人工股関節、
右脚術後15ヶ月、
左脚術後13ヶ月。

リウマチのその後です。

リウマチ薬休止から2週目の血液検査で、白血球はギリ2000を超えた。ニコニコ

「白血球が少ないのは、薬の副作用だけでなく、体質的なものもあるようだ」
とのことで、
1ヶ月前から薬を再開している。

ただし、白血球がこれ以上減らないよう、MTXは週14mgから10mgに減薬だ。
これでもし炎症が出るようなら、
生物学的製剤のアクテムラを増量する、ということに。

お金がかかる〜。チュー

生物学的製剤(バイオ)はとても高価で。
現在1ヶ月に注射2本で3万円以上。
これ以上増やしたくないなぁ。

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最近、リウマチ患者のフォロワーさんたちが増えているので、
今回はリウマチ薬について書くよ。

私はリウマチ発症して13年。
発症当時はバイオはまだ
日本には普及していなかった。

MTXの量も週8mgまでの
上限が設けられていた。
欧米ではもっと多く使われていたが、
「日本人の体格ではこれが適当」と
されていた。

発症当時、
近所の開業医にかかっていた私は、
効かない薬に苦しみ、バイオを求めて
当時のリウマチ医の権威だったIS大学病院のM医師のもとを訪れた。

ところが権威先生、
「何? バイオだと?
10年早い!」と一喝。びっくり

当時日本では、
弱い薬から始めて、それで効かなければ徐々に量を増やしたり強い薬を使っていく、という考え方が主流だった。

「今までどおりの医院で今までどおりの治療を続けなさい」と言われて渡された患者向けパンフレットには、さまざまな生活注意事項とともにこんな記述もあった。

「時には温泉に行くのもいいでしょう。ただし、旅行の計画は他の人にお願いしましょう。ストレスはリウマチを悪化させるので、できるだけ避けるように。」

なんだ、こりゃ?

さらにパンフレットの最終ページには、
車椅子に乗ってニコニコしてる
女性のイラストが。

ふざけんな〜っ!ムキー

そうして、痛みに耐えて月日が過ぎ、
ようやくバイオを積極的に使うクリニックを見つけて、駆け込んだ。

アメリカ帰りのA医師が開いたそのクリニックは、薬の使い方もアメリカ基準。
「リウマチは発症時こそ強い薬を使うべき。初期に抑え込めば寛解率が高い」が、彼の方針で。

("寛解"というのは症状が出なくなること。リウマチでは"完治" という言葉は使いません)

さっそくMTXを12mgに増量して
だいぶ痛みがマシになり、さらに
エンブレル(バイオ薬)を使い出したら
あっという間に全身どこも痛くなくなり、バレエも再開!

当時としては珍しい積極的治療をするA医師は学会では異端児だったようだが、クリニックには従来の治療法では治らなかった患者が全国から詰めかけていた。

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それから数年が経ち、
バイオがだんだん普及してきて。

ある日、新聞のインタビュー記事で
権威先生のこんなコメントを目にした。
「最近では早期にしっかり薬を使うとリウマチを抑えることができることがわかってきました」と。

いや、最近じゃないだろ、それ。えー

Window of opotunityなんて言葉も言われるようになった。
曰く、発症から2年以内が勝負。
それまでに強い薬でリウマチを叩けば、
寛解の望みがある、と。
火事はボヤのうちに消す、ということだ。

私が権威先生を訪ねた時にはまだ発症から数ヶ月だったのに、バイオにたどり着いた頃には2年が過ぎていた。

「10年早い」って...。
10年も待ってたら今頃どんな身体になってたことか。

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そしてさらに2011年のこと。

MTXの上限が、
8mgから16mgへと変更された。
一気に倍だ。

日本人の体格が急に良くなったのか?
まさかね。えー

その裏には、高額なバイオの普及により、
健康保険制度が脅かされるようになったから、との噂。
「高価なバイオをばんばん使わずに、
安いMTXで対処しろ」ってことで。

MTXはアメリカでは1988年に発売されたのに、日本では1999年まで承認されなかった薬だ。
日本のリウマチ治療は10年遅れている、とA医師はじめ何人かの医師がブログなどで書いていたが、裏事情はともかくとして、これでまっとうに効く量が使えるようになったのだった。

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そんなこんなで、
13年前に発症した私は、初期に充分な治療が受けられなかったが、

この近年に発症した人にとっては、
今はホントに良い時代になったと思う。

リウマチと診断されても、
悲観することはありません。

治療薬が格段に進歩しているので、
怖がる必要はないです。

日本整形学会のhpで「関節リウマチ」のページ開くと、いきなりこのイラストが出てくるけど、


エグいよねー。びっくり
今どき、こんなになる人は少ないのに。

これなんか見ると、
7割の患者はあまり進行しない、とある。

リウマチe-ネット(ファイザー製薬)より。

もちろん薬には副作用もある。
けど、そこは効果と副作用、
すなわちメリットとデメリットの
バランスを考えれば良いことで、
やみくもに怖がるものではないと思う。

それと、バイオの自己注射
怖がる人も多いようだけど、
今の自己注射なんて
注射器に薬がセットされてるから、
消毒してプチュッと刺すだけじゃないですか?

10年前なんてこうだよ。ニヤリ
粉末の薬剤を液体に溶かし、
注射器でそれを吸い上げて.....、って、
ホントにめんどくさかったんだから!
注射なんてたいしたことないよ。

バイオは高価なだけに
使うのをためらう人も多いようだけど、
関節が壊れてからでは遅いです。

薬なしでリウマチが治る人も確かにいるけど、それは、ひと口にリウマチと言ってもいろいろタイプがあるから。

治るタイプと治らないタイプがある。

で、治らないタイプの人には薬はやはり必要なんだよ。
「私はこれで治りました」なんていう
自然療法やスピリチュアル系に惑わされないよう気をつけてね。
そんなのはもともと“治るタイプ”だった人の成功談だから。

不安がいちばん
良くないです。
不安になると
そういうのにつけ込まれます。

21世紀の今、
リウマチは怖い病気ではありません。

ただ、怖いのは、
コロナウィルス感染。

免疫抑制剤を使っていると
重症化の恐れはある。
(今のところリウマチ患者の死亡は
報告されていないけど)

手洗いしっかりやって
乗りきろう!

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長文読んでいただきありがとうございます。

そして、リウマチではない
変形性股関節症の読者の方々へ。

股関節の一つや二つで嘆きなさんな。
こちとら全身の関節破壊と
闘ってるんだから。ウインク

たいしたことない、って
笑いとばそう!