男のスーツを大きく分けると、注文服と既製服に分けることが出来る。
注文服とは一個人のための服で、「Be Spoke」と言われている。 Be Spoke 話し。 顧客と作り手がお互いに話をしながら、着る人がどのような仕事をしているのか、社会的地位は、どのように見られたいのか。作り手は、スーツと言う服で顧客の望みを形作っていく。
完全なオリジナルを一個人に対して作っていく、とても贅沢な服のことで、いつかはクローゼットの中をこんな服でいっぱいにしたいと思う。
それに対して既製服とは、いかに大衆に大量に売るかを考えられて作られた服のことで、誰でも着られる服で、戦後、世界最大の既製服市場であるアメリカから大量に日本に流れ込んできた。
ヨーロッパには高級既製服という、注文服に近いいい服がたくさん存在するが、、、
このアメリカから入ってきた既製服はどのような身体、姿勢の人にも身に付けられることを目的としているため、それぞれの身体にフィットさせる着心地よりも、流行と言う付加価値をつけてお客の購買意欲をそそる。
流行の本質とは、流れ行く絶え間ない変化のことだ。
一番新しく一番最初に古くなるもの、そして古くなったその瞬間から、価値を喪失するものでもある、去年買った服がもう着れないという、あの悲しい感覚だ。
流行のものは、それはそれで素晴らしいと思うが、追っかけているときりがない、
「人はモードの犠牲になるべきではない」
と言ったのは、ジョルジオ・アルマーニである。
しかし、普通はその既製服の中から自分に合った服、スーツを選ばなくてはならない。まずは、肩に重さがしっかり乗っているか、脇が適度にフィットしているか、後は変化の容易な細かいところは、あまり気にしない方がいいのではないかと思う。細かいところを気にしだすと、その部分だけに目が行ってしまい、全体を見逃してしまう。
そして、全身を鏡に映した時の印象、パッと鏡を見たときのインパクトだと思う。
この第一印象のインパクトって人との出会いのように、案外間違っていないように思う。
しかし、服屋の鏡はスタイルが良く見えるように手が加えてあるので注意が必要です。