随分前に亡くなられた淡谷のり子さんは、この世の中でいちばん必要な「美意識」をたっぷり身につけていた人だと美輪さんから聞いた事があります。
戦争中、淡谷さんが兵隊さんのために慰問に行く時に本当に殺されかけた話
「死んで行く兵隊さんを見送るのに汚い姿は絶対いや、せめて美しい姿で唄い送りたい。美しい日本の流行歌を聴いて、旅立ってほしい。そのためには殺されてもかまわない」という強い意志のもと、戦争中の慰問で軍刀を突き付けられてもけっしてモンペをはかなかった。
艶やかなドレスと化粧で、禁じられたブルースを歌うのを止めなかったのです。その反骨精神、その心意気。
美輪明宏 天声美語より
淡谷のり子さんが、モンペをはかなかったのはその姿、形、歌の内容、詩の風景が不釣り合いだった事もあるが、淡谷さんの美意識が許さなかったんだと思う。
これから死ぬかもしれない人に、礼儀として自分も最高の姿で送り出したいと言う愛情。
戦争中はすべての娯楽、美意識が奪われた時代だったようだが、どんな時代になろうとも、人間の根本は変わらないと言う事を命をかけて伝えたかったのだろう。
そう、どんな時代になっても人はそんなに変らない、色んな流行、流行りがあるが、ただぐるぐる回っているだけ。常に時代は動いているし、人間はその流れに順応していくほか生きられないものだ。
だとしたら、時代を肯定的に捉えた方が絶対チャンスにめぐり合う確率は高くなる。
悲観的な事ばかりのマスコミは、疑ってかかるべきだと思う。
淡谷のり子さん 恋人よ 1983
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