ネットワークの未発達の時代には、情報共有は、新聞、ラジオ、テレビ、図書、雑誌などであった。

しかし、新聞も力も失い、ラジオも力を失い、テレビも、図書も、雑誌も力を失ってしまった。

力を失ったからといって、無力になったわけではない。最盛期のパワーに比べると、たしかに力を失ったが、それでも、パワーはある。

 

がっちりマンデーというテレビ番組をみていたら、お店が繁盛するかは、昔は、テレビで取り上げられたりすると、非常に繁盛したが、今は、インスタ映えするかどうかで、繁盛するかどうかがきまり、あまり、テレビの影響をうけなくなったということだ。

 

出版ビジネスが力を失っているので、タイムリーという問題に決定的に対応できないからだ。

 

単に、それだけだ。

 

昔は、出版の世界を、新聞の新刊広告、出版情報で、広告して、本をうっていた。それが、本を買う最大の情報源で、唯一のルートであったが、もはや、多様な情報源のなかで、なにか、ブームになるのか、予測不能になった。

たしかに、ノーベル賞や芥川賞、直木賞をとれば、売り上げは伸びる。

しかし、発表されるまで、その情報は伏せられているので、出版社といえども、その情報はない。

まだ、芥川賞や直木賞は、日本の国内問題なので、まだ、なんとかなるかもしれないが、ノーベル賞のイシグロ氏の本が、バカ売れするタイミングには、書店にも、出版社の倉庫にも、本がない。

それから、人の熱も冷め始めたころに、ようやく店頭にならぶようになり、ブームがくだり坂になるころに、不良在庫の山に苦しむことになる。

 

本来なら、テレビショッピングのように、売るべきものを準備して、宣伝して、それが、売れれば、一番いいビジネスだ。(そのおかげで、老人向け健康食品が、テレビののっとっている状態になっている。)

 

しかし、無数という本の中で、何が売れるのか、売れないのかが、まったく不明。モグラたたきのようなビジネスになってしまう。

 

再販制度というシステムは、法で決まられたものなので、簡単に変更できない。

その意味で、中古本ビジネスは、自由だ。

 

現代社会において、出版ビジネスが、発展する可能性はすくない。

せめて、販売情報を可能なかぎりタイムリーに入手して、ブームを可能なかぎり早く見つけ出して、最大限のビジネスチャンスにつなげるのはよいと思うが、それをタイムリーに行うには、流通業者のシステムをうまく活用するしかないか、たぶん、それは難しい。

時が過ぎると瞬く間にブームは去ってしまう。

なぜなら、朝のラジオ番組は、毎週金曜日に本を1冊紹介しているが、7日たてば、話題には次の本になっているのだから、その7日間の内に、もしくは、その日の内に本が買えなければ、それで、おしまいである。

 

たぶん、それに対応できるのは、アマゾンだけかもしれない。もしくは、アマゾンさえ、無理なのかもしれない。

アマゾン 急上昇ワード  (2018年5月14日 お昼頃) 杉浦日向子さんがトップになっている。