友達にウィザブレを勧める際、
「3巻まで読んで、合わなかったら、多分その先も合わないから読まなくて良い」
と散々僕が言ってきた、その3巻目。
1巻2巻と同じ様に、
「ネタバレありレビュー」
を書くので、それが嫌な人は読まない様に。

ウィザブレ第3巻は
「シティ マサチューセッツ」
が舞台で、主軸になるのは
「光使い」
「騎士」
「千里眼」
の話し。

このマサチューセッツというシティは、
他のシティとは一味違うマザーシステムを使っていて、
「大量の魔法士を培養生産する事で、単一のマザーシステムに依存しない状態」
で運営されているシティ。

「魔法士を大量培養生産する事を通じて、副次的な効果として、
『時折、物凄い能力を持った特殊個体が産まれるので、それはマザーコアにしないで、シティのエージェントとして活躍して貰う」
という方式をとっており、
「騎士 デュアルNo.33(通称ディー)」
「千里眼 クレアヴァイアンスNo.7」
はその特殊個体として存在するエージェント。

「脳に2つのIブレインを持つ、理論上最強の騎士だから、デュアルNo.33」
で、その保護者として存在してるのが
「ありとあらゆる情報を見通すIブレインを持つ、千里眼のクレア。クレアは世界に3機しかない雲上航空艦を使う1人」
という関係性。

ディーは理論上最強の騎士でありながら、
「気が弱くて、他者を殺す事が出来ない」
という性格上の欠点を抱えており、
いつも任務は失敗ばかり。
それを保護者で姉役のクレアが、どうにか尻拭いをして、
マザーコア送りを免れている状況だった。

そんな中で、政府施設が襲わられる。
「光使い マリア・E・クライン」
という人物で、
「先の大戦で最も恐れられた魔法士」
の1人にして、騎士 黒沢祐一の戦友。

何故、恐れられたかというと、
「光使いは空間制御能力者で、十二個のデバイスを操りながら、荷電粒子砲で大量に戦果を得られる戦場の死神」
という能力者だった。

過去の大戦において
「人を殺すのが嫌になったから、戦場から逃げる決断を下したマリア」
がマサチューセッツの政府施設を襲ったのは、
「賢人会議」
という組織からの依頼で、
その報酬は
「家族と安心してシティで住める権利」
を求めての事だった。

マリアは大戦を逃れた後で、
結婚をして子供を作る事が出来た。
その子供の名前が
「セレスティ・E・クライン(通称セラ)」
「世界で唯一の、自然交配によって産まれた光使い」
であり、
「それがバレれば、貴重な実験サンプルとして、シティから狙われる事になる」
と恐れたマリアの力でセラの力を封じて、ただの少女として過ごしていた。

賢人会議からの依頼で政府組織を襲ってデータを奪い、ディーとクレアの追手を退けて、どうにか素性を隠してマリアは逃げる事が出来た。
が、しかしシティは閉鎖されて、ディーはマリア追撃任務でシティ下層を調べる事となり、調査の過程でセラと出会う。

セラの母親のマリアが、
政府を襲った人物だとは知らずに、
仲良くなっていくディー。

マリアの手紙を受け取って、
滞在していた黒沢祐一の関係など、
様々な環境が推移して、
最終的にマリアが犯人だという事を知る。

だが、その過程でマリアやセラと親しくなり、
「政府のエージェントとしてしか生きてこなかった自分の、安らぎの場所」
の様なモノを感じてしまい、
「2人をどうにか匿って、シティから逃れる」
という反逆行為に手を染めてしまう。

ディーの姉であるクレアは、
「マリアとセラを渡せば、処分を免れる事ができるから、私の元に戻っておいで」
とディーに呼び掛け
「私の元を去るのなら、私を倒してから行きなさい」
と雲上航空艦で相対する。

ディーは物語の展開上
「どうしてもセラを守りたい」
という理由が発生しており、
クレアをどうにか戦闘不能にして、
旅立つ。

そんな感じで、第3巻は幕を閉じる。

僕が泣いたシーンとかは、
敢えて伏せて内容紹介したけど、
「家族の在り方」
とかを凄く感じる内容で、
この第3巻までは特に秀逸だと、
友達とも共感する事が多い。

特にオススメ。