想い出は、どうしても、うつくしい。
ぼくらが見上げたそらの、星のかがやき。
それは、はるかかなたから届いたものだ。
だから、その星はもう、ないのかもしれない。
それでも、ぼくらは、そらを見上げ、星をみつけ、
うつくしい、そう感じる。
想い出、ってのは、そういうもので、
ぼくらのあたまのなかにあるフォルダ
「うつくしいもの」
そこに、自動的にいれられるのだろう。
想い出を失う…
記憶を失うということは、うつくしいものをなくすことだ。
…なんてね、これっぽっちも思いませんでしたよ。
朝起きて、二日酔いでねだるくて、鏡見たら、なんか
血、ついてるし、洗い流すと、なんか傷になってるし、
かるく盛り上がってて、こぶできてるし、ああ、お酒の力って
すごいな、痛みとか感じないんだな、なんて…
案外のんきだ。
ま、しかし、記憶がない。
この傷は、いつ、どこで?
そんなことよりもね、所持品のチェックですよ。
おさいふとかケータイとかそういうね。
なくしたものは…
記憶だけ?
ではなかった。
おさいふも、ケータイもあった。
しかし、メガネがない。
これは、僕にとって、ふかいダメージだった。
おでこの傷よりも、なくした記憶よりも、だ。
やれやれだな。
つづく。
では、また。