ガンセンターの予約は総合病院が手配をしてくれた。
緊張の中、診察室のドアを開けた。
まだ30代くらいのドクターだった。
「すい臓ガンに間違いないね」
「この状態だと、どれくらい生きられそうですか?」
「本当に聞きたい?」
「話しても本当に大丈夫?」
何度も確認された。
「10ヶ月が平均かな…」
えっ そんなに短いの
「あくまでも平均だから」
「せめて子どもの小学校の卒業は見届けたいので、どんな治療でもやるので、よろしくお願いします」
そう言うのが精一杯でした。
帰りの途中
「何一つ身体に変わったことないのに、死ぬなんて信じられない…」
その夜は一睡もできませんでした…