酒井抱一(さかいほういつ)
おはようございます
さあ今週も始まりました
よろしくお願いします
日曜、暑かったですが
夜のバルコニーは凌ぎやすかったです
梅雨もすでに明けたのですね
大暑(たいしょ)に入り
桐が実を結び始める時候となりました
酒井抱一「桐と菊」
クリーヴランド美術館蔵
こちらは酒井抱一が描いた七月の花鳥
酒井抱一「十二か月花鳥図 七月」
玉蜀黍朝顔に青蛙図
文政6年(1823) 三の丸尚蔵館
桐の画像を探していて、
江戸後期の絵師・酒井抱一に
思いがけず出会ってしまいました
あなたは
抱一のどの絵が好きですか
『風雨草花図』「夏秋草図屏風」右隻
重要文化財 東京国立博物館蔵
わたしは
今の季節ならこの銀屏風
突然の夕立と増水した川の流れに
草花を蘇らす夏の情景を描いた作品
この左隻はこちら
『風雨草花図』「夏秋草図屏風」左隻
重要文化財 東京国立博物館蔵
わたしが真似たお粗末
抱一というと、
「風神雷神図」も興味深いです
俵屋宗達のオリジナルを
尾形光琳が描き、
そして光琳に私淑した抱一も描いた
日本人、ひいては世界の誰もが認める
傑作です
せっかくなので
見比べてみましょう
俵屋宗達
17世紀 国宝 京都国立博物館
尾形光琳
17世紀 重要文化財 東京国立博物館蔵
酒井抱一
19世紀 出光美術館蔵
およそ1世紀ずつ後に描かれました。
それぞれに趣があります。
抱一は宗達のオリジナルの存在を
知りませんでした。
ただただ憧憬した光琳の作品を
模写したのです。
そしてですね、
光琳の「風神雷神図」の
裏側に
抱一の代表作「夏秋草図屏風」は
描かれていたのです
けれど、
ついこの間の1975年に保存上の問題で
はがされ、
別の屏風に仕立て直されたのでした。
何故、表裏に?
と
あなたは
お思いになりましたネ
これは
11代将軍徳川家斉(いえなり)の父
一橋治済(はるさだ)が
所有していた光琳「風神雷神図」に、
古希祝いとして
その裏を抱一に依頼したのです。
そうして描かれたのが
『夏秋草図屏風』でした。
あなたはご存知でしたでしょうか
酒井抱一(さかいほういつ)
1761- 1829年
の出自!
姫路藩世嗣の次男で、
神田小川町の姫路藩別邸で誕生。
藩白く美しい姫路城、
その藩主・大名の弟でした。
そして
37歳で出家して、
抱一の名を名乗ったのです。
本名は忠因(ただなお)でした。
これは
『老子』
特に巻二十二の中の
是を以て聖人、
一を抱えて天下の式と為る
から取られたのでした。
聖人は道徳という最低限のものだけを
しっかり守って人の手本となる
という意味ですが、
その前後も込めた二十二章を書き下すと
曲がっていることで天寿を全うできる
曲がることはまっすぐなのです
窪みは、貯めることができます
古くなって破れれば新しくなります
少ししか持ってない人は、
わずかでも得たと感じ
たくさん持ってる人は、
得ることがあっても勘定に悩むもの
だから
聖人は道徳という最低限のものだけを
しっかり守って世の模範となるのです
目立とうとしないから注目され
自己主張しないから受け入れられる
自慢しないので誰もがたたえ
自慢しないから長く道を保てるのです
そもそも人と争って何かを求めないので
誰にも敗れることが無いのです
いにしえの人が言った、
「曲がりくねった木のように
役立たずだと生をまっとうできる」
とは真実です
そうしてこそ、生をまっとうし
根源に帰ることができるのです
いかがでしたでしょうか
絵と一緒にその人物を垣間見ると
絵の深みが増して感じられますよね
愛着も湧いてきますね
今日は
七十二候の 「桐が実を結ぶ」候から
酒井抱一へと
あなたと
ご一緒に
思いを巡らさせていただきました。
今週も
楽しい時間をお過ごしくださいね
ありがとうございました
KIMIÉ
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KIMIÉ