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次回をお待ちください
power of enlightenment
おはようございます
本日もよろしくお願いします
さて
数日前
江戸時代の学問では
身をおめる「修身」が尊ばれ、
それによって志が養われたと
記させていただきました。
そうした江戸の末期に生きた武士
橋本佐内をあなたはご存知ですか
大河ドラマでご覧になっている方も
いらっしゃることでしょう。
わたしは
何年か前、
佐内の著『啓発録』（1848年）を
読んで知ったのです。
それで
その己を律する姿勢に
背筋が伸びる思いがしたのですが、
『啓発録』は
佐内が15歳の時に書いたもの
ということに驚きました。
自己を修錬し、
人々のため
日本を背負って立たなければならい
という少年の
気概、気迫に圧倒されます。
7歳で漢籍・詩文と書道を、
8歳で漢学を学び、
生涯を通じて学問武道に励んだ佐内
その人生は
吉田松陰と
重なるところが少なくありません。
吉田松陰
どちらも幕末の思想家で
若くして亡くなったこと、
安政5年(1858)年に小伝馬町牢屋敷で
斬首となったことなどが挙げられます。
吾今爲國死
死不背君親
悠悠天地事
鑑照在明神
私は今、国のために命を捧げる
これはけして、君や親への忠孝の道に
背くことではない
遙かな国の行く末を、憂うばかりだ
霊験あらたかな神々よ、
どうか御照覧ください
上の漢詩は
松蔭の遺した辞世の句の一つですが
松蔭は29歳、佐内は25歳の若さで
亡くなりました。
松蔭は別の機会を設けることとして
本日は佐内の
短く散った濃密な人生を
かい摘み、駆け足で
あなたとご一緒に
見つめてみたいのですが、
お付き合いいただけますか？
西郷隆盛は
安政の大獄の影響で
奄美大島に身を隠していたときに
佐内の死を知ったのですが、
誠忠組の同志だった大久保利通へ
手紙をしたため、
橋本迄死刑に逢い候儀案外、
悲憤千万堪え難き時世に御座候
と綴っています。
そしてまた
西郷が自刃したときには、
携帯していた革文庫の中に
佐内の手紙も収められていました。
橋本佐内（1834-1859）は、
福井藩の藩医医者の長男として生まれ
漢方医学を学びました。
そして15歳で『啓発録』を書き、
翌年、
緒方洪庵の適塾（大阪大学の前身）に
入門します。
緒方洪庵
緒方洪庵は
備中国足守藩(岡山市北部)の武士で
医師で蘭学者です。
天然痘治療に大きく貢献し、
日本の近代医学の祖といわれ
大村益次郎、福沢諭吉など
幕末から明治維新にかけて活躍した
人材を多く輩出したことでも有名です。
佐内は19歳で父を失うと、
跡を継いで藩医(外科)になりました。
そして
21歳の時、江戸に遊学し
蘭方医学を学びました。
その後、
藤田東湖や西郷隆盛らと交流。
窮迫した時勢に接するうち
22歳、佐内は
医学を離れたい心をおこし
兄に代わり藩医を継いだ末弟
橋本綱常
陸軍軍医総監（中将相当官）、
陸軍省医務局長、
東京大学医科大学教授、
初代日本赤十字社病院院長、
東宮拝診御用などを歴任
やがて
福井藩主の松平春嶽(しゅんがく)に
側近として登用され、
藩主の警護や相談役、
藩の学校の改革に取り組み
24歳、江戸詰めを命じられ、
藩の政治、国の政治に大きな関わりを
持つようになりました。
そして26歳の時
尊皇攘夷運動に対する激しい弾圧
安政の大獄で、
危険人物とされ
幕府に捕えられ死刑となりました。
将軍継嗣問題で
春嶽を助けるために
一橋慶喜 擁立運動を展開し、
幕政の改革を唱えたのが原因でした。
さて
『啓発力』ですが
「自己啓発本」のはしり
といえるかもしれませんね。
自己啓発本は
英語にすると
self-help bookや
personal development book
と呼ばれています。
自己啓発という分野があることを
わたしは10年前くらいに
やっと知ったのですが、
それがどれほど
わたしを助けたかしれません。
橋本佐内『啓発力』は
15歳までの自分をかえりみて
その後の生き方の指針として
５項目を定めた内容が綴られています。
その５つを順番に
一文で表せば、
１
「稚心を去る」
親への甘えは、学問の上達を妨げ
気概を持てないので捨てるべき
２
「気を振るう」
人に負けまいとする思う心
恥を知り悔しいと思う心を常に持ち
たえず緊張を緩めることなく努力する
３
「志を立てる」
自分の心の赴くところを定め、
一度こうと決めたら
その決心を失わないように努力する
方向性を定めるには、
古来より素晴らしいと言われる書物を
無心に読み、
その中で
心に残った言葉を抜き出し壁に貼り
いつもそれを眺めて、
自分の足らぬことを反省して精進する
４
「学に勉める」
すぐれた人物の素行を見倣って
自らも実行する
また、学問では何事も強い意志を保ち
努力を続けることが必要だが、
自らの才能を鼻にかけたり、
富や権力に心を
奪われることのないよう、
自らも用心し慎むとともに、
それを指摘してくれる
良い友人を選ぶよう心掛ける
知識を吸収するのみではなく、
忠孝の精神を養うことと、
文武の道を修業することが大事
５
「交友を選ぶ」
友人は大切にしなければいけないが、
友人には「損友」と「益友」があるので
その見極めが大切で、
もし益友といえる人がいたら、
自分の方から交際を求め
兄弟のように付き合うのがよい
損友には、その善くない部分を修正し
善い道に導く
益友には、次の5つを目安とする
厳格で意思が強く、正しい人であるか
温和で人情に篤く、誠実な人であるか
勇気があり、果断な人であるか
才知が冴えわたっているか
細かいことに拘らず、度量が広い人か
いかがでしょう
わずか200年前の人々は
現代より寿命が短かった分、
あつく、凝縮して生きたのですね。
それでは最後に
身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも
とどめ置かまし 大和魂
と冒頭に辞世の和歌が載せられた
吉田松陰『留魂録』
その一部を記して
本日の末考とさせていただきます。
人の寿命には定まりがない。
農事が四季を巡って
営まれるようなものではないのだ。
人間にもそれに相応しい春夏秋冬がある
と言えるだろう。
十歳にして死ぬものには、
その十歳の中に自ずから四季がある。
二十歳には自ずから二十歳の四季が、
三十歳には自ずから三十歳の四季が、
五十、百歳にも自ずから四季がある。
十歳をもって短いというのは、
夏蝉を
長生の霊木にしようと願うことだ。
百歳をもって長いというのは、
霊椿を蝉にしようとするような事で、
いずれも天寿に
達することにはならない。
私は三十歳、
四季はすでに備わっており、
花を咲かせ、実をつけている筈である。
それが単なる籾殻なのか、
成熟した栗の実なのかは
私の知るところではない。
もし同志の諸君の中に、
私のささやかな真心を憐れみ、
それを受け継いでやろう
という人がいるなら、
それはまかれた種子が絶えずに、
穀物が年々実っていくのと同じで、
収穫のあった年に恥じないことに
なるであろう。
同志諸君よ、
このことをよく考えて欲しい。
ありがとうございました
KIMIÉ
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本気で美人になることを望むなら
手探りを繰り返すより
その道に精通した人に習うのが
一番の近道です。
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真行寺君枝
女性の美しさは
その人の魂の真の美しさ
愛情のこもったケア、情熱によって
時とともに増していくもの
ー オードリー・ヘップバーン ー