スーツと人間の肌の潤滑油の役目を担うシャツ。
スーツスタイルではできるだけ、
シンプルでデコレートされていないシャツが
全体の印象はスマートに表現される。
ジャケットを脱がない限り見えない
身頃はさておいて、人前に晒されるのは
ネクタイを結ぶ逆Vの部分、タイスペースだけである。
タイスペースにあるシャツの衿
開きは160度のスプレットカラー
衿の長さは7センチ
後ろの衿の高さが4~4.5センチ
が丁度いい。
スーツの後ろ衿の高さがが平均3.5センチなので
1,5センチジャケットから
覗く計算になるから。
今は衿高のシャツや
ボタンの色が違っているもの
二重衿のシャツ、ステッチの
入ったシャツをよく見かけるが
きっちりしたスーツスタイルには
余計なものはいらない。
シンメトリーのバランスが台無しになるから。
タブカラーのようにネクタイを留めてしまうものは、
独特のスタイルではあるが、昔のネクタイの素材が
分厚く収まりにくかった時代に対応したもので
本来は機能性から生まれた。
シャツの役割はネクタイとジャケットの
融合で、融合させるには主張はいらない。
シャツはVゾーン全体を際立たせるために
ひっそりと佇むだけでいいと思う。
日本の美意識の一つ
引き算の美学はすべてに通ずる気がする。