「ミンジェさんっ!!!」


マンションに戻って、部屋に入ると開口一番カナは叫ぶようにミンジェの名前を呼んだ。


「お?」

雲のように現れて驚いたような顔をして見せるミンジェ。


「……ジミンを連れて行ったのは誰です?

一体、何をするつもりなの?」

不機嫌丸出しにミンジェに問いかけるカナ。


とうのミンジェもことの中身が見えず、少なからず困惑しながら、ふとユンギに目を向けた。


「……この間の、あのもう1人の死神に……連れて行かれた。」

ユンギはそうミンジェに答えた。


「……?

……っ!


……ギブン」

少しばかり考えを巡らせてからミンジェはギブンがジミンを連れ去ったという答えにたどり着いた。


「なんで?」

ミンジェはつぶやく。


「……取引したと言っていたんだ。」

ユンギはいう。

それを聞いて、カナは驚いた表情を見せる。


「なんの取引?」


ユンギはジミンが話したことを2人に打ち明けた。


「……なんで?」「……」「……」

カナは自分のためと知って、項垂れた。


「……ミンジェさんっ!」


「はっ、はいっ」

ミンジェはカナの怒りの籠った声に驚いて答えた。


「……ジミンを取り戻せます???」

怖い顔をして、ミンジェに詰め寄るカナ。


「んー、いやー、そのー……」

ミンジェは答えに迷っていた。

確信がないからだ。

変に期待を持たせる答えを言うべきではない。そう考えた。


「ミンジェさん?!」

それでも詰め寄るカナの気迫に、死神であるミンジェは後づさりする。


「少し、時間を頂戴。

……ギブンと話をしてくるから。」


「……」

カナはミンジェの答えに、腕組をして威圧的な雰囲気のまま顔を話す。

ミンジェはすぅーっと消えていった。


「……はあ」

カナは大きく息をつきながら、その場にうずくまった。


ユンギはそんなカナを見て、自分の不甲斐なさを感じて頭を垂れた。