トロッコ1 | 研伸館 中村公昭のブログ 「国語を勉強しよう!」

トロッコ1

みなさんこんにちは。研伸館の中村です。今回からは、また芥川さんの作品です。いい加減にしろとお怒りのコメントが来るかもしれませんが、許してください。青空文庫を探しても、適当な短編があまり見当たらないので。

今回は『トロッコ』です。中学生の頃に習いましたよね。多分。昔を想い出しながら、ノスタルジーに浸りましょう。

では、早速。

①小田原熱海《あたみ》間に、軽便鉄道敷設《ふせつ》の工事が始まったのは、良平《りょうへい》の八つの年だった。良平は毎日村外《はず》れへ、その工事を見物に行った。工事を――といったところが、唯《ただ》トロッコで土を運搬する――それが面白さに見に行ったのである。

「小田原」は、神奈川県、「熱海」は、静岡県にそれぞれあります。小田原はお城、熱海は温泉で有名ですよね。

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小田原城です。

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熱海に泊まった時の旅館のお庭です。あまり関係ないですね(笑)。今年のGWにこのあたりをブラブラしてきました。

「軽便鉄道」は、一般的な鉄道よりも低規格の安価な鉄道。

現在は、日本全国津々浦々、鉄道が張り巡らされています。しかし昔はそうでは無かった。この作品は大正11年(1922年)に発表されています。鉄道や道路といったインフラがどんどんと作られていた頃なのでしょうね。1909年に「軽便鉄道法」が公布され、安い値段で作られることもあり、軽便鉄道は、日本全国に爆発的に増えていったようです。

主役は「良平」。いかにも普通の男の子の名前ですね。年齢は8歳。小学校2~3年生くらいです。やんちゃな盛りですね。村外れで工事をしています。毎日見に行きます。何か新しいものが作られていく姿は、子どもの好奇心を掻《か》き立てます。楽しいんだろうね!

否、トロッコが土を運んでいる姿を見るのが楽しい。「トロッコ」ってどんなものか分かります?簡単に云うと貨物車両のことです。動力を持っているものもあれば、手で押すものもあります。詳しい絵を見たい人は、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B3までどうぞ!

何か新しいものが出来るのを見るのが楽しいのではない。ただ、トロッコが土を運んでいる姿を見るのが楽しい。少し大人になると分からなくなってします感覚ですね。大人になると飽きるのが早くなります。美味しい焼き肉も3日も続けば嫌になる。しかし子どもはそうではない。同じ漫画やアニメを飽きることなく繰り返して観ている。同じ玩具《おもちゃ》で何時間も遊んでいる。すごく単純なことなのだけれど、ツボに入ると大好きになる。そういうものですね。みなさんも小さい時の頃を思い出してください。そんなことあったでしょ?僕はギターばっかり弾いてたな。変な小学生でした(笑)。


研伸館 中村公昭