プロテニスプレイヤーとして | 伊達公子オフィシャルブログ ~Always Smile~

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今日はみなさんにご報告をします。

昨夜のNHK「サンデースポーツ」を見られた方は

すでにご承知の方がいらっしゃる事と思います。


私、クルム伊達 公子はプロテニスプレイヤーとして新たなチャレンジをすることにしました。

公式戦に出場するためテニスコートに立ちます。




3月15日に行われたシュテフィ・グラフとマルチナ・ナブラチロワとの

ドリームマッチ2008を無事に怪我なく終えることができた後、

少し休みを摂り、練習を再開し始めていました。


プロテニスプレイヤーとして公式戦に出場することを

いつ・どうして???と思われることでしょう。


まず1つ、大切なメッセージをお伝えしたいと思います。

「復活」ではないということです。

とは言っても、聞かれた方にとっては

当然のこと「復活」と捉える方が多いことを理解しています。

あえて言わせていただきます。

私自身の中では「復活・復帰」という感覚ではありません。


WTAツアーを引退したのは1996年の年末チャンピオンシップス。

そのとき、25歳。

あれから11年の年月が経ちました。

引退した直後は、私自身テニスが好きではなく

テニスと距離がありました。


数年後からはテニスやスポーツの楽しさを伝えたいという

想いが大きくなり、「カモン!キッズテニス」で

3歳から10歳の子供たちを対象にテニスと触れ合ってきました。

日本国内に留まらず、発展途上国でもJICAのオフィシャルサポーターとして

キッズテニスを展開してきました。


グランドスラム大会などのTV解説を通して

テニス界との関わりも多くなりました。

また日常の中でもまったくテニスをしなかった時期から

少しずつ友人とたのしいテニスをやる機会も増えてくるようになっていました。

(とはいってもやらないときは数ヶ月空いてしまうことのほうが多いですが・・・)


気がつけば・・・テニスとの距離が11年の間で、

自然に少しずつ少しずつ縮まっていました。


先日のドリームマッチに向けて

昨年の9月頃から練習を繰り返す中で、

引退してからこれまでに感じたことのない気持ちの揺れ動きを

幾度となく感じていることに自分自身で気づきました。

その気持ちと言うのが何なのか??

自分自身でじっくりと時間をかけて確かめてきました。


その気持ちというのは

真剣勝負のテニスコートに立ち

今、世界を目指している日本人プレイヤーと戦うことでした。


「今だから出来ること・やるべきこと」と自分の中で感じたのです。




1つ目には

「テニス界に感謝」


そして2つ目は

「世界のトップで戦える日本人が早く育ってほしい」という願い。

と同時にプレイヤー達に刺激を与えたい。そしてテニス界の活性化。


3つ目は

私自身、「チャレンジ」することが好きだと言うこと。

+Michaelからのプッシュも大きいです。

2人で生活をする中で、アスリートとしての話を

する機会が多かったのですが

Michael自身、昨年には5年振りのフォーミュラ・ニッポンへ参戦の

チャレンジをしていました。

5年のブランクの中で闘う姿を間近で見守っていて

「年齢やブランクは関係ない!」

と必死に闘う姿に影響されました。

勝つ・負けるの結果だけがすべてはなく、

目標を明確にしてチャレンジし続けることや

自分自身への限界へのチャレンジの大切さを

改めてMichaelから学んだ気がします。

人生に置き換えてみても、同じことが言えるということを

理解できたとき、自然とテニスコートで戦うための

心の準備がすこしずつ固まってきたように思います。


現役時代は無我夢中で

自分自身のことだけで必死でした。

今はあの頃より年齢を重ね、少しは周りを見れる余裕も

もてるようになっているつもりです。


2008年の今年は北京オリンピックの年。

2010年には100回目を迎える高校テニスなど

日本テニス界の歴史がまた大きく変革していくためにも

今の現役プレイヤー、そしてこれから世界を目指すプレイヤーたちに

私だからこそ伝えられるものがあるのではないかと

これまで培ってきた経験やエネルギーを

同じコートに立って示していきたいと思ったのが

決意のもっとも大きな要因です。


過去の世界ランキング4位までいった伊達公子としてではなく

新たなる挑戦としてコートに立ちたいと決断しました。


トーナメントに参加するためには

ルール上の問題もクリアにしていかなければ

ならないことも多々あります。

まずは、新たな挑戦ということで

Kimiko Date-Krumm
クルム伊達 公子

として大会には出場します。

すでにITFにはI PIN登録、

日本テニス協会にはプロ登録の申請を終えています。


現在、4月末から岐阜・福岡・久留米の大会に

WC(主催者推薦枠)をいただき

ダブルスで出場することが確定しています。

正直なところどこまで出来るのか

スタミナ、怪我の問題、試合勘、11年のブランクのことなど

不安がないわけではありません。

その先は、自分の体と相談しながら出来ることをやっていくつもりです。


今後はプロテニスプレイヤーとして、

またこれまでの仕事もスケジュールをみながら

出来ることはこなしていくつもりでいます。

また新たな動きが出そうなときには

報告しますので楽しみに待っていてください。


新たなる挑戦を温かく見守っていただき

これからもサポートしてくださいね。