ちょっぴり怖い幽霊の話し②
こんばんは
今回は、ちょっぴり怖い話しです。
子供達が小さい頃に
「お父さん!なんかお話しして!」
と言うので
お風呂や寝る時に、よく自分で作ったお話しやクイズなどをしていました。
その時の話しを思い出しながら
画像と合わせて作りました。
最後までお付き合い下さい。
『真冬の窓に映る顔』
夜寝る前に子供部屋の窓から、降り始めた雪を見ている小学生の兄と妹。
今夜はとても寒く、部屋の中でも足の指先が痛いくらいだった。
寒いので兄は先に布団に入ろうとした。
すると突然、窓の外を見ていた妹が
悲鳴を上げた。
兄は驚き、妹の所へ駆け寄り
どうしたのか聞く。
妹は青白い顔で窓の外を見つめながら「外に……いま誰かコッチを見てた…」
兄は驚き窓を見るが何もない。
妹はガタガタと震えて、とても嘘を言っているようには見えなかった。
しかたなく兄と妹は部屋を出て
同じ2階にある両親の寝室へ向かった。
両親の部屋の前で、中から母の声が聞こえた。「本当だってば!外に知らない女がいて、コッチを見ていたのよ!」。
兄と妹は驚き顔を見合わせた。
母も見たのかっ!
父は「見間違いだって!疲れているんだよ……」と言って相手にしていない。
兄と妹が部屋に入ると、父が「まだ起きてたのか?早く寝なさい!」と言うので、妹も窓の外に顔を見たと話した。
すると、みるみる母の顔が青くなり「ほら!嘘じゃないでしょ?!」。
「鳥か……何かじゃないのか?」と笑いながら言うが、父の様子が何かおかしい気がする。
「子供と私が、たまたま夜に飛んでいた鳥を、たまたま同じように見間違えたってこと?本気で言ってるわけ?!」。
母がヒステリックに叫ぶと、仕方がなく父は外へ出て家の周りを調べた。
数分後……………雪が頭と肩にうっすら積もった父が帰ってきて「何も無かったよ」と言った。
不安が解消されない兄は、近所に住むお婆ちゃん(父の母親)に電話をして事態を知らせた。
数分後、インターホンが鳴った。
父が玄関を開けると、お婆ちゃんが立っていた。
普段からお婆ちゃんに頭の上がらない母がペコペコと挨拶をして、父はうろたえながら「母さん…どしたの?」と聞いた。
お婆ちゃんはジロリと厳しい目を父に向け、無言で2階へ上がる。
子供部屋に入ると「この家に悪いモンがいるね」とだけ言って、
懐から大きめの紙を出して窓に貼った。
その紙は御札だった。続いて両親の部屋のベッドの枕側の壁にも、その御札を貼った。
父が「ねぇ母さん……なんでこんなこと……」。お婆ちゃんは、またギロリと父を睨み「お前〜なんか心当たりあるだろうが?」。父の顔から血の気が引くのがハッキリと分かった。
最後にお婆ちゃんは玄関にも御札を貼って、帰って行った。
翌朝、起きるとお婆ちゃんが貼ってくれた御札は、なぜか黒焦げになっていた。
■ここからは、父が家の周りを調べに行った後で【兄がお婆ちゃんに電話をしなかった場合】の話になります。
仕方がなく父は外へ出て家の周りを調べた。
数分後……………雪が頭と肩に積もった父が帰ってきて「何も無かったよ……」と言った。
渋々母はお風呂に入り、兄と妹は寝ることにした。
…………………………
………………………
……………………そして深夜に
兄は物音で目を覚ました。窓に近付き外を見てみると雪は本降りになっていた。素足だと床が痛いほど冷たい。
「あれ………?」兄は違和感があった。
窓に近付いた時に、ある事がおかしかったのだ。
部屋を見回すと、隣で寝ているはずの妹がいない…………。(トイレにでも行ったのかな?)部屋から廊下へ出てみる。
両親の寝室のドアが開いていたので覗いてみた。
えっ…………
部屋の中はベッドや壁、天井までに血が飛び散っていた。「いっ……ひいっ!」
に……逃げなきゃ
脚はガクガクと震え、薄暗い廊下をなんとか歩き、階段へ向かった。
所々に血の付いた階段を慎重に下りて、1階に行くと洗面所のドアから光が漏れていたので隙間を覗く。
うぶっ!吐き気が襲ってきた。
洗面所も血の海だった。肉や内臓が剥き出しになり、目を見開いて驚いたような顔で倒れている母と、後ろを向いて立っている妹がいた。
よく見ると妹は右手に包丁を持っていた。思わず「ひっ!」と声を出してしまった。
妹がゆっくりと振り返る……
その顔は見たことも無い、不気味な女性の顔だった。
その女は冷たい目で、こちらを見ていた。人間じゃない!直感でそう思うと、ドアを勢いよく閉めて玄関に走った。
廊下の途中で父が血まみれで倒れていたが、ひと目見て生きていない事が分かった。
父は寝室で襲われ逃げて来たが、ここでさらにメッタ刺しにされたようだった。
玄関ドアの鍵を開けようとしたところで
、後ろの洗面所のドアが乱暴に開いた。
妹が包丁を持って、こっちに向かって歩いて来ている。
玄関を開けようとすると「ガチャン!」
ドアチェーンが掛かっていた。
窓の外に顔が見えたと脅える家族に、父が用心のため、今夜はドアチェーンを掛けたのだ。
急いでドアチェーンを引き上げようとするが、手が震えて上手く外れない。
後ろ振り向くと妹は父の死体を、無造作に踏みながら進んで来ている。
さらに震える手でガチャガチャと外そうとしていると、すぐ後ろまで妹は来ていた。
祈るような気持ちでチェーンを上げると、ドアチェーンが外れた!。
そのとき右肩に激痛が走り、包丁が兄に刺さっていた。
「ぎゃぁっ!!」
それでも兄はドアを開け、痛みに耐えながら雪の降る外へ飛び出して一心不乱に走った。
もう妹は追って来なかった。
道路で肩から血を流し、裸足でパジャマ姿でいた兄は通行人に保護され、
救急車で病院に搬送された。
妹は玄関で自分の首を切り死んでいた。
数年後、兄は高校生になっていた。
当時、家にあった家族の遺品を整理する為に、今はもう亡くなった祖母の家を訪ねた。
祖母の家の物置きには、警察から押収されて帰ってきたままのダンボールが山積みになっていた。
夕方まで、ひとつひとつ懐かしい品を整理していると、父の使っていたシステム手帳があった。
開いてパラパラめくると1枚の写真が挟んであった。
写真を見た瞬間、兄の全身が凍りつく
父と仲良く楽しそうに2人で写る女性。
あの時、妹の顔になっていた女と同じ顔だった。
妹は左利きだったのに
包丁を右手に持っていた
その女性は事件の三週間前に山梨県の山林で首を吊っていた。
あの夜、母や妹が窓の外に見た顔は
この女の顔だったのだと兄は思った。
終
子供達が怖くて眠れないと
嫁に告げ口……怒られました。