コチラは曇り、アチラは雨、、という一日。

6月6日だったのだもの雨くらい降りますコンニチハ、樹木黄緑です。

 

南の島へと弾丸の旅に出かける。始発で出かけて最終便で帰ってくるという無謀な旅の記憶の記録デアル。(しかしこれを旅と呼べるのか?)できるだけ端折りたいところだが、思い出すまま書いてしまおう。

 

前日は仕事で、帰宅してもフワフワしており、無駄にウロウロして、翌日から出かける感じが全くしなかったのだ。いつものワクワクが無いんである。もしかしてキャンセルするかしら?の雰囲気漂う。

当日早朝、予定の時間に起きたもののほぼ何も準備をしていなかったので、バタバタと鞄を用意。迷っている余裕などないのに日帰りとてやはりコロコロBAGか、、でも向こうは梅雨で雨が降っているかもしれない、でも荷物を持って移動するのは脚がね、、でも傘をさしてコロコロを引っ張るのもね、、とかグズグズ考えているうちに時間が過ぎる。

 慌しく出かける準備をして、猫たちに多めに餌をやってサヨウナラ。結局いつものコロコロを引っ張って行く。目の前を地下鉄が通り過ぎて行った。平日ですし、朝から満員!次の地下鉄はすぐにきたが、朝の5分はとても貴重であると知る。

案の定、空港の端まで小走りする。走る時にコロコロは邪魔であることを再認識。どうにかチェックINして搭乗口へ。思ったほどの混雑ではなく、シートも指定していなかったのに窓際で隣おらず。雲の上の景色を堪能する。そして寝落ち。左耳と顎関節あたりが痛くなって目覚める。見事な灰色の空の下無事着陸。

南の島ですし、もちろんこんな天気もあるのだが、どうもピカピカの快晴を、眩しいくらいの日差しをいつも頭に描いてしまう癖。色付きサングラスと幅広の帽子は今回は恐らく出番が無いであろうことくらい、天気予報で確認すれば良かったのに。それでもとりあえず持って行くことにスル(なんせ南の島ですから。それに一見無駄な物がある時結構役にたったりするという事もあり、コレは天邪鬼的な性格のなせる技として)。

 

空港に着いたが、さてどうしよう。目の前の観光案内所へいき、バスの情報などを聞き、10分後に出る観光バスに乗ることに。以前から気になっていた店を訪ねていこうと思っていたが、調べてみるとこの日は夜のみの営業。私は夜にまた飛行機に乗らなくちゃならないのさ、でも何かあるだろうと知らない街へゴー。1時間かけて着いた場所は海沿いの不思議なショッピングモールというか、色とりどりの不定形な建物が曲がった道沿いに建てられており、まるでテーマパークみたいだった。何だかウケた。建てられて少し時間も経っており、何というか不思議な雰囲気が漂っていた。道なり咲く雨に濡れたハイビスカスやブーゲンビリアを写真に写す。それから人に聞いて、このエリアを通り抜けて外れたところにある食堂を探す。雨やや激し。

 

店は古めの和風で昼間からのJAZZがBGM。見事に反り返るつけまつ毛を付けた初老の女性が出てきてカウンターへ通される。日替わりの魚フライ定食を頂く。和風な割にはトマトとチーズソースがかかっていて何と言うか、MIx系?お隣には観光客と思しきが異国の女子が2人席につき、やはり魚の定食を頼んでいたが、こちらは魚を自分で選んで調理法を指定するスペシャルランチ。値段はそれなりだがほとんど気にせず注文。しばらくお喋りしてと料理が運ばれてくるとワァ!と小さな歓声を上げ、食べる前に写真を写してついでに家族とビデオ通話し始めた。その時のはしゃぎ方が尋常でなく、そんなに魚料理が珍しいのかどうかもわからぬまま?店の人も注意もせず、ま、日本が初めて?とか、さらに経済に余裕がある方たちなのかもしれない、そしてとことん楽しみたいと願う方々は、もはや息詰まったこのかつて経済大国と呼ばれたのかもしれないが、トップの企業たちもこぞって不正を働くどうしようもなく資本主義を履き違えている、しかも政治も腐敗したままと思われるこれからひたすら落ちぶれて行くかもしれないこの国に、どうぞ今のうちにお金を落として行っていただければ(いかんいかんこれは旅の記録だった、、)。

 

