今回は、

龍とちづのちょっと未来の妄想話


【変わる関係、変わらない関係】をお送りします。


龍とちづの関係は好きだったので、

かなりウキウキノリノリです。


えっと、

実はちょっと前からちょいちょい書いていたんですが、

爽子と風早のバカッポー祭りやらKENTどりーむ見たりしていたせいで、

後回しになってしまって^^;


ようやくUPできる~~~~!!



幼馴染の龍とちづの関係についに変化の時が!?


龍がついに動き出す!というのを書きたかったのですが、

いきなりかい!!っていうことになってます^^;

イメージ壊れたらすみません><


※本誌のネタバレもはいってくるかもしれません。未読の方はご注意ください。



設定としては


爽子と風早が付き合いだしてから数ヶ月たったころ。

このきっかけがあるまで、

ちづと龍はそれまではまったく変化のない関係でした。


という感じを頭において読んでいただければ。



ではでは、早速どうぞ~



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北幌高校2年D組の教室には
いつものように、賑やかに次々とクラスメートが入ってくる。


「おはよ爽子っ」


先に来ていた爽子が机に座っていると、あやねがいつものように声をかけた。


「あ、あやねちゃんおはよう」


以前に比べたら格段にやわらかくなった笑顔で爽子はそれに応える。


「あれ?ちづちゃんは?」


いつも大体、あやねと同じくらいに来るちづの姿がなくて、
思わずキョロキョロあたりを見渡す爽子。


「んー会わなかったんだよね。寝坊でもしたんじゃん?」


たいして気にもしていない様子のあやねだったが、


ガラガラッ


扉が開いて入ってきたちづの姿を見た瞬間、目を見開いた
同じく爽子もちづの顔を見て驚いている。


「・・・・やのちん、さわこ、おはよう」


フラフラとした足取りで爽子たちの元へやってきたちづを見て、


「ちづ!あんたどうしたのその顔」


あやねはつっこまずにはいられなかった。


「え?」


「ちづちゃん、寝てないの?」


爽子も心配そうに声をかける。
それもそのはず、ちづは明らかに寝不足を絵に描いたように目の下にクマができ、
ゲッソリとしていたのだ。


「あーちょっと、寝てなくて・・・」


「へーめずらしー、ちづでも寝られないことあるんだ」


あやねが冗談めかして言った言葉にも


「・・・ああ、うん」


いつもならば、元気に反論するはずなのに、
なぜか反応が薄い。


『??』


思わず爽子とあやねは顔を見合わせた。

と、そこに


「おはよー」


「・・・おはよう」


風早と龍が教室に入ってくる。


「おはよう」


「風早くん、真田くんおはよう!」


あやねと爽子が挨拶したが、
隣にいたちづは龍の姿を見た瞬間、凍りついたように固まってしまっていた。


「・・・?ちづ??」


「あ、あああたし、ちょっとトイレっ!!」


そういい残すと、逃げるようにその場から離れる。


「えっ?だって、もう予鈴なるわよっ・・・」


「ちづちゃん!?」


二人の言葉も振り切って、ちづは廊下へ消えていった。

ちづが出て行った先を見つめながら、
呆然としつつも、何かあったに違いない様子を心配する二人。


「爽子、今日ちづの様子おかしくない?」


「うん。なんだかいつものちづちゃんじゃないみたい」


あやねはちらりと龍に視線を送る。
龍は相変わらずいつもと変わらぬ表情で、席につく。


「いっつも龍に真っ先に挨拶するのに」


「何かあったのかな?真田くんと・・・」


同じく一緒に来た風早もそんな龍とちづの様子にもちろん気づいていた。
そして、爽子やあやねにはわからない、龍のかすかな表情を風早は感じ取っていた。


(龍?)


