思いついて別付けの帯ベルトも制作。
取り外しできるため例えば黒のドレスのワンポイントに付けていただくことも可能です。
ステージの上で演奏する彼女の世界にこのドレスが一役買ってくれることを願ってお作りしました。着物生地の持つ和の美しさが篠笛の世界に惹きこんでくれますように。