ソクラテスのエロース
おはようございます
5月2日です
本日もよろしくお願いします
ソクラテスに教わったエロース
という
なんだか変なタイトルになってますが
ポール・ジェルヴェ議事堂のエロース
今日は
プラトン著『饗宴』のお話しです。
プラトンの書は30篇以上ありますが、
その中で一番、華やかで楽しいのが
『饗宴』
(シュンポシオン = シンポジウム)
白眉です
この話は
紀元前416年の悲劇の祭典で優勝した
アガトンの祝賀会
その一夜の様子を書いているので
キラッキラしているのです。
そして
わたしはこれまた本当に
教えられたんですよ。
はじめて手にしたのは
ロサンゼルスにヌード写真を
撮りに行く時のことでした。
ヌード写真なんて、
普通の方々からすると
とんでもなくはしたないことですよね。
それがわたしのような職業の者の
業といいますか、なんと申しますか・・
のっぴきならない事態が
生じておりました、あの頃の我が身には
それで ですね、
エロースとは一体なんなのか
その正体とは何なのか
性的に不潔で けがらわしいイメージが
特に女性にはありますが、
きっとそれだけではないはず
神聖な奥深いものであるはず
そう信じ
その答えを求めて
この本を携えて飛んだのです。。。。。
それでですね、
それはもう目から鱗でした。
人の人生というものを教えてくれる
その指針ともなって、今に至ります。
このギリシア悲劇の祭典は
毎年春に行われた
大ディオニュシア祭の一環で、
ディオニュソス(バッコス バッカス)に
捧げられました。
ディオニュソスは
ギリシア神話の酒と豊穣の神で、
葡萄の栽培を教えたといわれています。
このディオニュソスは
クレタ島のミケーネで
BC13世紀〜BC12世紀の粘土版に
すでにその名が見つかっています。
ディオニューソスと
クレタ島ミノス王の娘アリアドネ
テセウスがミノタウロスから逃れるのを
手伝ったアリアドネは、
ナクソス島で彼に見捨てられます。
そこへディオニュソスが訪れ、
アリアドネが眠っているのを見て
恋に落ちて結婚しました。
もとはエーゲ海地方の集団的狂乱と
陶酔を伴う秘儀における神で
ギリシアに伝播し、
女性の間で熱狂的な崇拝を受けました。
ギリシア神話に登場する吟遊詩人で
密議宗教オルフェウス教の始祖とされる
オルフェウスとの接触により、
冥界とのつながりをもつに至って
ヘレニズム期以降、大流行しました。
「エウリュディケを
冥界から連れ戻すオルフェウス」
カミーユ・コロー
冥界に降りて
妻イザナミを連れ戻そうとした
イザナギの神話にそっくり、なんで
こと座(右)
星図カード集『ウラニアの鏡』1824
竪琴の名手オルフェウスが死ぬと
その竪琴は、父アポロンによって
天の星座になりました
「オルフェウスの歌を聞くニンフたち」
シャルル・ジャラベール 1853
「オルフェウスの首を
竪琴で運ぶトラキアの少女」1865
ギュスターヴ・モロー
J・W・ウォーターハウス 1900
オルフェウスは芸術家の
インスピレーションの源泉
レスボス島のオルフェウスの神託の洞窟
このようにオルフェウスと接触した
ディオニュソスへの貢ぎ
悲劇の起源は、
宗教儀式だったのです。
そこに叙事詩の会話形式と、
コロス(コーラス)による合唱と
舞踏が加わり、
ギリシア悲劇は
BC6世紀に大成しました。
そして
ディオニュソスの大祭に
BC487からは喜劇も加えられました。
脚本、歌と踊りの指導、役者と
悲劇作家はどれもを兼任したので
先生と呼ばれる存在でした。
役者は当初は1人、
後に2人、そして3人へと増えました。
丘の斜面を利用した巨大な円形劇場で、
その舞台をオーケストラといいました。
ローマ時代の円形劇場
当時は娯楽がほとんどなかった時代、
祭典は国家あげての
盛大な祝祭だったのです。
劇祭は3日にわたり
一人の作家が3つの悲劇のセットと
1つの喜劇を上演しました。
悲劇は娯楽の域を超えた神話で哲学で
生の真実を、運命の儚さを
如実に物語ました。
ギリシアの三代悲劇作家
アイスキュロス
エウリピデス
ソフォクレス
彼らの作品を超える物語など
この世に存在するだろうかと
思えてしまします。
ということは鑑みますと
物語の原型なのですね
さてさて
あなたと読み進める『饗宴』ですが
現在のわたしたちが
2400年前のソクラテスのことを
知ることができるのは、
弟子だったプラトンとクセノフォンが
それぞれの自著に残しているからです。
ソクラテス自身は
エクリチュールしませんでした。
なぜかというと
先日もお伝えしましたが、
ともすれば
書き物というのは
書き手の一方的な思いを綴ったもの
だからで、
ソクラテスは
問答・対話という実践的な場の人で、
ロゴス(発話 談話)を重んじからです。
『饗宴』の副題は
「エロースについて」
冒頭で話させていただいたように
わたしはエロースと言うと、
いやらしい、みだらなもの
と思っていたのです。
日本ではポルノ映画の題名によくあり
それで印象付けられているので
認識を改めるには時間を要しました。
知らなかったのですが
古代ギリシアの「愛」には4つあり
エロース(恋)
フィリア(友愛)
アガペー(神の愛)
ストルゲー(家族愛)
パトロクロスが介抱する
エロースは男神で
ローマ神話ではクピド(英キューピッド)
ですが、
饗宴の晩餐会は食事を終えて
ワインの杯を重ねつつ
その後に、どのようにして過ごそうかと
集った皆で考えました。
ともに飲むことは精神の糧でもあると
当時のギリシア人は考えていたのです。
「シンポジウム」の場面 BC475頃
ダイバーの墓の北壁のフレスコ画
そうして
それぞれが即興のスピーチをすることに
なりました。
そのスピーチの題材は
これまで多くの神々は
それぞれに多く讃えられているけれども
愛の神エロースは偉大な神にも関わらず
未だ称賛の祝辞がないので
今夜はエロースを讃え、賛美しては
と提案があって
一人ずつ順々に右回りに
行うことになりました。
「シンポジウム」ヒョウの墓 BC473
タルクイーニア国立考古学博物館
こうしてプラトンの白眉といえる
『饗宴』が始まります。
今日は背景をお話しするだけで
いっぱいになってしまいました。
この続きは明日
ということに致しましょう。
本日も最後までお付き合いくださり
本当にありがとうございました。
あなたにとって
善い5月となりますように
KIMIÉ
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一番の近道です。
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