しかし、
予鈴がすぐになってしまい、
機会を逸してしまったため結局何も聞けずにそれぞれ席につくことになってしまった。



その後も、
休み時間になっても、

何か一人でブツブツとつぶやいたり、
赤くなったり青くなったり、
一人で百面相を繰り広げているちづ。


何より一番おかしいのは、いつも必ず絡む龍に対して
あからさまに避けていることだ。


昼休みになり、
お昼ご飯を食べに外へと出て、
ようやく3人だけになれたところで、あやねがお弁当を広げながら、


「ちづ、龍と喧嘩でもしたの?」


と、ストレートに聞いた。


「えっ?な、なんで??」


ちづの表情がさっと変わって明らかに動揺している。
極端なくらいわかりやすい。


「朝からそんな態度されちゃ、誰だって気づくって」


「ちづちゃん!そ、相談にのるよっ!」


爽子も握っていた箸を持ちながらギュと力を入れてちづを見つめた。


「へ?あ・・え・・・えっと・・・いや・・・その・・・」


元々隠し事ができない性格のちづは、
しどろもどろになりながら、急に顔がみるみると赤くなっていく。


てっきり喧嘩でもしたのだとおもっていた

爽子とあやねは、顔を真っ赤にしているちづの変化に驚いた。


「喧嘩・・・じゃない・・・の?」


「な、何が?」


今までにないちづの様子に、爽子とあやねも何があったのか想像できないでいた。


しばらくの沈黙があって、


ちづも、二人には隠し事はできない。
そう思ったのか
言いにくそうにしながら、
なぜかキョロキョロとあたりを見回したあと、
二人だけに聞こえるくらいの小さい声でそっとつぶやいた。






「ええええええ~~~~~~!?抱きしめられたぁぁぁ????」





あやねは箸にとっていた卵焼きを思わず落としそうになる。


「わわわわ」


爽子も驚きながら、なぜか自分のことのように顔を真っ赤にして両頬を押さえている。



「あ、あはははははは・・・・うん・・・」


頭をかきながら力なく笑うちづに、


「で?で??」


あやねがものすごい勢いでくいついた。


「そ、そんだけ」


「何それっ!」


ちづの言葉に
思わずズルッとこけそうになるあやね。


「あたしだってわかんないよっ!・・・だって急だったから。」


何をどう話せばいいんだ・・・


そうつぶやきながら、

それからちづは、昨晩あった出来事をポツリポツリと話し出した。




【つづく】



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と、いうわけで、

短くてすみません。

こんなところでぶった切ってすみません。

これ以上にキリのいいところがなく。。。


龍とちづ

二人が変化するには何かスパイスが必要だとおもったので、

思い切ってこんな展開に。


どんな長さになるのか

今の段階ではさっぱりですが、


こんな展開もあり!

と食いついてくださった方、


今後UPしていく続きも是非読んでくださったらうれしいです。


【そのまま を見る】


ほんのちょっとだけブログを整理しました。


あんまり変わってないですが^^;


今から

新たなお話UPします。


龍とちづのちょっと未来のお話です。


ついに幼馴染の関係に終止符?


そんな妄想話となっています。


よろしければ読んでやってくださいませ。


追伸:龍ハッピーバースデー♪

「君の空」Pocchiさま主催の2009年秋冬企画


【初チッス☆大作戦!!】


に投稿させていただいたお話です。


リレー形式でバトンを次の方に渡していくのですが、

私は3番目にバトンをいただき、

Pocchiさまのお話の次のepisode.2を担当させていただきました。


私のお話を含むすべてのお話とイラストはPocchiさまのサイトでご覧になれます。

↓まだご覧になっていない方はこちらからどうぞ(Pocchiさまのサイトに飛びます)


For you ~君/に/届/け/2次小説サイト~

それでは

爽子とキスしようと試みるが、

ことごとく失敗する「凹み早・じれ太君」をどうぞお楽しみください。



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episode.2


―あのあと。


詳しく言えば、昨日の図書館でのキス未遂のあと、
俺は意識しすぎて、黒沼の顔をまともに見られないまま、
その後、きっかけがつけめなくて何もできず、普通に送り届けて帰宅した・・・。


