楽天?田中将大投手(25)の米大リーグ移籍が16日、決定的となった。サンケイスポーツの取材で明らかになったもので、17日に日米間で正式発表される旧ポスティングシステム(入札制度)に替わる新移籍制度の導入を受けて、球団側に大リーグ挑戦の意向を直接伝える。一時は移籍に否定的だった三木谷浩史球団オーナー(48)は、今季の田中の功績と今後の経営戦略を再考し、大リーグ挑戦を容認したもよう。球団の申請手続きを経て、田中をめぐるメジャー球団の争奪戦が一気に加速する。
田中の米大リーグ挑戦について、当初は「個人的には若者が米国へ挑戦するのはいいこと」と発言していた三木谷球団オーナーだったが、新移籍制度の上限額が明らかになるにつれ、「行かせるつもりはない」と方針を転換。しかし、最終局面では次代を担うアスリートの夢を犠牲にしてはならない-との自らの指針になぞらニューバランス1400え、英断を下したとみられる。
楽天本社の関係者の話を総合すると、一時は組織内に「田中を行かせるべきではない」という意見が蔓延(まんえん)していたという。だが、そうした実情を徹底調査し、時間をかけて一つ一つ不安材料を払拭していったのも組織のトップの同オーナーだったという。
加えて、来季パ?リーグ2連覇を目指すチームにあって、モチベーションの下がった田中を残留させるのはチームと田中の双方にとって得策ではないとの考えも大きく影響したようだ。
日本野球機構(NPB)と大リーグ機構(MLB)は17日午前中に新移籍制度の締結を同時発表する。これを受けて田中は、同日中に立花陽三球団社長と会談。球団にメジャー挑戦の意向を改めて伝え、球団は田中と意見交換をしながら最終的には容認する構えだ。
紆余(うよ)曲折があった。旧ポスティングシステム(入札制度)は、入札金の上限はなく、交渉できる球団は落札した1球団のみ。新制度では日本の所属球団が、選手を獲得する米球団から受け取る“移籍金”を2000万ドル(約20億6000万円)を上限額に設定し、選手はそれに応じた全ての米球団と交渉できる。米メディアでは、旧制度なら入札額は60億とも報道され、新移籍制度の約20億円と40億円もの開きが生じる。これが楽天側には不利で大きな“障害”となっていた。
チーム編成上でも田中の存在の有無が大きく関わる。一時は米国同様「(旧制度では)入札額は20億円よりはるかに高い」との価値判断がなされ、球団内でも残留を最優先させるべき-との方針を固めていたが、最終的に田中の夢の実現を最優先させた形だ。
今後は手続きが速やかに行われ、今週中ニューバランス スニーカーにメジャー30球団に告知されれば、旧制度ではそこから4営業日以内に入札を開始。クリスマス前後に交渉権を得る球団が判明する。田中には複数球団が獲得に乗り出すとみられ、それから30日間は落札した球団との交渉期間となり、順調に進めば1月上旬に所属球団が決定する。
今季開幕から24勝1セーブで球団初のリーグ優勝に導き、日本一の原動力になった。ファンの多くもメジャーの強打者をなで斬る田中の快投劇を楽しみにしている。日本の誇る絶対的エースの視界がようやく開けてきた。