君に会えた奇跡 -7ページ目

第15話 告白-Ⅲ

ライブ会場から出たボク達は、校内の各施設を順繰り回った。


すると図書館の前で足を止め、


「コレってもしかして、、、図書館??」


と驚いた顔をして言った。ボクは何か驚く事でもあるのか不思議だったので、


「うん、図書館だけど。どうかした?」


と聞くと、留美は興奮した様子で、


「え~、だってめちゃめちゃ大きいじゃん!!すご~い!!」


と言って、「行こう行こう」と目を輝かせた。





留美は本を読むのはもちろん図書館で勉強したり、とにかく図書館にいるのが好きなんだそうな。


あの独特の空間、長い年月をかけて人類が養ってきた英知が詰まっていると考えるだけでゾクゾクするらしい。


そう語る留美の表情は今まで見たことないほど活き活きしててさ、その笑顔を見ているとこっちまで嬉しい気分になってしまうんだ。




留美とボクは目に付いた本を本棚から取り出し、時間を忘れて本の世界に没頭した。





「そろそろ閉館なんですけど。。」


と、申し訳なさそうな顔をした図書委員がボクに声をかけてきた。


外に目をやると外はだいぶ真っ暗になっていた。


留美は残念そうな表情を浮かべながら何も言わずに本を元あった場所へ返却しに行った。


「こんな時間まで、スイマセン。この本面白くて時間が経つのを忘れちゃいました。」


と頭をポリポリ掻きながら言うと、図書委員は


「いえいえ、ボクも本好きなんでその気持ち分かりますから。」


と笑顔で返してくれた。


「それより、そろそろメインイベントの時間ですよ。」


図書委員のその台詞ではっとした。





そして、時計を見る、、、18時を過ぎている。


ボクは急いで読んでいた本を元に戻し、


「行こう!!」


と言って、キョトンとしている留美の手を握り締め校庭へ急いだ。