ジミンの部屋まで来たカナとジミン。


そこまでの距離。ずっと手は握られたままだった。


「…………」

黙ったままのジミンの顔をカナは覗き込んだ。


「眠らないと……」

そう声をかけるカナをしばし見つめるジミン。


次には意を決したように、ジミンはカナを抱き抱えた。


「うわっ!

……ちょっとっ!」

驚くカナをよそに、ジミンはそのまま自分のベッドにカナを放り投げるように下ろす。


「なっ、なに…するのっ!」


ジミンはタブレットを枕元に投げてから、ベッドの上を這うように動く。

それから、ベッドから降りようとするカナの腰周りに両手をしっかり巻き付けてホールド……


ジミンは小刻みに身体を震わせていた。

背中越しにそれを感じたカナは動きを止める。


「……泣いてる?」

タブレットを手にしていないジミンは首を上下に動かして答えた。


カナは向きを変えると自分の胸にジミンの顔を填めた。


……そんなに怖かったのか。

カナはそう感じた。


まるで泣き止まない子供を落ち着かせるように、胸に抱いたジミンの頭を優しく撫でる。

時折、腰に回った両手に力がこもる。


「……大丈夫。

もう、大丈夫だから。」

そう言いながら、ジミンの頭を撫でているうちに、睡魔に襲われ始めたカナ。


そのまま、ジミンを抱いたまま二人は眠りについた。