スーツのルールは軍服にあり
スーツは着る人の魅力を高める世界標準服、
基本のルールを覚えれば簡単で楽しいもの。
そして歴史的にもこの見た目効果を最大限活用した英雄がいる。
ナポレオン然り、信長然り
歴史に残る軍服のリーダーは衣装の力を知っていた。
軍服は相手を威圧する構築的デザインと
機能性を共存させた、まさに勝負服。
ナポレオンは完璧主義者で知られるラテンの男。
戦争や政治と同じように、おしゃれにも手を抜かなかったと言われる。
手綱さばきが良いようにフロントをカットしたテールコートには、
威厳を強調するエポレット(階級を示す肩章)を配置し。
ウエストコートで体を引きしめ、
フェルト帽のビコーンを目深にかぶってイメージ作りを図った。
ジャック・ルイ・ダヴィッド作
「サン・ベルナール峠を越えるナポレオンボナパルト」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160202/20/kimkim888/94/9d/j/t02200260_0800094613556664949.jpg?caw=800)
実際は山路をロバで進軍したそうですが、
誰がそんなナポレオンを見たいでしょうか。
ナポレオンも宮廷画家も、
役割とプロパガンダをわかった上で、
カリスマらしく演出したのです。
もちろん、日本の戦国武将、織田信長も
ヨーロッパのビロード製ハット「南蛮笠」の愛好者で、
「信長公記」には正月行事に「黒き南蛮笠を召した」とあります。
軍馬を集めて優劣や調練を検分する「馬揃え」と言う、パレードでは、
白笠、白装の上に赤い礼服を着用。
今も流鏑馬で着られる、
鹿皮製の腰から足先までの長い覆い
「むかばき」を虎皮で作り、
白い葦毛の馬にまたがっていたと言うロックスター級の男前ぶりです。
虎皮に白い馬、想像しただけでシビれる!
現代においても私たちのビジネススーツは、
戦うための服であるといえる。
色を効果的に用いれば気迫で圧す「力」が感じられ、
ピークトラベルのひげのような形は、
相手に威圧感を与える場合があります。
時と場合に合わせて使いこなせば、
スーツは様々な言葉を語るのです。
写真はダリ
彼の髭とスーツの襟の形が同じように尖っている。(ピークトラベル)
そして彼の行き方も作品も同じように尖っているんだよな。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160202/20/kimkim888/ab/27/j/t02200141_0280018013556674476.jpg?caw=800)