はぁ~~情けない。


夜になってもあの時のことが頭から離れず、
理性と煩悩の狭間で眠気どころではなくなり、
三浦からもらった雑誌をまた、読み返すハメに。


って、なんで、三浦の本なんか繰り返し読んでんだよ、俺・・・。


自分で自分にムカつきながらも、結局また読破。


――案の定・・・というべきか、
次の日も寝坊してしまった。

そして、
母さんに同じようにたたき起こされ、
大急ぎで用意し、学校へと向かう。


だけど・・・。


たしか、昨日の天気予報ではくもりだったのに、


途中で突然雨がポツポツ降り出し、
その雨粒はすぐに大粒へと変わって、
それはどんどん激しさを増した。


慌てて走ったけど、
時、すでに遅し。


俺の身体はまるで
なんかの罰ゲームでもくらったかのように、
ずぶぬれになってしまった。


あ~あ、もう、朝からついてねーな。


下駄箱にぐっしょりと濡れた靴をしまいながら、
思わずためいきが出る。
でも、気落ちしててもしょうがない、
とにかく遅刻だけは避けなくてはと
俺は急いで教室へ向かった。


「おはよ!」


「あ!風早おはよー!」


ドアを開けると
いつものようにジョーたちが俺の元に駆け寄ってきた。


「間に合った?」


「セーフセーフ!」


「うわっ何!?スゲー濡れてんじゃん風早!!」


安藤も俺の姿に目を丸くしている。


「うん、来る途中で降られた・・・ついてねー!」


「あははは」


遅刻を免れた俺はホッとして、
ジョーたちと、たわいのない会話を交わしながら席にカバンをおくと、


いつものように、
すぐに彼女の元へ。


とりあえず、昨日のことはノー意識だ。
うん。
ノー意識、ノー意識でいこう。


「黒沼!おはよっ」


「お、おはよう風早くん・・・あわわわ、すごい濡れてるよ」


俺の姿を見て、黒沼は驚いて目を見開く。


「うん、タイミング悪く降られてさ」


いつもと変わらない・・・かな?
昨日のこと、やっぱり・・・わかってないんだろうな。
何となく、ほっとしたのと、意識してたのは俺だけ?なんて気持ちで、少し複雑になる。


