羽裏の話し | 着物屋さんの中の人

着物屋さんの中の人

埼玉県熊谷市にて今年で創業17年になる着物屋の店主です
毎日着物を着て店頭や街中をウロウロしております

羽織の裏地。


着てしまえば表からは全く見えない物です。なのに「裏勝り(うらまさり)」なんて言葉があります。表地よりも手間と時間を掛けて誂えたりすることを言います。見えない部分だからこそ思いっきり楽しめる場所であり自分の主義主張を気兼ねなく表現出来る場所になるのかもしれません。


ちょっと大袈裟に言えば羽裏の選択こそがその人そのもの。




既製品の羽裏地(絹100%)で9,800円から48,000円。好みの色や柄を友禅作家さんや職人さんに創作してもらうと68,000円から198,000円。制作期間は2〜3ヶ月です。


現在男性からのご依頼を受けて友禅染の羽裏地の制作を進めています。どんな柄にするか。どんな色にするか。大きさや配置は。打ち合わせを重ねて形にしていきます。

その1枚の絵は作家や職人の沢山の思いと手を経て完成します。最後に和裁師がベストサイズで縫い上げお客様の手に。それを身に付けて出掛ける。当たり前の1日が特別な1日になる時です。



お客様の好みやご予算に応じて特別な日をご提案します。



今日はこれから日本橋へ出掛けて既製品の羽裏地探しです。どんな出会いがあるのか楽しみに行ってきます。



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私の羽裏。酉年にちなんで。風の吹くまま、気の向くまま。