「アスリートの現役引退」 | 伊達公子オフィシャルブログ ~Always Smile~

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また1人アスリートが引退した。
世界ランキング20位台で活躍もしたテニス選手・・・・浅越 しのぶ。

NYで行われているテニスのグランドスラムUS OPENを最後に引退。
28日の初日に1回戦を闘いに敗れ、ダブルスでは森上さんと組み3回戦で第1シードに敗れ、
ツアー生活に終わりを告げた。

このUS OPENでもう1人引退したスーパーアスリートがいる。アンドレ・アガシ。
アガシはナイトマッチのオープニングマッチに登場し1回戦を勝ちあがり、
2回戦も勝ちあがったものの3回戦で力尽きた。できる限り長くアガシのプレーを見たいと
願っていた人ばかりだろう。
プレイヤーズラウンジの中にあるTVでも気がつけば選手たちが皆、一言も話さず
最後の瞬間を見届けていた。
彼のプレーだけでなく、人間性の素晴らしさが多くの人たちを惹き付けてきたのだ。
そのアガシの引退を、世界中で惜しみつつもこれまでの偉業を称えている。

誰にもいずれ訪れる引退-
その時期を決断するのは非常に難しい。
浅越は今年から勝てない日々も続き、ランキングにも苦しめられ、中盤から悩みに悩んでいた。
年齢が30歳、自分のモチベーションを維持すること、追い込むことが難しく、
そして辛くなって来たことも大きな要因にはなっていたのだろう。
自分を追い込めなくては、試合でベストのテニスを何週間もキープできない。
自分自身との葛藤が続いていた中でも闘い続けなければならないのがテニスの宿命。

そして-引退の決断。
最後のUS OPEN、大会が始まる前から最後だから・・・ということは考えず、
いつものようにきついトレーニングを繰り返して調整してきた。
私も微力ながら近くにいながらサポートして過ごした。
しかし、シングルスの結果は1回戦敗退。
浅越自身も自分らしい思い切りのいいテニスをコーチ&トレーナー、
そしてNYまで駆けつけてくれた友人や日本で応援してくれている人たちに、
そして何よりも自分自身としてもしてコートから去りたかっただろう。
しかし、そう思えば思うほど気持ちと身体が噛みあわなかったのだろう。

それにしても、選手の引退は寂しいものだ。
もう、あの浅越の切れのいいテニスは見れなくなってしまったのだから・・・・

今はとにかく長いツアー生活お疲れさま。
この数ヶ月、メンタル的にきつい中よくここまで気持ちをギリギリの状態で切らさず乗り越えた!
って思う。
浅越自身のこれからの人生が、テニスで経験したことが大きな財産となりHappyで
そしてもっともっと輝いていることを願って・・・・。

【写真コメント】
7年間一緒に闘い続けてきた谷川コーチ、身体のケアとトレーニングをやってきた
山下トレーナーもお疲れさまでした。

母校の園田のみんながUS OPENのために横断幕に寄せ書きをして兵庫から持ってきた。

最後が森上さんと楽しく思い切ったプレーを見せてくれた。

チーム浅越は最後の最後まで全力で闘った・・・・