2日、大切な人が逝ってしまい、6日お別れに行って来た。


1973年、新宿キャバレーの専属バンドでドラムを叩いていた頃、夢も希望もない毎日。

バンドマスターの義妹が、 TVドラマである役者さんの妹役で出演。「その役者さんが付き人を探している」。

小耳に挟んですぐ決心。バンマスに「すぐ辞めさせて」宣言。数日後の23日向かったのは、日生劇場。

越路吹雪さんの「アプローズ」の初日。押しかけ同然に尋ねたのが、その役者さん、浜畑賢吉さん。

履歴書を持参するでもなく「付き人を探していらっしゃるとお聞きしました」。

心良く受諾して頂き丁度3年間の付き人生活がスタート。

商業演劇の場合は「付き人」というが、新劇の場合、身の回りの世話は研究生がやるらしく、付き人制度はなく、私は「サブマネージャー」と呼ばれた。

浜畑さんは劇団四季所属。商業演劇も新劇も知らない、田舎者のど素人だった。

四季所属とは言え、ドラマ、映画出演も多く「付き人」が必要な仕事量だった。

私に課せられた最も大切な仕事は、ロケで45時時起きでも、モーニングコール代わりに起こすこと。お酒大好きの浜畑さんは毎日、結構召し上がっていた。

幸い無遅刻を完遂した。

不思議だったのは、飲んで寝込んでいるはずなのに、その日の台詞はしっかり頭の中に入っている。どんな魔法を使っていたのか結局聞けず終い。残念!

3年の間、商業演劇の舞台、森繁久弥氏主演の芝居で帝劇、梅田コマ劇場。八千草薫さんの芝居で、京都南座。岡田茉莉子さんの三越劇場で、台詞を二つ、三つ頂き貴重な経験をさせていただいた。

仕事の最中「今日は大事な野球の試合があるので(中野区の大会)」中抜けさせてもらったり、幾度となく起こした、怒鳴られそうな失態にも怒ることをしなかった浜畑さん。

大阪芸大教授の活動、舞台の告知etc、頻繁にFBを更新されていたのに、今思えば最近更新がなかった。

貴重な経験をさせて頂いたことには感謝しかありません。ありがとうございました。安らかにおやすみください。


写真は

♦︎74年、ファンの集いの一コマ

♦︎2001年、デビュ-20周年記念コンサート(TBSホール)花束持参でお祝いに駆け付けて下さった。

♦︎20173月 Ustream「まんCHANねる」にゲスト出演して頂た(結局これが最後の対面だった)