「そ、そうだ!」


と、黒沼が何か思いついたように、
ガサガサと自分のカバンから何か取り出そうとしている。


「ん?」


「はい」


ぽふっ


と、突然俺の頭にやわらかいものが覆いかぶさった。
頭に手をやるとそれは、やわらかいピンクのタオル。


「あ、あの・・・よ、よかったら使って・・・風邪ひいたら大変だから」


黒沼の優しさに


じーん


胸が熱くなる。


「ありがと!!」


俺が笑顔でお礼を言うと、


「よかった、役にたてて」


うれしそうにふわりと微笑んだ彼女の笑顔は
さっきまでの、ついてないと落胆していた気持ちを、一瞬で吹き飛ばしてくれる。


はぁ~今日も、かわいいな。


黒沼から借りたタオルで
髪を拭いた瞬間


どきん


俺の心臓が飛び跳ねた。


だって


ふわふわとしたタオルから
黒沼の香りがしたから―――


―――おなじだ。


おなじ香りだ・・・あの時感じた香りと・・・


再び脳裏に
昨日の・・・
あの、図書館での出来事が蘇る。


黒沼の顔が近づいて、
俺の顔が近づいて・・・
それで・・・。


思わずチラリと、黒沼の唇に目がいってしまう。



・・・あと、ちょっとだったな・・・



・・・・・・・。


~~~~って!!


俺、朝から何考えてんだ!?
さっき、ノー意識って決めたばかりじゃないか!!


「風早くん?」


「あ・・・お、俺、着替えてくるね」


「う、うん。」


少し怪訝そうな顔をしていたけど、
黒沼、ごめん、
これはさすがに・・・言えない。


借りたタオルで髪を拭きながら、
邪念を振り払うかのように俺は頭をぶんぶん振り、
急いで、ロッカーに置いてあったジャージを取り出して着替えた。


そして、
着替え終わったとほぼ同時にチャイムが鳴り、
ピンがやってきたので、そのまま席に着きSHRがはじまる。


「んじゃまーとりあえずこの間の小テスト返すから。名前読んだら適当に取りに来い」


相変わらずピンは、
教師らしからぬ適当な感じで名前を呼び、テスト用紙を返しはじめた。


黒沼の図書館での「ふたりだけ」の勉強会のおかげで
俺は前よりずっと成績があがっている。
今回の小テストの結果ももちろんバッチリで、俺はほっと胸をなでおろした。
彼女ができて成績下がった・・・なんて親父に知れたら後でなんて言われるかわかんないもんな。
黒沼にも、俺と付き合ったから成績落ちたなんてそんな思いさせたくないし。


ずっと大事にしたいんだ。だから、勉強だってしっかりやらなくちゃ。


すると、
テストを返してもらった矢野が、なぜかわざわざ席を遠回りして俺のところにやってくる。


そして、通り過ぎる瞬間なんだか意味深な顔でニヤリと笑うと
こっそり俺につぶやいた。


「風早~・・・図書館はまずいんじゃないの?」


「#$%&&¥%&$#~~~~~っ!!???」


ガタタッ
思わずイスから落ちそうになる。


――な、なんで!?なんで知ってんだ矢野!!!


真っ赤になって言葉にならないまま口をパクパクさせてたら


「・・・惜しかったわね~あとちょっとだったのに・・・あ、言っとくけど、わざとじゃないわよ。たまたまだから。たまたま」


ふふふと笑いながらそのまま自分の席へ戻ってしまう。


「しょーた!!お前何やってんだ!俺の話聞いてなかっただろ!!後でちょっと来い!!」


ピンが目ざとく、そんな俺を見つけて叫ぶ。


「え?ええっ!!」


あははは、
何やってんの風早!
クラス中から笑い声がおこった。


あ~~~~~っもう・・・最悪だ・・・!


・・・まさかっ


まさか矢野に見られてたなんて・・・
あの時、図書館には俺と黒沼以外、誰もいないとおもってたのに。
よりにもよって・・・。


はぁぁ・・・。


俺の気分はすっかり落ち込み、
駄目押しされるように、
昼飯を食べ終わった直後、ピンにつかまった。

そして、職員室でどうでもいい話を延々聞かされながら、
雑用を手伝わされるはめに・・・。


昼休みの時間の大半をピンに奪われ、
なんだかどうしようもない脱力感に襲われながら、
俺は教室に戻ろうと廊下を歩く。


と、教室の外の廊下で窓の外を眺めている黒沼を見つけた。


