- 容疑者Xの献身 (文春文庫)/文藝春秋
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直木賞受賞作品にして、ガリレオシリーズ初の長編。
天才数学者石神と天才物理学者湯川の対決
論理と理論に生きる者が
押し込められた感情を爆発させるとき
私たちは容疑者の行動の本当の意図を知る。
本文より~
「僕や君が時計から解放されることは不可能だ。お互い、社会という時計の歯車に成り下がっている。歯車がなくなれば時計は狂い出す。どんなに自分一人で勝手に回っていたいと思っても、周りがそれを許さない。そのことで同時に安定というものも得ているわけだが、不自由だというのも事実だ。ホームレスの中には、元の生活には戻りたくないと思っている人間も結構いるらしい」
中略
「この世には無駄な歯車なんかないし、その使い道を決められるのは歯車自身だけだ、ということをいいたかったんだ」湯川は石神の顔をじっと見つめてきた。
惜しむらくは、以前、映画の後半20分だけを偶然見てしまったこと。何の予備知識もなく本書にのぞむことができたなら、また違った読後感になっていただろうと思う。
東野作品の読後感は絶妙である。
感動でも感傷でもない、しかし大きな杭が心に打ち込まれる。
この読後感の悪さ・・・僕は嫌いではない。。。- 容疑者Xの献身 (文春文庫)/文藝春秋
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