山崎冬のパン祭りリターンズ | かしみあ100%

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やわらかくて、あたたかい。

「首都東京ではそういうのが流行っているのかい?」

姉の旦那、つまり、義理の兄になる人は初対面の僕にそう言った。

そういうの、というのは僕の髪型のことだ。


現在から7年も前のことだ。
当時の僕はセルフバリカニスト、そうBOSE HEAD
いや坊主頭だった。

結婚式は夏の盛りに行われることとなっていた。

うだるようなあつさをやり過ごすために
エアコンの設定温度を下げるのではなく
自らの体温調節機能をフル活用する…

エコなロハスな地球に優しい生活を心がけていたのね
僕は当時。

…ウソですけどね。


坊主頭が似合っていたかどうかはさておき
そんな昔の出来事をふいに思い出したのは

「首都東京ではそういうのが流行っているのかい?」

このフレーズをね、言いたいわけですよ。



電車に乗ったわけですよ。
とある昼下がり。

で、席に座り『夜は短し歩けよ乙女』の
「偽電気ブランの飲み比べ」のくだりを
読もうとしたわけですよ。

4駅過ぎたあたりで乗り込んできた女の子が
ニットキャップのブーツのね女の子がね
コンビニの袋を手に提げているわけですよ。

その女の子はね…

わかるよね。

コンビニの袋からメロンパンをとりだし
おもむろに食べ始めるわけです。

ちょっと待ちなさいよ、と。
思うわけです。僕は。

座って食べなさいよ。
と。
手を洗いなさいよ。
と。

そんなね、つり革につかまった不安定な姿勢でね
誰がさわったかもわからないつり革をね…

いやいやいやいやいやいや…

何か飲みなさいよ。
とね。

またしても思うわけです。


その女の子は2駅のあいだに、およそ5分ほどで
メロンパンを完食し、何食わぬ顔で、おりていきました。

何食わぬ…って、食ってるんですけどね。


そこで思い出したわけです。

「首都東京ではそういうのが流行っているのかい?」
このフレーズを。

冬のシーズンに制服のスカートの下にジャージを履くくらい
ありふれた光景なのかい?

そして、食べ終わったパンの袋を4つに細長く折って
キュッと結ぶのは、ふたりともやってたんだけどね、
そういうのはクールなやり方だからなのかい?

飲み物を飲まないことがトレンドなのかい?

思うわけです。

だれか僕のかわりに白い小皿をあげてください。


では、また。