「容疑者Xの献身」 東野圭吾 | きむきむ父ちゃん@滋賀県草津市で働く専業農家のブログ

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農家の長男に生まれて36年、農家と名乗って6年目。まだまだペーペーでございます

容疑者Xの献身 (文春文庫)/文藝春秋
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直木賞受賞作品にして、ガリレオシリーズ初の長編。

天才数学者石神と天才物理学者湯川の対決

論理と理論に生きる者が

押し込められた感情を爆発させるとき

私たちは容疑者の行動の本当の意図を知る。


本文より~

「僕や君が時計から解放されることは不可能だ。お互い、社会という時計の歯車に成り下がっている。歯車がなくなれば時計は狂い出す。どんなに自分一人で勝手に回っていたいと思っても、周りがそれを許さない。そのことで同時に安定というものも得ているわけだが、不自由だというのも事実だ。ホームレスの中には、元の生活には戻りたくないと思っている人間も結構いるらしい」

中略 

「この世には無駄な歯車なんかないし、その使い道を決められるのは歯車自身だけだ、ということをいいたかったんだ」湯川は石神の顔をじっと見つめてきた。


惜しむらくは、以前、映画の後半20分だけを偶然見てしまったこと。何の予備知識もなく本書にのぞむことができたなら、また違った読後感になっていただろうと思う。


東野作品の読後感は絶妙である。

感動でも感傷でもない、しかし大きな杭が心に打ち込まれる。

この読後感の悪さ・・・僕は嫌いではない。。。


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