アンパンマン『しかし、こんな話があっちの世界で何の役に立つんですか?』
ジャム『あっちの世界に毒されすぎじゃ(笑)
例えば、数学的な概念に【カオスのエッジ】というのがある。』
アンパンマン『混沌と秩序の重なる領域のことですね。
それが、どうかしたんですか?』
ジャム『例えば、さっきの市民革命に例えよう。
混沌=無産階級
秩序=貴族階級
とすれば、ブルジョアジーは両者の重なる領域にある。』
アンパンマン『そうですね。
まさしく、既存の秩序から新たな秩序を創る主体・・自由存在と言ってもいい。』
ジャム『そういうことじゃ。
今の秩序(システム)に不満があっても、混沌(カオス)だけでは、ただの破壊となってしまう。
新たな秩序を創るためには、両者に重なる領域が必要だと。』
アンパンマン『なるほど! 学問の意味が何となく分かってきた気がします』
ジャム『もう少し深い次元の話をしよう。
例えば、近代科学で重大な意味を持つ
地動説VS天動説』
アンパンマン『ああ、コペルニクスを端緒にした』
ジャム『正確には、古代ギリシャの時代から地動説自体はあった。
天動説にしても、ローマ教会の不合理な教義というわけでもなかった。』
アンパンマン『ところで、コペルニクスは教会に許されて、ジョルダーノ・ブルーノが火あぶりになったのはなぜですか?』
ジャム『それこそ、ジョルダーノ・ブルーノは、観測の手法も確立されていないのに、真っ向から教会の世界観をひっくり返そうとしたからじゃな。
コペルニクスは単に、天動説では計算が複雑すぎるという話をしただけだった』
アンパンマン『なるほど。確かに、天動説は数学的整合性に難ありですよね。』
ジャム『とは言え、当時の最強数学者、ティコ・ブラーエが天動説陣営にいて、徹底的改良で数学的整合性を確立した』
アンパンマン『なるほど。で、観測の手法を確立して天動説を叩き潰したのが、ガリレオ・ガリレイだと・・』
ジャム『いやいや(苦笑)ガリレオは楕円軌道の法則が見つけられなくて大惨敗じゃった。』
アンパンマン『楕円軌道の法則と言えば、ケプラーじゃないですか。
え? じゃあ、天動説陣営で最強のティコちゃんの弟子のケプラーが地動説に寄与したと。』
ジャム『ちゃんを付けるな(笑)
皮肉にも、そういうことじゃな。
そして、ついにニュートンが出てくる。』
アンパンマン『ああ、なるほど。
ガリレオ→位置エネルギーの法則
ケプラー→楕円軌道の法則
ニュートン→万有引力の法則(逆二乗の法則)
って感じで科学革命を成し遂げたわけね。』
ジャム『ニュートン力学は、天上にいる神という世界観そのものを、重力で叩き落としたと言ってもいい。
政治的な意味のレボリューション(革命=回転)もそこから』
アンパンマン『ああ、1分野じゃなく、全体に影響を与える。
これが、まさしくウィッセンシャフト(学問=科学)ですね。』
ジャム『さらに深い次元の話もしよう。
イエス・キリストじゃ。』
アンパンマン『実存のレベルで変わるとなれば、宗教に辿り着きますね。』
ジャム『これも最初に言ったことを思い出そう。』
アンパンマン『神=秩序、人間=混沌。
その重なる領域がイエス・キリストということですか?』
ジャム『それでもいいが、ここでは
神=エターナル(永遠)
人間=モータル(有限)
としよう。』
アンパンマン『エターナル(永遠)とモータル(有限)の重なる領域・・』
ジャム『そして、聖霊がイエスのガイスト(精神=聖霊)となる』
アンパンマン『ああ、三位一体説で、聖霊の意味が分からなかったけど、イエスのガイスト(精神)とすれば分かりやすいですね。』
ジャム『いわゆる【受肉】にも注目しないといかん』
アンパンマン『神学者のハーベイ・コックスがこう言ってますね。
現代は世俗的な時代だと。
そして、神がイエスにおいて人間になったこと(=受肉)は、一種のラディカルな世俗化なんだと。』
ジャム『やなせたかしが、クリスチャンの意味も分かるじゃろう。』
アンパンマン『そうですね。
仏教はどうなんですか?』
ジャム『いわゆる、菩薩がそれに当たる。』
アンパンマン『ん? 菩薩って、単に仏になる前の段階じゃないですか?
衆生と仏の中間的な。利他行は一緒だけど。』
ジャム『いや、法華経によって菩薩の概念が変わる。
エターナル(久遠)の仏が、あえて菩薩を貫くということじゃ。
如来寿量品第一六にはこうある。』
アンパンマン『如来寿量品!!
法華経のクライマックスですね。』
ジャム『我、本菩薩の道を行じて成ぜし所の寿命、今猶、未だ尽きず。復、上の数に倍せり』
アンパンマン『あえて【外部】に止まらなかったということか。
やはり、お釈迦様は凄すぎるな・・』
ジャム『いや、今度は【お釈迦様が】じゃない。』
アンパンマン『え!?』
ジャム『我々一人一人がこうなるべきだということじゃ!』
アンパンマン『・・・!!!』