「黒沼!」


「あ、風早くん。荒井先生の手伝いもういいの?」


俺に向かってやさしく微笑んでくれる黒沼を見て、
鬱積した気持ちが、霧が晴れていくように薄れていく。

「うん、拉致があかないから、いなくなった隙に抜け出してきた。・・・どうしたの?」


俺の言葉をうけてから、


「雨・・・止みそうにないなとおもって。」


黒沼は再び視線を窓の外へと移した。


俺もつられて窓の外を見る。


「ほんとだね。」


どんよりとした雲は厚さを増して、
雨の勢いは衰えることを知らず、
窓に大粒の雫を残していく――


「黒沼は?」


「え?」


「朝、大丈夫だった?雨・・・」


「あ、う、うん。私はいつもより早く来ちゃったので、大丈夫だったよ」


「そっか~よかった!昨日の天気予報はずれだよな~」


「確か、くもりって・・・」


「そうそう!だから俺今日何も持ってこなかったんだけど・・・」


「あ、私、折りたたみの傘持ってきてるよ」


「え?そうなの?さすが黒沼っ!用意いいなー」


何気ない、こんな会話が嬉しい。
晴れだって
雨だって、
どんな天気でも、黒沼と一緒なら楽しくなる。


「うん、だから・・・」


黒沼が何かを言おうと口ごもる。
そして、
顔を赤らめながら、意を決したように俺を見つめた。


「?」


「風早くん!今日は、私に送らせてくれないかな?」


「えっ!?」


突然の、
まさかの彼女の申し出に、
俺は驚いた。


う、うれしい。
うれしいけど・・・


「毎日、風早くんに送ってもらってばかりだったから。」


「いいって!それは彼氏なんだからあたりまえだしっ!・・・黒沼一人で帰すの・・・心配だよ」


彼女を一人で帰らせるなんて、
そんなことできるわけがない。


だけど、


「でも、今日は雨止みそうにないし・・・わ、私が風早くんを送りたいの・・・ダメ???」


いつにもない彼女の強い意志と、
何より、
そんな上目遣いで、ダメ?なんて言われたら、
断ることなんて・・・俺、無理・・・。


しばらく考えて、

「・・・・・・ありがとう」

素直にこの好意に甘えることにした。


俺の言葉に、笑顔でうなずく黒沼


黒沼のこの笑顔に、俺、ほんと弱いんだよなぁ


あーあ。
傘もってれば。
送っていけたのに。
なんか今日の俺、とことん情けない・・・。


だけど、
この黒沼の申し出は、俺にとって思わぬチャンスをもたらすことになったのだった。



――――放課後。


下駄箱で靴を履き替え、
校舎のエントランスまで行くと、
俺と黒沼は二人で空を仰いだ。


「うわ~雨やっぱり止まなかったな」


「うん、そうだね」


土の地面は水溜りどころか、川のようになっていて
一歩踏み出すのもちょっと躊躇するほど。


「風早くん、ごめんね、傘あまり大きくないから、濡れちゃうかも」


黒沼はそう言いながら赤い折りたたみ傘を広げる。


「俺こそごめん、黒沼、遠回りさせちゃって」


こんな雨の中、送ってもらうなんて本当に申し訳ない気持ちになる。


「ううん、いいの。今日は花壇の世話もできなかったから早く帰れるし。それに・・・」


「?」


「風早くんと一緒に帰りたかったから」


照れながら、はにかむ黒沼。


あ~~~~~もう無理っ!
ノー意識なんて!!
ノー意識なんて、絶対無理だよ!
だって、
こんなにかわいいんだもん。
めちゃめちゃ意識しちゃうって!!


俺は
照れで黒沼をまともに見られないまま、


「はい。」


黒沼のさしかけた傘の柄をつかむ。


「え?」


「持つよ」


こんなことくらいしかできないし。


「あ、ありがとう・・・」


「・・・ん・・・じゃ、行こっ」


そして、ゆっくり歩き出した。


傘の上に雨が踊って、
パラパラ音を立てている。
傘を彼女の方に傾けて、なるべく雨があたらないようにしてあげたいのだけど、
遠慮がちに歩く黒沼が、少し遠い―


「黒沼、もう少し中入って。濡れちゃうよ」


俺の言葉に、


「ハ、ハイ・・・し、失礼します」


恐縮しながら、
黒沼がそっと身を寄せる。


そんな彼女の、妙にかしこまった言い方に思わず吹き出す。
