……うっすらと光を感じて、重たくなったまぶたをこじ開けるように、目を開いた。
見覚えのある白い天井。
視線を周りに向ける。
ベッド脇、椅子に腰掛けて天井を眺めるユンギと床を見つめるジミンが目に入る。
「お、
……具合どう?」
反対側から顔を覗かせたのは、色白いミンジェの顔だった。
「……ミンジェ……さん?
……もう大丈夫なの?」
「なーに言ってんのさ。
今はあんたの方が大変なんだから。
ほら、見てっ!
これが一応神ってつくだけの回復力よ。」
そう言って、軽く跳ねて見せたミンジェ。
その様子を見て、笑うカナ。
「……よかった。」
傷口が痛むのか、笑う顔の隙間に表情をしかめるカナ。
「……痛み止め、もらって来ようか?」
ユンギは尋ねた。
カナは首を横に振った。
「無理はしないで。……一応もらって来る。」
そう言って椅子から立ち上がる時、カナが口を開いた。
「お店の皆さん、びっくりしたでしょう?
……後で、大丈夫って連絡しなきゃ……」
「大丈夫、それならもう連絡したから。」
ユンギはニコッと笑って見せて、病室を後にした。
ニコッと笑っていたものの、その顔からは少し疲れも垣間見れる。
「……2,3日の入院だって。」
久しぶりに聞いたようなタブレットの音。ジミンも心配そうにしている。
「……ごめんね、
心配かけて。」
「……平気だよ。」
その返答の言葉が、カナにはもう慣れたよと言われているように聞こえた。
「ジミンさん、少しミンジェさんと二人で話がしたいの。」
「……わかった。
もう少しでバイトに行かないとだから、そのまま行くよ。
明日また来るからね。」
無機質な機械音は、ジミンの寂しさを写したようだった。
「いってらっしゃい」
カナは力なく、ジミンに投げかけた。