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おはようございます
本日もよろしくお願いします
昨日は参加型裁判劇『極刑』で、
加害者の母親役で
法廷に立ってきました。
息子が死刑になるか、免れるのか
決めるのは
観客の皆さんで、
集計の結果いかんで決まるのですが、
昨日は
無期懲役になりました。
極刑は回避されました
これは演劇で、模擬裁判なのですが
すべての審議が終わり
裁判官と裁判員が別室で話し合った結果
決定した刑が裁判長から言い渡される時
神経を集中させて
その言葉を
固唾を呑んで見守る母親役のわたしと
そのわたしを見つめる
もう一人のわたしがそこにいました。
昨日は、あなたにお付き合いいただき
死刑という刑について
考えました。
お付き合いくださって
本当にありがとうございました。
だって、このような気が重くなることに
付き合っていただけて
それはやはり感謝せずにいられません。
わたしも
初日を迎えるまで
自主稽古を
姉に付き合ってもらい繰り返しましたが
自分一人では気持ちの負担が大きくて
取り組むのが煩わしく思えたのです。
たった今
死刑という難題を書いている自分でさえ
暗くて重い内容に没入していくことより
楽しく軽やかなことに時間を使いたい
と
考えるだけで疲れそうで
扉を開くことに、ためらいがあります。
だから
あなたに御礼を言いたかったのです。
狩野芳崖『悲母観音』 重要文化財
東京芸術大学蔵
そうなのですが、
もう少し続けて考えさせてください。
・・・・・・・・・・
死刑囚に刑が執行されるには
法務大臣の死刑執行命令が必要です。
岸田文雄首相は13日、
内閣改造・党役員人事に踏み切り
外相には岸田派の上川陽子氏を
充てましたが、
上川氏は2004年の第2次安倍改造内閣を
皮切りに計5回、法務大臣を務め
2018年には麻原彰晃をはじめとする
13人のオウム真理教信者に
執行しました。
あなたは
この日の報道、覚えておられますか。
重大任務を担った上川さんの引き攣った
真顔が、とても印象に残っています。
第二次世界大戦後の日本国憲法下で
法務大臣を務めた女性は
5人だと思いますが、
上川陽子法務大臣は死刑命令を下した
最多で、計16人でした。
岸田さんは今回の組閣で
岸田派の上川氏を外相に据えました。
岸田さんも第2次安倍内閣以来、
外務大臣をされ、
戦後の在職期間最長は
内閣総理大臣兼摂を含めると吉田茂で
外務大臣専任としては岸田文雄です。
上川陽子さんはすぐれた経歴の方です。
今後、どのような道を
歩むことになるのでしょうね。
・・・・・・・・
昨日は
新橋のバー「メッカ」殺人事件の
正田昭（しょうだあきら）刑死者を
取り上げましたが、
この裁判の弁護を務めたのは
正木亮（まさきあきら）弁護士でした。
帝銀事件の弁護士としても著名です。
昭和期の
監獄学・刑事政策の実践的法学者で
戦後は死刑廃止の提唱者として
日本における死刑廃止運動の
中心的役割を担った人物でした。
正木亮（1892年- 1971年）は
東京帝国大学
法科大学法律学科（ドイツ法）在学中
牧野英一やトルストイの影響を受け
監獄の改善に強い関心を持ちました。
1916年1月1日、
現在跡地が
サンシャインシティーとなっている
巣鴨監獄を参観し、
囚人の食物の粗末さ、
戒護取調べのキツさ、
房内の異臭、鉄鎖、鉄釱の惨さに
自らの一生を
監獄改良に捧ぐことを誓いました。
そして各地の監獄を巡歴しました。
1921年市ヶ谷監獄、1922年小菅刑務所
と2回、
志願囚として刑務所で収容者と
起居を共にして体験を積みました。
囚人もまた人間なりとし
受刑者に希望を与えるべく尽力します。
さらに受刑者の賃金と性の問題を
制度の中に取り入れることの大事を
著書で発表しました。
1945年、広島控訴院検事長時代、
正木は原爆に遭いますが、
土中から這い出し一命を取りとめます。
けれども
次女は数日後、広島女学院の
ピアノの鍵盤の下に
真白い白骨となって発見されました。
広島刑務所も
相当数の被災負傷者が出ましたが、
正木は
その中で強壮な受刑者を選び、
死体の収容と埋葬の作業にあたらせ
受刑者たちに対しては
大なる死体は我が親と思へ、
小なる死体は我が子、
我が弟妹と思ひ取扱ひ、
軍人部隊に負けぬ成績を示されたい
と訓示しました。
一同は感激して
人の先頭に立って身を投げ出し
奉仕を誓い合ったと伝えられています。
誰に対しても区別なく接する
人間尊重の思想態度に惹かれ、
交友関係は法曹界に限らず、
文人、政治家など多彩で
田中角栄と小佐野賢治の
顧問弁護士でもありました。
戦後、
公職追放されて在野の身となりますが
戦争も死刑もいずれも
国家による
生命剥奪である
という強い信念に基づき、
死刑廃止と
実体験にもとづく戦争批判の運動を
推進しました。
亡くなる前年までの13年間、
矯正協会会長として
刑事政策の研究と実践に
生涯を捧げました。
このように
昭和40年代の死刑廃止運動の
中心的な役割を担いましたが、
正木の死後、
思想的支柱を失った死刑廃止運動は、
社会の変化とともに
下火となっていきました。
・・・・・・・・
さあ、本日の参加型裁判劇は、
どのような結果になるでしょうか。
それでは行ってまいります
こうした内容の文字を
最後までお読みくださり
本当にありがとうございました。
あなたの休日が
善き日となりますように
KIMIÉ拝