今回読んだのは、
『名古屋で見かける聞き屋の謎』
という本です。
著者は
ディーン・カワウソさん。
名前を聞いて
「誰だろう?」と思った方も
いるかもしれません。
いわゆる
ビジネスネームですね。
この名前の由来は、
俳優の
DEAN FUJIOKAさんの“DEAN”と、
ご本人が
カワウソ好きだったことから
つけられたそうです。
路上で「人の話を聞く」活動
ではこの方は
何をしている人なのか。
名古屋駅付近の路上で、
「聞き屋」という活動を
されています。
聞き屋というのは、
簡単に言うと
人の話を聞く活動です。
駅前などに立ち、
立ち寄った人の話を
ただ聞く。
しかも、
無料です。
つまり
ビジネスというより、
かなり
ボランティアに近い活動です。
それでも
これまでに
1600人以上の話を聞いてきた
そうです。
今回の本は、
その経験や
考えをまとめたものになります。
「レンタル何もしない人」と似ている?
こういう活動をしていると、
よく
比較される人がいるそうです。
例えば、
レンタル何もしない人
ですね。
何もしないけれど
レンタルされる人。
ドラマ化もされたので
知っている人も
多いと思います。
あとは、
プロ奢られ屋
という人もいます。
これは
人に奢ってもらう代わりに
一緒に時間を過ごす人ですね。
ただ、
SNSフォロワー数や
博士号など、
奢られる条件が
かなり厳しいことで
知られています。
こういった人たちと
「似たような活動じゃないの?」
と言われることが
あるそうなんですが、
実は
カワウソさんの活動の方が
早かった
そうです。
この活動は
もう5年以上続いています。
その活動が評価され、
NHKの
『ノンフィクション』
にも出演されています。
自分が特別じゃなくてもできること
こういう活動の面白いところは、
自分が特別でなくても
成立することだと思います。
例えば、
レンタル何もしない人も
そうなんですが、
自分自身が
何かすごい能力を
持っていなくても、
人の経験や
人の話を通して、
価値を生み出すことができます。
人の話を聞くことで、
新しい経験に触れ、
それを
発信することもできます。
今回の本も、
そうした活動の中から
生まれたものです。
ただ一方で、
カワウソさん自身は
聞き屋の活動だけで
生活しているわけではなく、
アルバイトも
されているそうです。
つまり、
必ずしも
収入につながる活動では
ありません。
それでも
続けている。
そこが
すごいところだなと
思いました。
人は「話を聞いてほしい」生き物
この本を読んで
改めて思ったのは、
人は話を聞いてほしい生き物なんだ
ということです。
悩みがあるとき、
自分の中で
ずっと考えていると、
どうしても
堂々巡りになります。
同じことを
何度も考えてしまう。
でも、
誰かに話すと
不思議と整理されることがあります。
話しているうちに
気持ちが軽くなることもあります。
だからこそ、
こういう
話を聞く人
という存在は
意外と大切なのかもしれません。
知らない人同士が話す場所
面白かったのは、
この聞き屋の活動では、
必ずしも
一対一で話すわけではない
ということです。
ときには
複数人で
話すこともあるそうです。
見知らぬ人たちが集まり、
それぞれの悩みや
経験を話す。
すると、
同じ立場の人が
アドバイスをくれたりする。
そんな場面も
あるそうです。
考えてみると、
みんな
自分の話を聞いてほしいと
思っています。
だからこそ、
聞くことに特化する
というのは
とても面白い活動だなと
感じました。
地道に続ける力
もう一つ
いいなと思ったのは、
同じ場所で
同じ時間に
活動を続けている
ということです。
今では
常連さんも
いるそうです。
こういう活動って、
一度やっただけでは
意味がありません。
でも、
地道に続けることで
必要としている人に
届くようになります。
それを
5年も続けている
というのは、
本当にすごいことだなと
思いました。
今の時代ならオンラインでもできる
ただ、
今は時代も
変わってきています。
昔だったら、
こういう活動は
路上でやるしか
ありませんでした。
でも今は、
オンラインがあります。
Zoom
インスタライブ
ライブ配信
こういったものを使えば、
物理的に
同じ場所にいなくても
人の話を聞くことは
できます。
実際、
ライブ配信や
チャットなどで
悩み相談のような形で
活動している人も
います。
もしかすると、
この聞き屋の活動も
オンラインと組み合わせると
さらに広がるのかもしれません。
私自身も、
週に1回くらい
インスタライブをしています。
そうすると、
顔見知りの人が
少しずつ増えてきます。
コメントを通して
交流することもありますし、
お互いに
助け合いながら
配信することもあります。
そういう意味でも、
こういう活動は
これからも
続けていきたいなと
思いました。
誰でもできるけれど、続ける人は少ない
ちなみに、
路上で活動すると
「警察の許可はいるの?」
という疑問も
出てくるそうです。
この本の中では、
利益目的でなければ
基本的に問題ない
という話も
出ていました。
もちろん、
通行の邪魔にならないなど
配慮は必要ですが、
ルールを守れば
活動はできるそうです。
つまり、
やろうと思えば
誰でもできる。
でも、
実際にやる人は
ほとんどいない。
そこが
面白いところかもしれません。
何もなくても、できること
この本には、
これまで出会ってきた人たちの
エピソードも
たくさん載っています。
それを読んで
思ったのは、
自分がすごくなくても
できることはある
ということでした。
正直、
ほとんどの人は
特別な能力があるわけでは
ありません。
私自身も、
自分のことを
すごい人間だとは
思っていません。
でも、
人の話を聞くことは
誰でもできます。
そして、
それを続けていくと、
そこから
何かが生まれることも
あるのかもしれません。
もし、
「自分には何もない」
「経験も能力もない」
そう感じている人がいたら、
この本を読むと
少し勇気が出るかもしれません。
特別なことを
しなくてもいい。
できることから
始めればいい。
そんなメッセージを
感じる一冊でした。