ほんとに、
どうしてこんなに、イチイチかわいいんだろ。


そして、
今更ながら気づく、一つの傘に二人で入ってるという事実。
これは、
これはちょっと・・・いや、かなり嬉しい・・・かも。


隣をチラリみた。


ち、近い!!


いつも歩いている時にはない距離感に戸惑う。


だけど、意識はどうしようもないほど、
黒沼に集中してしまって・・・


な、なんかヤバい。


これは・・・ヤバい。


すると、いきなり


トンッ


と、
黒沼の肩と俺の腕がぶつかった。


!!


俺の心臓がドクンと音を立てる。


「あっ!ごごご、ごめんなさい」


「う、ううん、俺こそ。」


なんだか、いつもよりもぎこちない。
それは、決して嫌なぎこちなさとかではないんだけど、
・・・やっぱりこの距離感のせいかも。


――黒沼も、俺のこと意識してたりしてくれてるのかな?


そんな、淡い期待を抱きながら、
しばらく無言で歩いてしまう。


意識しすぎて口数が少なくなってしまう自分がもどかしい。
もっと黒沼と話したいのに・・・


そして、
気づいたら家までもうすぐそこまできていた。
自然と歩みが遅くなる。


「あ!・・・そうだ。ごめん、黒沼、あのタオル借りっぱなしで・・・」


思いついたような俺の言葉に、黒沼は


「いいよっ、全然!」


慌ててぶんぶんと手を振って、気にしないで。と言う。


「すごい濡れちゃったから、あとで洗って返すよ」


「あ、ありがとう」

って、
ありがとうを言うのは俺の方なのに。

すると、突然

「・・・あ」


急に何かを思い出したように、顔を赤らめてうつむいてしまった。


あれ?俺、なんかしたかな???


ちょっと心配になって覗き込むと、
黒沼は真っ赤になったまま。


「前に・・・」


「えっ?」


「前に、風早くんが私にタオル貸してくれたの思い出して・・・」


「あ、マルの時!?」


「うん」


「・・・・覚えててくれたんだ。」


あんな些細なこと。
ちゃんと覚えていてくれてたなんて。


「もちろんだよ!・・・私に、タオル貸してくれたの、風早くんが初めてだったから・・・忘れることなんて、できないよっ!・・・あんな風にやさしくされたこと、今までなくて・・・」


黒沼は一生懸命、力をこめるように俺に言う。


「すごく、すごく嬉しかったんだよ。」

「黒沼・・・」


どきどきどきどき
どきどきどきどき


また、心臓の鼓動が早くなる。

ふいにかけられる黒沼の言葉はいつも反則。
せっかく抑えていた感情があっさり決壊寸前になってしまう。

一つの傘に並んで収まると、
華奢な身体がもっと小さく見えて、
女の子ってどうしてこんなに、か弱く見えるんだろう。

大切にしたい。
守ってあげたい。
どんなことからも。
そう、強く想う。


・・・だけど、
大切にしたいのに、時々、どう扱っていいかわからなくなるんだ。


嫌われることはしなくない。

でも・・・
衝動的に抑えられなくなる気持ちが湧き上がってくる。


俺、黒沼が好きだから。


誰よりも好きだから。


やっぱり、どうしても――


その時だった


「き、きゃっ!!!」


急に黒沼の体が傾く、


「あっぶな・・・!!!」


俺は反射的に片手で黒沼の体をガシッと支えた。


結果的に黒沼の腰に手を回す形になってしまって、


――そのまま俺の思考は止まった・・・。


「・・・ああああありがとう。ご、ごめんね。足滑っちゃって・・・」


「・・・・・」


「・・・・風早くん?」


「・・・・・」


「・・・・・」


向き合ったまま、
しばらく沈黙する。


そして、


気づいたときには、まわした腕に力を入れて、


――黒沼を引き寄せていた


どきんどきんどきんどきん


雨の音や雑踏の音、すべて耳に入らない。
俺の意識はすべて、自分の胸の中にいる黒沼だけに注がれていた。
もうダメ。
もう止まらない。溢れた気持ちは抑えようがなかった。


あ・・・あの香り。


真下にある黒沼の髪から、


また、同じ香りが鼻をくすぐる。


「か、風早くん!?」


好きだよ。
好きなんだ、黒沼。