外はまだ雨で、歩き回るにも海岸にも降りれなくて、ここでは無い何処かへということで再びバスに乗る。1時間かけて市内に戻り、モノレールに乗って目指すエリアへ。とある駅で降り、道を尋ねて市場へと向かう。ここは何度来ても迷路のような作りの巨大なエリア。でもなぜかここが好きだから、いつも来ては迷っている。

前回来た時には建替え中だった建物も無事に完成して、店も元の場所に戻っていル事を見届け、2階の食堂で温かい汁物を頂く。それからぐるぐる回って細い路地裏に入り込んでまた戻って猫達に出会って、大きな南国の木を見上げて小さな本屋を目指す(店名がすぐに出て来ず、検索不能で場所もわからず)。途中で見つけたパン屋に寄り、ここでもバケットを買ってしまう。店の店主が本屋の場所を教えてくれて、そこへ向かおうとするが、途中珈琲屋を見つけて店頭で一服。そこにいた知らない女性と少し話をすることに。

去年関東から移住してきたというその女性は恐らく同年代であり、今日は仕事の帰りだという。「結局ここでも仕事ばかりで忙しい毎日でね、、」と苦笑い。日帰りできた事を告げると驚いていた。みんな忙し過ぎるよね。

互いに同時に席を立ち、手を振って反対方向へと歩いてく。目指していた本屋はシャッターが降りていて、またいつかと言う事か。その近くに古書店があり、店頭になぜか売ってあったガラスのコップと古書一冊を買う。最近私の憧れの対象となっている研ナオコの本が目の前の棚にあり、目が合ってしまったという不思議。そして不思議というか、「スミマセーン」と声をかけると細長い店の奥から髪が長い(そうとても真っ直ぐで長い)、色白の若い男の人が出てきて、白くて細い指で商品を確かめ、無言でお金を受け取った。グラスと合わせて二百円也。剥き出しのまま、コロコロバッグのポケットに突っ込む。

そのあと見つけた惣菜屋で帰ってから食べるかも?と炊き込みおにぎりと唐揚げセット(さくらんぼの果汁に漬け込んで揚げたという、聞いたことも味わったことも無い唐揚げ入り)を買い、お土産屋でドーナッツとかその他お菓子とか調味類を買う。小さな八百屋で地元で取れたというピーマンとオクラを買う。鞄が膨らんできて、コレって重量オーバーにならないかしらという不安が一瞬過ぎる。(以前この空港で重量オーバーで引っかかり、皆の前でケースを開けて中身を取り出すという極めて迷惑且つみっともない経験をしたので、、)

 

で、最後に立ち寄った店の店頭で大好きな人たちの歌が流れていたのでうっかり聞き入ってしまい、この日着ていた彼らのツアーTシャツを見せながら店の人と話などしてしまい、、と夢中になっている場合じゃなくて、また乗り物に乗って空港へ向かわねばならない時間となっていた。時間がかなり迫ってきており、空港に着いてもバタバタと小走り。コチラ結構慌てており、チェックINカウンターは1階ではなく3階と聞き慌てて上り、ギリギリの搭乗手続きであり、既にほぼ満員の乗客で、非常口の席となる説明を受け発券へ。保安検査は2階ですというからまたパタパタと下り、検査を受けて搭乗口へと向かうギリギリ20分前。

 

とにかく席は確保したのだ帰る方向なのだぞ急がねば、、というかここに至っても何だか帰る気がしなくって(というか、帰りたくないと思い始めてしまう)。

窓の外が輝き始めていた。あれだけ降っていた雨がいつしか止んでおり、西の方が光るようにオレンジ色に染まっている。明日はきっと晴れるのだろう。実はうっかり帰りの便を(最終便だから)逃してしまい、ここに一泊して明日帰ることに、、という妄想抱きつつ飛行機に乗る。隣には若い男性が持ち込んだ蓋付きではあるが紙コップのコーヒーと格闘しながらシートベルトを装着しようとしているのがツボってしまい、おい不器用すぎるぞと思いながら声をかけ、コップを一瞬持ってあげることに。旅の醍醐味の一つとして、知らない人と隣り合わせる、会話をする、というのはなんだか面白い瞬間である。落ち着いたところでこちらは折り畳み傘をどこかに置き忘れてきた事を知る。

 

いつもの坂を上り、友人と家族に無事に帰宅した報告する夜半。猫たちにゃあにゃあ。チム谷ベッドの上に粗相。怒る気力は無いが、寝るためにシーツや掛け毛布を丸ごと全部取り替える。機内でも寝たはずなのに爆睡。そして朝、うっかりいつもの時間に起床。忘れないうちにと旅の記憶の記録など(長いな、3400文字超えですて!)。