異国の服であるスーツを日本人らしく着る | 恋愛も仕事も外見を変えて成就させる。

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「たかが外見・されど外見」見た目で損をするのは馬鹿らしい。
度胸の女服・色気の男服、メンズモデル木村公一ブログ

男の色気を引き出す外見力コーチ木村公一です。

長い間男性モデルとして活動してきて、なんだか嫌だなぁという場面があります。それは、頭が小さく手足が長いプロポーション抜群の北欧出身などのモデルに挟まれて立つとき。髪の色、肌の質感も明るくソフトな彼らは見栄えするので、「こんなにもかっこいいんだ」とマジでヘコむのです。もちろん高級メゾンでも東洋系モデルが活躍していますし、骨格の違いを嘆いてみてもどうしようもありません。そんな時は発想を転換して「日本人の良さと思っている礼儀正しさや自分が学んだことにも通じる所作の美しさで勝負」という心構えで仕事に臨みます。スーツは、そもそもイギリスで生まれた服です。100年以上をかけてヨーロッパの上流階級のスタンダードな装いとして定着したことを、私たちは念頭に置く必要があります。そしてスーツを身につける鍵は、体格の良さではなくルールを着るという常識にあることも知っておくべきです。以前お話ししたダニエルクレイグも、180センチ前後とボンド役としては小柄なのですが、クラシカルなスーツに身を包んだ姿はスクリーン上に大きく映り、初代のショーン・コネリーとはまた違った魅力を放っています。サルコジ前フランス大統領も長身ではないながら、ネイビーのネクタイで引き締め、大人っぽさを感じさせて映画スターようでした。
企業や国のトップは広告等の役割も担い、服装も配慮しているのでしょうが、見た目は「国の成熟度を映し出すなぁ」と思わされます。私が仕事でよく訪れる中国の首脳陣も上質なスーツやメガネですし、僕自身中国に撮影に行くたびにカメラマンや監督のファッション、街や車の種類も、上がってきている感を肌で感じます。そして同時に、日本の生活水準の高さにも改めて感謝したい気分になります。これだけ高品質で低価格な服を上質なサービスを持って提供している国は世界にないと思います。一度、百貨店やセレクトショップ等をゆっくり見て歩いてください。その中でも特に「何が売れているのか」を観察することは、日本人のスーツのスタンダードを知る格好の機会となります。それは自分のスーツスタイルを築く上で、様々なヒントを与えてくれるでしょう。そして流行は繰り返す事に気づくとアパレルの戦略の踊らされることもなくなるかもしれない。

写真は服飾評論家の落合正勝氏。クラシコイタリアを日本に持ち込んだ人。
「男の装いとは、服それ自体を意味するのではなく、時に応じた服装への配慮の集積のことである」と述べられている。まさに外見は無言のメッセージです。