ずっと大事にするって言ったけど、


このままじゃ嫌なんだ。


俺、欲張りだから。

もっと、もっと黒沼のこと知りたい―


「風早くん・・・」


もう一度、消えそうな声がして、


俺はいったん身体を離した。


そして、


少しずつ
少しずつ


顔を近づけ傾けていった。


赤く頬を染めながら潤んだ瞳が目の前に迫ってくる。

こんな
俺の気持ちと黒沼の気持ち、おなじだって思っていいよね?


キスしたいって思ってるの俺だけじゃないよね?


黒沼の瞳は、深い色を漂わせたまま、ただ、俺をみていた。


持っていた傘が少し傾いて、
雨の中のグレーの景色に
俺と黒沼を隠す。


唇まで


あと・・・5cm


そのときだった。


『ピロリロリッ、ピロリロリッ』


突然、音が鳴る。

瞬間的にバッ!!
俺は黒沼から身体を離した。


「わわわっ!・・ご、ごめんね、携帯がっ!!」


慌てて、カバンから携帯を取り出す黒沼。


「えっ?あ・・・け、携帯?・・・携帯か・・・で、出ないの??」


「・・・えっと。あ、あの、出て・・・いいの?」


「あ・・・う、うん。もちろん」


断る理由もなく、なんだか拍子抜けしたような言葉しかでてこない。


「も、もしもし?あっ、お父さん!?・・・」


『お父さん』という言葉に、


サーーーッ


俺は急に現実に引き戻された気がした。
思わず反射的にキョロキョロあたりを見渡す。


「雨??あ、うん、えっ!迎え??だ、大丈夫だよ。折りたたみ傘持ってるから・・・うん。・・・ありがとう」


黒沼は短いやりとりをしたあと携帯を切って


「ごめんね」


なぜか俺に謝った。


あ、謝らないで。


俺・・・何もしてないし。


まだ・・・何も・・・。


「・・・い、行こっか」


「え?あ、・・・う、うん・・・」


再び、歩き出す。


一気に身体から力が抜けていくのを感じながら、
自分のしようとしていたことを思い出して、

かぁぁぁ

顔が赤くなる。

だ、だめだ。

しばらく、

しばらく顔、見れねーーーー!!


程なくして家の前に到着した。


なんとか心の動揺を無理やり落ち着かせ、
俺は黒沼と向き合った。


「・・・黒沼、ありがと。」


「ううん」


「帰りホント気をつけてね。とりあえず家、ついたらメールして。心配だから」


「うん・・じゃあ・・・また明日ね」


「うん、また明日」


平静を装いながら、
俺は黒沼の姿が見えなくなるまで見送る。


だけど、姿が見えなくなった瞬間


「はぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~」


へなへなと思わずその場に座り込んだ。


もう少しだった。
もう少しだったのに・・・。


黒沼との「キス」・・・。


あ゛~~~~~~~


気持ちのやり場がなくなって、
俺は、頭をわしわしと掻いた。


「・・・しょーた、何やってんの?そんなとこで」


ちょうど、下校してきた弟の冷めた声が後ろから聞こえたけど
俺はしばらく立ち上がる気力がなかった・・・。


【episode.2 END】


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凹み早焦れ太2失敗目ということもあって、

灰になるには早すぎるだろうと、爽やかテイスト残しつつある風早ですw


この後に『あんまんもー』モチあん様が素敵なイラストを描いてくださってます。

そして、続きのお話は『君の恋、君への恋』桜様が担当されていますので、

Pocchiさまのサイト内「初チッス☆大作戦!! 」で是非ご覧になってください。

また、初チッス☆大作戦!!の連動企画として、

Primer amor~初恋~ 』美波さまが別視点からのお話を書いてくださってます。


Pocchiさま

改めて楽しい企画に参加させていただき心より感謝しております。


そして、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。


バトンは現在もまわっております。最後まで見届けるのが楽しみです♪